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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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#編集部だより

名場面・名文句から読み解く、イギリス小説の傑作——ジェイン・オースティン『高慢と偏見』

オースティン『高慢と偏見』、ブロンテ『嵐が丘』、イシグロ『日の名残り』――。名前は知っているあの傑作小説を、名場面の優れた英文と濃密な文法解説を通してじっくり精読。斎藤兆史氏(東京大学名誉教授)と髙橋和子氏(明星大学教授)の共著による『名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作 英文読解力をみがく10講』は、英文の裏側にある意図にまで踏み込んで解釈することで、作品をより深く味わいながら本質的な英文読解力をみがくことのできる一冊です。3月14 日に発売となる本書の刊行を記念して、

ねこの無邪気さや奔放さから考える、争いをつくらない「想像する心」の大切さ――『もしもねこがそらをとべたら』

 ぼくは想像してみる。もしもねこがそらをとべたら、うみをじゆうにおよげたら、のびのびとあそびたいかもしれない。でも、しずかにくらしていたとりやさかなたちはなんて思うだろう? どうしたら、だれかとあらそったり、きずつけたりしないでいられるだろう――   世界的アーティスト・黒田征太郎さんとシンガーソングライター・西島三重子さんが初共作した絵本『もしもねこがそらとべたら』が発売になりました。分断と対立が進む昨今、豊かに想像する心が他者との関わりや思いやる気持ちを刺激してくれる、

「熊本かわりばんこ」が書籍化されました

「本がひらく」で好評を博した連載「熊本かわりばんこ」が書籍化されました。  長年過ごした東京を離れ故郷・熊本に暮らしの場を移した吉本由美さんと、熊本市内で書店&雑貨カフェを営む田尻久子さん。本と映画、そして猫が大好きなふたりが、熊本暮らしの手ざわりを「かわりばんこ」に綴ってきました。 18 歳で上京、64 歳で帰郷した吉本さんが綴る熊本は、かつての記憶と未知の魅力が併存する街。他界した親から譲り受けた「実家」での庭造りや多くの猫との暮らし、新たな友人たちと展開するイベントや

シリーズ累計50万部突破! 心を揺さぶる社会派ヒューマンミステリーの金字塔――『彷徨う者たち』中山七里

累計50万部突破「宮城県警シリーズ」最新作  宮城県を舞台に起こる殺人事件に迫りながら、事件の関係者を通してその地に根差す人々の人間模様を描いた社会派ヒューマンミステリー「宮城県警シリーズ」。これまで当シリーズでは、ひたむきに現実に向き合う人々の生き様を描き、その切なさや感動が多くの読者の涙を誘ってきました。  生活保護制度を題材に、佐藤健さん主演で映画化された第一作『護られなかった者たちへ』、震災からの復興とその闇ビジネスを描いた第二作『境界線』、そして、最新作かつ完結編の

映画賞を総ナメ、映画・ドラマに引っ張りだこ、それでも「ふつう」であり続ける岸井ゆきのの本音

『恋せぬふたり』『愛がなんだ』『大奥season2』をはじめ数々の映画、ドラマ、舞台、CMなどで活躍、昨年公開の『ケイコ 目を澄ませて』では数々の映画賞を総ナメし、いま最も注目を集める俳優・岸井ゆきのさん。  岸井さんがこれまで明かすことのなかったあるがままの気持ちを記した初めてのフォトエッセイ『余白』は、岸井さんの素顔にふれられる一冊です。  現在、購入者のお名前と岸井さんのサインを直筆した『余白』を数量限定でhontoで予約受付中です。それを記念して、当記事では本書の中か

【怪談】壁に残された血文字――葬儀業者の身に降りかかった背筋の凍る怪異

怪奇体験から垣間見える、現代社会の実像と歪ひずみ――。  2020年からNHKで不定期に放送され、SNSで話題の「業界怪談 中の人だけ知っている」。番組の再現ドラマをもとに体験者ひとりひとりに徹底追加取材し、より恐ろしく、より不可思議に、全16篇からなる怪談として新たに描き出すことで各業界のリアルに迫った書籍『業界怪談 中の人だけ知っている』が本日発売です。  “事故物件住みます芸人”松原タニシさんが「自分一人の人生では体験できぬ怪異、まさに「私の知らない世界」」と評した本書

スウェーデン人作家と日本人アーティストの共作絵本。ブランディングコピーライターの坂本和加さんが翻訳を担当!

本日10月25日、NHK出版からスウェーデン発の絵本『ヌードルたべるプードル』がいよいよ刊行されます。発売を記念しまして、訳を担当した坂本和加さんからお話をうかがいました。 ──まず、編集担当者に刊行までの経緯を聞いてみましょう。この絵本とは、どこで出会ったのですか? 編集者:2022年の秋、スウェーデン大使館主催のスタディツアーに参加し、ストックホルムのエージェントオフィスを訪ねたときです。プードルの表紙に一目ぼれという感じでした。絵を描かれている方が日本人の方だと知り

【怪談】「決して入らないでください」と言われた部屋で見てしまったもの

怪奇体験から垣間見える、現代社会の実像と歪み――。  2020年からNHKで不定期に放送され、SNSで話題となった「業界怪談 中の人だけ知っている」。番組の再現ドラマをもとに体験者ひとりひとりに徹底追加取材し、より恐ろしく、より不可思議に、全16篇からなる怪談として新たに描き出すことで各業界のリアルに迫った書籍『業界怪談 中の人だけ知っている』が本日発売です。  “事故物件住みます芸人”松原タニシさんが「自分一人の人生では体験できぬ怪異、まさに「私の知らない世界」」と評した本

わたしの休日に〝午前中〟は存在しない――上白石萌音の「ぐうたら」な休日

 2021年9月に発売された上白石萌音さんの初エッセイ集『いろいろ』。好評を博し、累計発行部数7万部を突破した本書が、このたび初めての海外翻訳出版として、台湾で本日発売されます。それを記念して、『いろいろ』からエッセイ「オフる」を公開いたします。  *同じく『いろいろ』からのエッセイ「視る」の試し読みはこちらです。 オフる 会話のとっかかりの定番、「休日は何をしているんですか」。  いつも当たり障りのない回答をするけれど、ここには本当のわたしの姿を記しておくとしよう。  先

メガネもコンタクトもデビューの日は恥ずかしかった――上白石萌音と視力

 2021年9月に発売された上白石萌音さんの初エッセイ集『いろいろ』。好評を博し、累計発行部数7万部を突破した本書が、このたび台湾で初めて海外翻訳出版されることになりました(2023年6月8日(木)台湾で発売予定)。それを記念して、『いろいろ』からエッセイ「視る」を公開いたします。6月8日(木)公開のエッセイ「オフる」はこちらです。 視る わたしはとても目が悪い。コンタクトの度数を聞かれても恥ずかしくて言えないほど悪い。  視力が下がり始めたのは六歳頃だった。遠くの看板の文

谷山浩子さんが明かす、みんなのうた「花さかニャンコ」誕生秘話

シンガーソングライター谷山浩子さんは、NHK「みんなのうた」で数々の名曲を発表されてきました。その中でも2019年の「花さかニャンコ」はどこまでも明るい歌詞と曲調、栗コーダーカルテットによる演奏が相まって、一度聴いたら忘れられない一曲。 現在発売中の谷山さんによるエッセイ『ヒロコとニャンコと音楽の魔法』から、そんな「花さかニャンコ」の誕生秘話をご紹介します。 奔放に動き出したニャンコ「みんなのうた」との関わり  こんにちは。谷山浩子です。これから「みんなのうた」のことや自

『すごい科学で守ります!』のここがすごい! 峰守ひろかず(小説家)

『すごい科学で守ります!』シリーズは、帯にも謳われているように「特撮SF考証」を切り拓いたと同時に、”超二次創作”とでも呼べる、「クリエーターズ・バイブル」の側面を持つ本です。特撮ファンであり、『すごかが』から長谷川裕一ファンになった、小説家の峰守ひろかずさんに、今回合体復刻された『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』の持つ魅力について、存分に語っていただきました。 1.そもそも『すごかが』とは 『すごい科学で守ります!』(以下『すごかが』)。それは、まんが家の長

俳優・神木隆之介が東から西、海から山へと訪ね歩き、「奇跡の県」と称した魅力あふれる高知のいま

 2023年前期のNHKの連続テレビ小説「らんまん」で、主演を務める神木隆之介さんが、役のモデルとなっている牧野富太郎(高知県佐川町出身)の考え方や生き方に触れるべく、撮影の前に高知県を訪ねました。その様子を収めた“神木流”の高知ガイドブック『かみきこうち』(2023年3月20日発売予定)が本日より予約開始。神木さんに「高知県は奇跡の県です」と言わしめた高知の魅力がつまった本書の内容や、今回ならではの特典などについてご紹介します! 「神木+紀行+高知」のビジュアル紀行ガイド

唯一無二の文人・町田康、はじめての「自分語り」! 自身の創作の原点とは。

 独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして生まれ、進化してきたのか。町田ファンならずとも、文芸ファンなら誰もが気になる謎について、作家自らが内面を「暴露」した注目の一冊、『私の文学史~なぜ俺はこんな人間になったのか?』。  人生初の試みという「自分語り」。幼少期から還暦を迎えた現在まで、好きだった本や作家、自身の作品解説といった文学世界はもちろん、影響を受け