本がひらく
NHK出版の書籍編集部が、多彩な執筆陣による連載小説・エッセイ、教養・ノンフィクション読み物や、朝ドラ・大河ドラマの出演者や著者インタビューなどをお届けします。新刊情報も随時更新。ときどき編集部裏話も!
記事一覧
訃報から3年、医師・中村哲さんが遺した唯一の自伝『天、共に在り』より、用水路の全線開通の瞬間を記した「序章 アフガニスタン二〇〇九年」を追悼公開します。
アフガニスタンに1600本もの井戸を掘り、25キロメートルにおよぶ用水路を拓いた日本人がいたことを知っていますか? パキスタンとアフガニスタンの国境地域で、医療支援と旱魃・飢餓問題に30年以上取り組み続けた医師の中村哲さん。2019年12月4日に現地で凶弾に倒れてから3年が過ぎようとしています。今回は、中村さんの功績をさらに多くの方に知っていただくため、唯一の自伝で10万部超のロングセラー『天、共に在り』より本文の一部を抜粋して掲載します。 序章 アフガニスタン二〇〇九年
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で仏教美術考証を務める塩澤寛樹さんの連載『運慶の風景』! 第3回は「仏像にとっての写実とは何か」を考えます。
運慶仏に代表される鎌倉彫刻は、明治以来、その表現上の特徴として「写実性」が謳われてきているのですが、そもそも「写実」とはどのようなことを指しているのでしょうか。また鎌倉彫刻がこの言葉で表されるのは果たしてふさわしいのでしょうか。今回はこれらについて掘り下げてみたいと思います。そのために、まず願成就院の運慶仏の特徴を仔細に点検していきます。そして研究史における「写実」の語のあり方を遡りながら、この言葉の諸相を探っていきたいと思います。 *第1回から読む方はこちらです。 第3