本がひらく
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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔米とひとりぐらし〕 新井見枝香
※当記事はエッセイ連載「日比谷で本を売っている。」の第20回です。第1回から読む方はこちらです。
ついに特大の米袋が空っぽになった。実に玄関のたたきの9割を占拠していたそれは、知人が知り合いの農家に頼んで直送してくれたもので、推定30キロの米が詰まっていた。いくら私が食いしんぼうとはいえ、ひとり暮らしの女性である。我が家はアパートの3階にあり、エレベーターがない。額に血管を浮かべた運送会社の人
「NHK出版新書を探せ!」第20回 街の洋食屋さんのような学者になりたい――磯野真穂さん(医療人類学者)の場合【後編】
突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。
連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第2回
政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第9回! いま大注目のアナキズム思想とはいったいどんなものか? そして現代的な可能性はあるのか? こうした疑問に答えながらアナキズムの新しい魅力をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目にして日本の現役の思想家を取り上げた話題の回「ねこと森政稔」の後半です!
※「ねこと森政稔」の前半を読む方はこちらです。
※これまでの各シリーズは下
「NHK出版新書を探せ!」第19回 食べ物と他者はよく似ている――磯野真穂さん(医療人類学者)の場合【前編】
突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐことは可能だったのか?――鳴らされていた警鐘(『パンデミックの世紀』抜粋掲載)
2019年末に発生するや、瞬く間に世界に拡大した新型コロナウイルス感染症。新たな変異株の登場などもあり、現在も予断を許さない状況が続いています。
医学史家のマーク・ホニグスバウムは『パンデミックの世紀――感染症はいかに「人類の脅威」になったのか』のなかで、未知の病原体によって起こる「次なるパンデミック」のリスクは、以前からさまざまなところで指摘されていたと述べています。それにもかかわらず、なぜ
子のない女の人生――「マイナーノートで ♯05〔不産ハラスメント〕上野千鶴子」
各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。
※#01から読む方はこちらです。
不産ハラスメント
「産後うつ」ということばがあるのだから、「未産うつ」だってあるでしょう、と若い女性が訴えていると聞いた。出産適齢期の女性が子どもを産まないと、「子どもはいつ?」「ま