マガジンのカバー画像

連載

246
ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
運営しているクリエイター

#小説

友を思うがため、真実を導きだすため、情けを捨てて向き合う――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。貢の妻であり、蓮田刑事にとっても幼馴染の沙羅から聞かされた夫と父への思い。蓮田は任意同行した貢と一騎打ちの取り調べに臨む――。 ※当記事は連載第18回です。第1回から読む方はこちらです。 2  石動に直訴した通り、貢への聴取は蓮田主動で行われた。普段は尋問役の笘篠が、今回は記録係に回っている。  対峙

スキ
7

あの日を境に失った、関係性と心を取り戻すため――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。事件解決の糸口となる「方法とチャンス」が揃った。笘篠刑事と蓮田刑事は、残るピース「物的証拠(凶器)」と「動機」を見つけ出すため、次なる一手に踏み込む――。 ※当記事は連載第17回です。第1回から読む方はこちらです。 五 援護と庇護1  掛川勇児は後頭部を鈍器で一撃されていた。よほど重量のあるもので殴打

スキ
15

河内王朝とは何か? 神功皇后説話から見えてくるものとは?――周防柳「小説で読み解く古代史」第7回(謎3 その1)。

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
20

三輪王朝とは何か? 「神武東遷」は何度も繰り返された?――周防柳「小説で読み解く古代史」第6回(謎2 その3)

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
15

そろっていく事件をつなぐピース。残された最大の謎の存在――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。〈シェイクハンド・キズナ〉と仮設住宅での殺人事件がつながる背景を探るべく、笘篠刑事と蓮田刑事が向かった先は裏稼業として“情報屋”を営む五代良則のもと。そこでふたりは“迷惑系”NPOの裏の役割とともに、祝井建設とのつながりを知る―― ※当記事は連載第16回です。第1回から読む方はこちらです。 4  翌日

スキ
21

ガンダムの作画監督が描き下ろした『ナムジ』と『神武』を読む――周防柳「小説で読み解く古代史」第5回(謎2 その2)

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
21

法をかいくぐって静かに活動する“迷惑系”NPOの姿――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。〈シェイクハンド・キズナ〉の職員・板台が起こした仮設住宅での暴挙。“迷惑系”NPOとして知られるその実態が明らかになるも、笘篠刑事と蓮田刑事は殺人事件とのつながりを示す糸口をつかみきれずにいた―― ※当記事は連載第15回です。第1回から読む方はこちらです。 3  逮捕した板台には前科があった。  板台

スキ
20

『古事記』と『日本書紀』。神話が描く、この国のもう一つのはじまりの姿とは?――周防柳「小説で読み解く古代史」第4回(謎2 その1)

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
33

箸墓古墳に眠るのは卑弥呼か? 新聞連載中に幾度も劇的な出来事に遭遇した「邪馬台国=畿内説」の代表作とは?――周防柳「小説で読み解く古代史」第3回

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
19

仮設住宅に暮らす被災者にのしかかる、制度のセイフティネットからこぼれ落ちてしまうもの――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。森見善之助議員の支援者への聞き込みで見えてきた被災地の復興の実態。そこへ蓮田の旧友・知歌からの緊急連絡。そこへ急行した蓮田と笘篠は―― ※当記事は連載第14回です。第1回から読む方はこちらです。 2  覆面パトカーを飛ばして十五分ほどで吉野沢に到着した。  トラブルの場所は一目瞭然だった。皆本老人の家

スキ
25

卑弥呼は日御子? 騎馬民族の女王? 邪馬台国=九州説を下敷きにした作品とは?――周防柳「小説で読み解く古代史」第2回

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

スキ
19

古代史ファン必読! 実力派作家・周防柳による新連載「小説で読み解く古代史」第1回

 「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むス

スキ
49

たどり着く事実は公共事業の汚職か、それとも街の再建・復興への狼煙か――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。再び貢への聞き込みのため対峙した蓮田は、その際に森見家の車からタイヤ痕を採取。鑑識の結果は、「事件現場に残されたものと一致」という報告だった―― ※当記事は連載第13回です。第1回から読む方はこちらです。 四 獲得と喪失1  笘篠と蓮田の持ち帰った粘着シートは捜査本部を活気づかせるのに充分な役割を果た

スキ
29

友として、刑事として、眼前の事象の先に見えたもの――中山七里「彷徨う者たち」

本格的な社会派ヒューマンミステリー『護られなかった者たちへ』『境界線』に続く、「宮城県警シリーズ」第3弾。震災復興に向けて公営住宅への移転が進む仮設住宅で発生した、殺人事件。県議会議員への聞き込みで、森見議員と祝井建設の黒い噂を引き出した笘篠と蓮田は、森見議員やその秘書である貢に殺人事件への関与の可能性をさらに深めた―― ※当記事は連載第12回です。第1回から読む方はこちらです。 4  翌朝の午前七時過ぎ、蓮田は単身森見宅を再訪した。この時間であれば貢が在宅していると踏ん

スキ
33