本がひらく

NHK出版の書籍編集部が、多彩な執筆陣による連載小説・エッセイ、教養・ノンフィクション…

本がひらく

NHK出版の書籍編集部が、多彩な執筆陣による連載小説・エッセイ、教養・ノンフィクション読み物や、朝ドラ・大河ドラマの出演者や著者インタビューなどをお届けします。新刊情報も随時更新。ときどき編集部裏話も!

マガジン

  • 連載

    ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。

  • 小説・エッセイ

    人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。

  • NHK出版新書

    ビジネス、哲学、時事、環境、教育、宗教、美術、科学……多彩なジャンルを深くわかりやすく伝えるNHK出版新書の関連記事をラインナップ。

  • 教養・ノンフィクション

    各分野における最新の知識や再発見、情報の最前線から得た知見など、半歩先の知的好奇心を満たす記事を公開中。

  • ドラマ

    朝ドラ、大河ドラマ、韓国ドラマなど、NHKドラマの出演者インタビューや、関連出版物の情報をお届けします。

リンク

最近の記事

「日記の練習」11月 くどうれいん

小説、エッセイ、短歌、俳句とさまざまな文芸ジャンルで活躍する作家、くどうれいんさん。そんなくどうさんの11月の「日記の練習」です。 11月1日 何もかもが手遅れな一日。忙しさに追い詰められたら、むくむくとどこかへ行きたくなって咄嗟に11月中の京都行きを決めた。格安航空が格安でびっくり。はじめて飛行機にひとりで乗るんだと思ったらもう緊張してきた。わたしは生活に過度な負荷が掛かりはじめると、忙しさの中を飛び出すように、スケジュールを無理やり突き破って突拍子もない遠出を試みようと

    • 90年代で足踏みしている日本人へ! マルクス・ガブリエルが語る日本社会

      「新実在論」を掲げ世界を飛び回ってきた天才哲学者マルクス・ガブリエル。そんな彼が日本社会を語り尽くした新書『マルクス・ガブリエル 日本社会への問い 欲望の時代を哲学するⅢ』が刊行されました。 気候変動も絡んだネステッド・クライシス(=複合的な危機)の時代、「これまでの改良で十分だ」という〝保守主義〞では自分も他人も救われない。 ではどうするのか?——文明が転換する兆候と時間感覚の変化を指摘し、近代化で失われた〝存在〞を回復する方法、さらに日本的特質を生かした「倫理資本主義」へ

      • 知っていると思っているもののことさえ、本当はなにもわかっていない。――「ことぱの観察 #05〔確認〕」向坂くじら

        詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。 確認 週末、夫とふたりで一日乗車券を買って、東京じゅうをぶらついていた。決まった行き先は特にない。どこにでも行けるとなると、かえってどこに行けばいいかわからなくなる。せっかく乗り放題なのだからあちこち行かないともったいない、という貧乏性も加わって、わたしたちはヒット・アンド・アウェーで駅から駅を渡り歩

        • 「日記の本番」10月 くどうれいん

          小説、エッセイ、短歌、俳句とさまざまな文芸ジャンルで活躍する作家、くどうれいんさん。くどうさんの10月の「日記の練習」をもとにしたエッセイ、「日記の本番」です。 先行きが不安になると会社勤めの人たちと同じ行動をしたくなる。だから8時には家を出て、出勤ラッシュのスーツの波に飲まれながら作業場まで歩く。働いていた四年間は車通勤をしていて、いつも会社にいちばん近い駐車場に停めて、始業ギリギリの時間に滑り込むように到着していたから、実際はこんな風にたくさんの通勤者と共に歩いていたわ

        「日記の練習」11月 くどうれいん

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • 連載
          本がひらく
        • 小説・エッセイ
          本がひらく
        • NHK出版新書
          本がひらく
        • 教養・ノンフィクション
          本がひらく
        • ドラマ
          本がひらく
        • わたしたちのSDGs
          本がひらく

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          いつ、どうやって切り替えるか――メンタルヘルス研究の世界的権威が語る「柔軟な脳」の作り方

          人は1つのことをする状態から、別のことをする状態に頭を切り替えることが難しく、そのつどエネルギーを消費しています。切り替えにかかる負荷は思わぬストレスになり、切り替えがうまくできなければ同じ間違いを繰り返してしまうのです。 一方で、機敏に思考や精神を切り替えることができれば、最高のパフォーマンスを発揮し、より軽やかに楽に生きることができます。では、いかにして「フレキシブルな脳」となるのでしょうか。『SWITCHCRAFT(スイッチクラフト)切り替える力――すばやく変化に気づき

          いつ、どうやって切り替えるか――メンタルヘルス研究の世界的権威が語る「柔軟な脳」の作り方

          スポーツの祭典の裏でうごめく外交問題――『総理になった男』中山七里/第16回

          「もしあなたが、突然総理になったら……」  そんなシミュレーションをもとにわかりやすく、面白く、そして熱く政治を描いた中山七里さんの人気小説『総理にされた男』待望の続編!  ある日、現職の総理大臣の替え玉にさせられた、政治に無頓着な売れない舞台役者・加納慎策は、政界の常識にとらわれず純粋な思いと言動で国内外の難局を切り抜けてきた。選手たちの思いを胸に、熱いメッセージを伝えてオリンピック・パラリンピック開催の是非を問う国会答弁を乗り切った慎策。いよいよ開会式前日、各国の来賓たち

          スポーツの祭典の裏でうごめく外交問題――『総理になった男』中山七里/第16回

          連載 ロジカルコミュニケーション入門――【第8回】多種多彩な「論証」を使ってみよう!

          ●論理的思考の意味  本連載【第1回】「論理的思考で視野を広げよう!」では、「論理的思考」が「思考の筋道を整理して明らかにする」ことであると解説した。たとえば「男女の三角関係」のように複雑な問題であっても、思考の筋道を整理して明らかにしていく過程で、発想の幅が広がり、それまで気づかなかった新たな論点が見えてくる思考法である。  【第2回】「論理的思考で自分の価値観を見極めよう!」では、「ロジカルコミュニケーション」によって新たな論点を探し、反論にも公平に耳を傾け、最終的に自

          連載 ロジカルコミュニケーション入門――【第8回】多種多彩な「論証」を使ってみよう!

          【怪談】壁に残された血文字――葬儀業者の身に降りかかった背筋の凍る怪異

          怪奇体験から垣間見える、現代社会の実像と歪ひずみ――。  2020年からNHKで不定期に放送され、SNSで話題の「業界怪談 中の人だけ知っている」。番組の再現ドラマをもとに体験者ひとりひとりに徹底追加取材し、より恐ろしく、より不可思議に、全16篇からなる怪談として新たに描き出すことで各業界のリアルに迫った書籍『業界怪談 中の人だけ知っている』が本日発売です。  “事故物件住みます芸人”松原タニシさんが「自分一人の人生では体験できぬ怪異、まさに「私の知らない世界」」と評した本書

          【怪談】壁に残された血文字――葬儀業者の身に降りかかった背筋の凍る怪異

          「うん。やさしいために」――「ことぱの観察 #04〔やさしさ〕」向坂くじら

          詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。 やさしさ バスのあの席が戻ってきた。  あの席だ。前方の扉から乗り込んですぐ、運転席の真後ろにある、一人掛けの席。バス通学だった中学生のころから、わたしはあの席が好きでしかたない。  まず、少し高いのがいい。ほかの席と違って、あの席に座るためには、二、三段階段を上らないといけない。そのぶん、外の景色も

          「うん。やさしいために」――「ことぱの観察 #04〔やさしさ〕」向坂くじら

          困難な現実は人を成長させる――「不安を味方にして生きる」清水研 #12 [悲しみという感情の役割②]

          不安、悲しみ、怒り、絶望……。人生にはさまざまな困難が降りかかります。がん患者専門の精神科医として4000人以上の患者や家族と対話してきた清水研さんが、こころに不安や困難を感じているあらゆる人に向けて、抱えている問題を乗り越え、豊かに生きるためのヒントをお伝えします。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #12 悲しみという感情の役割② 前回では悲しみという感情の役割について説明しましたが、悲しんでいるとき、こころには一生懸命がんばっている面もあり、多くのエネルギーを

          困難な現実は人を成長させる――「不安を味方にして生きる」清水研 #12 [悲しみという感情の役割②]

          傷つけたが、傷つけられもした――「マイナーノートで」#32〔とりかえしのつかないものたち〕上野千鶴子

          各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 とりかえしのつかないものたち 若手の写真家(もう若くないかもしれないが)、藤岡亜弥さんから、東京で写真展をするからギャラリートークに出てほしいと頼まれたとき、彼女の作品を見ながらとっさに思いついたタイトルが「とりかえしのつかないものたち」だった。そのタイトルを提

          傷つけたが、傷つけられもした――「マイナーノートで」#32〔とりかえしのつかないものたち〕上野千鶴子

          泣きたいときに泣く大切さ――「不安を味方にして生きる」清水研 #11 [悲しみという感情の役割①]

          不安、悲しみ、怒り、絶望……。人生にはさまざまな困難が降りかかります。がん患者専門の精神科医として4000人以上の患者や家族と対話してきた清水研さんが、こころに不安や困難を感じているあらゆる人に向けて、抱えている問題を乗り越え、豊かに生きるためのヒントをお伝えします。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #11 悲しみという感情の役割① 第9回、第10回に登場された室田隆さん(仮名・38歳男性)は、がん告知後に激しい怒りの感情が起こったといいます。室田さんは進行したす

          泣きたいときに泣く大切さ――「不安を味方にして生きる」清水研 #11 [悲しみという感情の役割①]

          追悼 マシュー・ペリー――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

          『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、アメリカのドラマ「フレンズ」に出演していた俳優、マシュー・ペリーの訃報に触れて、考えたことです。 ※当記事は連載の第32回です。最初から読む方はこちらです。 #32 さようなら、チャンドラー 最近気づいたのだが、私は何かに順位をつけるのがとても苦手だ。年末になると、本でも映画でも「今年のベスト1は?」という質問を受けるのだが、どうしても選べない。例えば、

          追悼 マシュー・ペリー――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

          「やり抜く力」から「切り替える力」へ――メンタルヘルス研究の世界的権威による、みずから変化を起こすスキル!

          長年の研究により、目標達成や幸福度を劇的に高めるのは「切り替える力」だと判明。脳が不安にとらわれたままでは行動を起こせません。どんな状況でもすばやく柔軟に対応できる人・組織だけが困難を乗りきれるのです。 新刊『SWITCHCRAFT(スイッチクラフト) 切り替える力――すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略』(NHK出版より11月17日発売)では、認知心理学・神経科学の世界的権威であるエレーヌ・フォックスが、フリーズした脳を動かし、しなやかな思考・行動が身につく方

          「やり抜く力」から「切り替える力」へ――メンタルヘルス研究の世界的権威による、みずから変化を起こすスキル!

          『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』輪島裕介さん×『落語に花咲く仏教』釈 徹宗さん対談―”大阪音曲巡礼”【後編】

          近世以来、庶民の娯楽や祈りのバックボーンを支えてきた大阪の音曲。「地」に根づいた音楽・笑い・語りの歴史と可能性について、『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』を上梓した輪島裕介さんと、上方の芸能にも詳しい宗教学者の釈徹宗さんが縦横無尽に語りました。後編も、西洋と日本の音楽観の違いから始まり、日本のアイドルのあり方の特殊性や、後年の笠置シヅ子とロックスターのエピソード、大阪人のコミュニケーションまで話題は広がって……。 ■街に花咲く音楽輪島 釈先生が『落語に花咲く

          『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』輪島裕介さん×『落語に花咲く仏教』釈 徹宗さん対談―”大阪音曲巡礼”【後編】

          チャーハンを通して26年ぶりに父と和解した(元カリスマホスト、タレント・城咲仁) 【前編】

          「しっとりチャーハンの聖地」と呼ばれ、全国から客が行列する、東京・板橋区の町中華「丸鶴」。連載の6、7回で登場した、店主・岡山実さんのひとり息子は、元カリスマホストで、タレントの城咲仁さん(46)だ。店の後継をめぐって、長年わだかまりのあった親子が、チャーハンを通して和解のときを得たという。 ■18歳で「店は継げない」と家を飛び出した ──連載の6、7回で丸鶴の店主・岡山実さん(77)にお話を伺いました。多くの町中華同様、丸鶴も跡継ぎの問題を抱えていましたが、城咲さんは子ど

          チャーハンを通して26年ぶりに父と和解した(元カリスマホスト、タレント・城咲仁) 【前編】