本がひらく
記事一覧
「物理学の面白さをみんなのものに――ロヴェッリ新作への扉」冨永 星(翻訳家)
物理学者の著作が世界中でベストセラーになるという、ちょっと珍しい事態が起きている。著者の名はカルロ・ロヴェッリ。イタリア人の理論物理学者だ。その著作の世界での累計発行部数は250万部を超えている。日本では新作の『世界は「関係」でできている』が発売になったところだが、今回は訳者の冨永星氏にロヴェッリの著作の特長や、新作をより深く楽しんでいただくための書籍や対話の記録を紹介していただいた。
物理学
「イイ女」の価値観もアップデートを――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子
『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は80年代後半~90年代前半に多数出版された女性向けエッセイについての考察、後編です。
※当記事は連載の第8回です。最初から読む方はこちらです。
#8 大人のいい女(後編)
(前回まで)40歳になったばかりの私は、幼い頃の記憶の母が、今の私とほとんど同い年なのに、大人っぽくて素敵
オリジナルでなければ研究者とはいえない――「マイナーノートで」 #08〔師匠のDNA〕」上野千鶴子
各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。
※#01から読む方はこちらです。
師匠のDNA
学校がキライだった。不登校にこそならなかったが、学校では寝てばかりいた。放課後だけが生き甲斐だった。
大学には行ったが、女子学生には公務員になるか教師になるかしか
14年ぶりの同級生との再会がもたらす、変わらないと、変わってしまったもの――中山七里「彷徨う者たち」
本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。聞き込みを続ける笘篠刑事と蓮田刑事の前に、蓮田の幼馴染が表れて――
※当記事は連載第3回です。第1回から読む方はこちらです。
3
「どうして知歌がここにいるんだよ」
「将ちゃん何でここに」
「俺は事件の捜査で」
「わたしは
引っ越しておもう祖父のこと、幼い頃のこと――「熊本 かわりばんこ #08〔家の記憶、ひとの記憶〕」田尻久子
長年過ごした東京を離れ故郷・熊本に暮らしの場を移した吉本由美さんと、熊本市内で書店&雑貨カフェを営む田尻久子さん。
本と映画、そして猫が大好きなふたりが、熊本暮らしの手ざわりを「かわりばんこ」に綴ります。 ※#01から読む方はこちらです。
家の記憶、ひとの記憶
新しく住まった家は生類の気配が濃い。
夜になると、勝手口の定位置にヤモリが現れる。灯りにあつまるさらに小さな生き物をじっと待って
「NHK出版新書を探せ!」第22回 実験パートナーを探せるかどうかで勝負は決まる――山口慎太郎さん(経済学者)の場合【後編】
突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。