本がひらく
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「愛と性と存在のはなし」第5回 〔『ボヘミアン・ラプソディ』に見るマジョリティの希望〕 赤坂真理
sometimes I wish I’d never been born at all.
そう、まったく生まれないほうがよかった。
影も形も。
こんなに孤独なら。
この世界に属せない、疎外感だけなら。
存在するということの、まったき孤独。
孤独だから、誰かを求めるのか。
求めても孤独。
本当の望みなど、知らないほうがよかった。
本当の自分をわかりたいだなどと。
かなわない
「愛と性と存在のはなし」第4回 〔草食男子とは誰か〕 赤坂真理
草食男子という誤認
「草食男子」という言葉がある。
恋愛や性に消極的な男子、という意味に使われることが多いだろうか。元気がない男と同義にされるなど、ネガティブに使われることも多い。
そもそもは「草食動物のように優しく草を食んでいるような男子」というポジティブな意味でつけた、と、名付け親の深澤真紀は語っている。初出は2006年である。いずれにせよ、一時の流行語であることを超えて、今では定着した
伝説が蘇る――『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』発売に寄せて (担当編集者コラム)
本日発売、クイーン史上初の自叙伝である『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』の担当編集者が、本書刊行の裏側とその内容についてつづります。
2020年1月24日、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイ博士の単著『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』が、翌25日から始まるクイーン通算10回目のジャパン・ツアーに合わせて発売されました!
この本の発売
評伝 『ECDEAD あるラッパーの生と死』第1回 「あるリスナーの回想(前書きにかえて)」 磯部 涼
2018年1月に57歳で他界したラッパー、ECD。私小説家でもあり社会運動家でもあった彼の生涯を、『ルポ 川崎』が注目を集めたライター・磯部涼が描く。2000年代初頭からECDと親交を深め、併走してきた著者にしか描けない画期的評伝!
その夜、ダンスフロアで
ECDについて考えると思い出す光景がある。
高速道路の高架に空を覆われた通りの、雑居ビルの地下にある小さなクラブ。薄暗い店内はふたつのス