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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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#編集部だより

《寄稿》ハン・ガン 絶望で語る希望――『回復する人間』を手がかりに/韓日翻訳者・小山内園子

 2024年のノーベル文学賞に、韓国の現代文学を代表する作家ハン・ガンさんが選ばれました。『菜食主義者』『ギリシャ語の時間』『少年が来る』『すべての、白いものたちの』、そして最新作『別れを告げない』など、日本でも数々の作品が翻訳され、多くの読者を獲得しています。  11月11日に刊行の、韓国現代文学の魅力を丁寧にひもといた『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』の著者・小山内園子さんが、同書の鍵である〈弱さ〉という視点で、ハン・ガンさんの短編集『回復する人間』を読み解きます。

猫ファミリーの表情やしぐさを存分に楽しんでほしい――短いしっぽをもった黒猫奮闘物語

先月7月10日に黒猫を主人公とした絵本『まんまるしっぽのクロ』が発売になりました。話題作『ただいまねこ』のミヤザーナツさんによる二作目の絵本です。物語の主人公は短いしっぽをもった黒猫で、にゃおにゃお池を舞台にお話が展開されます。主人公のクロは、ミヤザーさん宅にいる保護猫がモデル。新刊の見どころをうかがいつつ、黒猫の魅力についてもミヤザーさんに語っていただきます。 ──ミヤザーさんはこれまで児童書版元さんから紙芝居を出されたり、著名な作家さんの文章に絵を描かれたりされてきまし

スペインベスト児童書賞作品『夜明けをまつどうぶつたち』を熱帯森林保護団体代表の南研子さんにお読みいただきました。

2019年、南米アマゾンの森林で起きた大規模火災に胸を痛めたペルー出身の作家が描いた絵本の翻訳本『夜明けをまつどうぶつたち』が5月27日、NHK出版から刊行されます。発売を記念し、熱帯森林保護団体(RFJ)の代表、南研子さんのインタビュー記事をお届けします。 Q:この絵本は南さんが保護活動をされているアマゾンに生きる動物たちが主人公に描かれた絵本です。まず、お読みいただいた絵本の感想をお聞かせくださいますか。 ──発売前のゲラを拝見したとき、本当にすてきな絵本だと思い編集者

英語を学ぶこと。文学を楽しむこと――斎藤兆史氏 × 鴻巣友季子氏 刊行記念対談

濃密な解説を通して、イギリス小説を原文でじっくり精読する『名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作 英文読解力をみがく10講』の刊行を記念して、著者のお一人である斎藤兆史さんと、翻訳家・文芸評論家の鴻巣友季子さんの対談が開催されました(2024年3月22日 於:ジュンク堂書店池袋本店)。多くのお客様にご来場いただいたなか、お話は作品のセレクションから、イギリス小説の「絨毯問題」に広がり…。最後に駆けつけてくださった共著者・髙橋和子さんの執筆秘話も含め、当日の模様をダイジェスト

名場面・名文句から読み解く、イギリス小説の傑作——ジェイン・オースティン『高慢と偏見』

オースティン『高慢と偏見』、ブロンテ『嵐が丘』、イシグロ『日の名残り』――。名前は知っているあの傑作小説を、名場面の優れた英文と濃密な文法解説を通してじっくり精読。斎藤兆史氏(東京大学名誉教授)と髙橋和子氏(明星大学教授)の共著による『名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作 英文読解力をみがく10講』は、英文の裏側にある意図にまで踏み込んで解釈することで、作品をより深く味わいながら本質的な英文読解力をみがくことのできる一冊です。3月14 日に発売となる本書の刊行を記念して、

ねこの無邪気さや奔放さから考える、争いをつくらない「想像する心」の大切さ――『もしもねこがそらをとべたら』

 ぼくは想像してみる。もしもねこがそらをとべたら、うみをじゆうにおよげたら、のびのびとあそびたいかもしれない。でも、しずかにくらしていたとりやさかなたちはなんて思うだろう? どうしたら、だれかとあらそったり、きずつけたりしないでいられるだろう――   世界的アーティスト・黒田征太郎さんとシンガーソングライター・西島三重子さんが初共作した絵本『もしもねこがそらとべたら』が発売になりました。分断と対立が進む昨今、豊かに想像する心が他者との関わりや思いやる気持ちを刺激してくれる、

「熊本かわりばんこ」が書籍化されました

「本がひらく」で好評を博した連載「熊本かわりばんこ」が書籍化されました。  長年過ごした東京を離れ故郷・熊本に暮らしの場を移した吉本由美さんと、熊本市内で書店&雑貨カフェを営む田尻久子さん。本と映画、そして猫が大好きなふたりが、熊本暮らしの手ざわりを「かわりばんこ」に綴ってきました。 18 歳で上京、64 歳で帰郷した吉本さんが綴る熊本は、かつての記憶と未知の魅力が併存する街。他界した親から譲り受けた「実家」での庭造りや多くの猫との暮らし、新たな友人たちと展開するイベントや

シリーズ累計50万部突破! 心を揺さぶる社会派ヒューマンミステリーの金字塔――『彷徨う者たち』中山七里

累計50万部突破「宮城県警シリーズ」最新作  宮城県を舞台に起こる殺人事件に迫りながら、事件の関係者を通してその地に根差す人々の人間模様を描いた社会派ヒューマンミステリー「宮城県警シリーズ」。これまで当シリーズでは、ひたむきに現実に向き合う人々の生き様を描き、その切なさや感動が多くの読者の涙を誘ってきました。  生活保護制度を題材に、佐藤健さん主演で映画化された第一作『護られなかった者たちへ』、震災からの復興とその闇ビジネスを描いた第二作『境界線』、そして、最新作かつ完結編の

映画賞を総ナメ、映画・ドラマに引っ張りだこ、それでも「ふつう」であり続ける岸井ゆきのの本音

『恋せぬふたり』『愛がなんだ』『大奥season2』をはじめ数々の映画、ドラマ、舞台、CMなどで活躍、昨年公開の『ケイコ 目を澄ませて』では数々の映画賞を総ナメし、いま最も注目を集める俳優・岸井ゆきのさん。  岸井さんがこれまで明かすことのなかったあるがままの気持ちを記した初めてのフォトエッセイ『余白』は、岸井さんの素顔にふれられる一冊です。  現在、購入者のお名前と岸井さんのサインを直筆した『余白』を数量限定でhontoで予約受付中です。それを記念して、当記事では本書の中か

【怪談】壁に残された血文字――葬儀業者の身に降りかかった背筋の凍る怪異

怪奇体験から垣間見える、現代社会の実像と歪ひずみ――。  2020年からNHKで不定期に放送され、SNSで話題の「業界怪談 中の人だけ知っている」。番組の再現ドラマをもとに体験者ひとりひとりに徹底追加取材し、より恐ろしく、より不可思議に、全16篇からなる怪談として新たに描き出すことで各業界のリアルに迫った書籍『業界怪談 中の人だけ知っている』が本日発売です。  “事故物件住みます芸人”松原タニシさんが「自分一人の人生では体験できぬ怪異、まさに「私の知らない世界」」と評した本書

スウェーデン人作家と日本人アーティストの共作絵本。ブランディングコピーライターの坂本和加さんが翻訳を担当!

本日10月25日、NHK出版からスウェーデン発の絵本『ヌードルたべるプードル』がいよいよ刊行されます。発売を記念しまして、訳を担当した坂本和加さんからお話をうかがいました。 ──まず、編集担当者に刊行までの経緯を聞いてみましょう。この絵本とは、どこで出会ったのですか? 編集者:2022年の秋、スウェーデン大使館主催のスタディツアーに参加し、ストックホルムのエージェントオフィスを訪ねたときです。プードルの表紙に一目ぼれという感じでした。絵を描かれている方が日本人の方だと知り

【怪談】「決して入らないでください」と言われた部屋で見てしまったもの

怪奇体験から垣間見える、現代社会の実像と歪み――。  2020年からNHKで不定期に放送され、SNSで話題となった「業界怪談 中の人だけ知っている」。番組の再現ドラマをもとに体験者ひとりひとりに徹底追加取材し、より恐ろしく、より不可思議に、全16篇からなる怪談として新たに描き出すことで各業界のリアルに迫った書籍『業界怪談 中の人だけ知っている』が本日発売です。  “事故物件住みます芸人”松原タニシさんが「自分一人の人生では体験できぬ怪異、まさに「私の知らない世界」」と評した本

わたしの休日に〝午前中〟は存在しない――上白石萌音の「ぐうたら」な休日

 2021年9月に発売された上白石萌音さんの初エッセイ集『いろいろ』。好評を博し、累計発行部数7万部を突破した本書が、このたび初めての海外翻訳出版として、台湾で本日発売されます。それを記念して、『いろいろ』からエッセイ「オフる」を公開いたします。  *同じく『いろいろ』からのエッセイ「視る」の試し読みはこちらです。 オフる 会話のとっかかりの定番、「休日は何をしているんですか」。  いつも当たり障りのない回答をするけれど、ここには本当のわたしの姿を記しておくとしよう。  先

メガネもコンタクトもデビューの日は恥ずかしかった――上白石萌音と視力

 2021年9月に発売された上白石萌音さんの初エッセイ集『いろいろ』。好評を博し、累計発行部数7万部を突破した本書が、このたび台湾で初めて海外翻訳出版されることになりました(2023年6月8日(木)台湾で発売予定)。それを記念して、『いろいろ』からエッセイ「視る」を公開いたします。6月8日(木)公開のエッセイ「オフる」はこちらです。 視る わたしはとても目が悪い。コンタクトの度数を聞かれても恥ずかしくて言えないほど悪い。  視力が下がり始めたのは六歳頃だった。遠くの看板の文