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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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記事一覧

《寄稿》ハン・ガン 絶望で語る希望――『回復する人間』を手がかりに/韓日翻訳者・小山内園子

 2024年のノーベル文学賞に、韓国の現代文学を代表する作家ハン・ガンさんが選ばれました。『菜食主義者』『ギリシャ語の時間』『少年が来る』『すべての、白いものたちの』、そして最新作『別れを告げない』など、日本でも数々の作品が翻訳され、多くの読者を獲得しています。  11月11日に刊行の、韓国現代文学の魅力を丁寧にひもといた『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』の著者・小山内園子さんが、同書の鍵である〈弱さ〉という視点で、ハン・ガンさんの短編集『回復する人間』を読み解きます。

ビスケットのおいしい食べ方――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。イギリスでの講演旅行を大盛況のうちに終え、無事帰国した柚木さんが新たに取り入れた食習慣とは? ※当記事は連載の第44回です。最初から読む方はこちらです。 #44 Dunking  10日間のイギリス・オーサーズツアー(講演旅行)を終え、時差ボケと興奮が未だ冷めやらない。過密スケジュールだったため、お土産を買えないまま、最後の数時間でスーパーマーケットの箱入り紅

統合失調症当事者が、むりなく、偏見もなく、安心した場所ですごせるように。「よすが」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #32 よすが 統合失調症についてもっと知られればいいのに、と思うのはこどくだけだろうか。  100人にひとりがかかり、好発年齢といって、かかりやすいのは10代、2

何を食べようかと心を躍らせることができるのは、消化できる健康な身体があってこそ。「食欲さんの家出」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。海外から帰国したのち、旅の疲れからか体調を崩してしまった山口さん。そのとき、山口さんにとっては未経験の症状が訪れていました。 ※第1回から読む方はこちらです。 #19 食欲さんの家出 四六時中「次は何を食べようか」と考えている私の中から

宮島未奈『モモヘイ日和』第8回「モモヘイ募集スタート!」

24年本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の作者・宮島未奈さんの新作小説が「基礎英語」テキストにて好評連載中です。「本がひらく」では「基礎英語」テキスト発売日に合わせ、最新話のひとつ前のストーリーを公開いたします。 とある地方都市・白雪町を舞台に、フツーの中学生・エリカたちが巻き起こすドタバタ&ほっこり青春劇!  9月の「白雪町をよくする会」がはじまった。百平さん改造計画の話し合いに入り、わたしは緊張しながら手を挙げる。  「百平さんを、マスコットキャラクターにするのは

みんなで使えば高くない?!「人生で一番高い買い物」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第17回は篠原さんが届くのを楽しみにしている、大切な家具のお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #17 人生で一番高い買い物 最近、ダイニングテーブルを買った。

たとえ一生治らない病気を抱えていても、たのしく考えるように。「おもしろいじゃないか」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #31 おもしろいじゃないか 統合失調症という病気は、一生ものの病気だ。たとえ症状が落ち着いて、病気でないように見られる状態になっても、症状が一時的に軽くなること、

未来の自分を信じて。「信じているぞ」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #30 信じているぞ こどくは統合失調症VTuberとして活動している。昨今、未曾有のVTuberブームで、さまざまなVTuberがいるが、こどくはVTuberとし

【連載】南沢奈央「女優そっくり」第6回

胸が、ぎゅううう 私は根に持つタイプのようである。  言われてうれしかったことよりも、言われて悔しかったことをよく覚えている。言った人の顔も鮮明に思い出せるし、その当時の感情も蘇ってくる。そのときに“いやだわぁ”と一度思ってしまうと、完全に心のシャッターをおろす。そういった人たちと二度と交わることはない。  中学のときにこんなことがあった。  私は国語の係だった。教科ごとにつく教科係は、授業前にその教科担当の先生のところへ行き、プリントなど授業で必要なものを用意したり、教室ま

気持ちのいい場所で、おいしい料理を、人と一緒に食べる。これ以上の贅沢はない。「自分で選ぶ・作る生活」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。世界中の「日常のごはん」を求めて海外を旅している山口さん。前回に続いてスペイン滞在中の山口さんが次に訪ねたのは、ある日本人のご夫婦のお宅でした。 ※第1回から読む方はこちらです。 #18 自分で選ぶ・作る生活 前回はスペインのセビリアで

むりをしなければ、「息災」でいられる可能性はじゅうぶんある。「有病息災」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #29 有病息災 よく、神社やお寺に行く。こどくは古い建物がすきなので、遠方でも、行ければ行く、程度のノリで行く。また、近所の神社やお寺にも、おまいりやさんぽのつい

雰囲気優等生にだまされるな!「人間の警戒色」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第16回は篠原さんの引っ越し早々にやってきたピンチのお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #16 人間の警戒色 臨月に家を探し、産後の入院中に転居の手続きをして

日常風景も、輝いて見えるようになった。「眩しい日常」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #28 眩しい日常 こどくは、体調がよくなってきてから、バスやタクシー、電車、自転車など、移動手段が増えた。体調が悪いときは自転車がぎりぎりだったが、ひとがおおいと

渡英を前に、ゼロ年代の名画を思い出す――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。イギリス渡航を前にして準備に忙しい中、2000年代を象徴する映画について、お送りします。 ※当記事は連載の第43回です。最初から読む方はこちらです。 #43 ロスト・イン・トランスレーション  仕事でのイギリス行きが間近に迫り、準備に余念がない。英会話教室の集中コースを消化しつつ、現地の講演会やサイン会を想定したスピーチには、「ブリティッシュ・ベイクオフ」(英