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教養・ノンフィクション

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各分野における最新の知識や再発見、情報の最前線から得た知見など、半歩先の知的好奇心を満たす記事を公開中。
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#寄稿

「これは、まぎれもない哲学書である」――【古田徹也寄稿】『ハイデガー 『存在と時間』を解き明かす』について

新刊『ハイデガー 『存在と時間』を解き明かす』の売れ行きが好調です。著者・池田喬さんと十数年の親交をもつ盟友・古田徹也さんに、この本を紹介していただきます。今年の春、古田さん著『はじめてのウィトゲンシュタイン』を池田さんに紹介していただきましたが、今回はその逆をやっていただきました。こんな本が出たら読まない手はないだろうと思わせる、魅惑の紹介文を掲載します。  本書はまずもって、『存在と時間』についてのとても分かりやすい解説書である。  現代の古典『存在と時間』は、二十世

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アフガニスタンで65万人の命をつなぎ、凶弾に倒れた医師は、何を語ったのか――自身について多くを語らなかった中村哲さんの心の内にふれる

 2019年12月4日、アフガニスタンで銃撃され亡くなった医師・中村哲さん。生前の中村さんが出演したNHK「ラジオ深夜便」の6番組より、インタビューに答えるその肉声を忠実に再現した、『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』が2021年10月25日に発売します。「長年の活動の原動力は何でしょうか?」という、インタビュアーの問いに対して、自らを宮沢賢治の童話の主人公「セロ弾きのゴーシュ」にたとえた中村さん。本書は、感慨や本音が随所に表れ、その心の内を知ることのできる貴重な証言の記録です

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《寄稿》気象情報をより深く理解できれば、自分や大切な人を守れる――気象キャスター・斉田季実治

 局地的な大雨、大型台風、記録的猛暑、そして巨大地震――激甚化する自然災害に私たちはどう対処すればよいのか。NHK「ニュースウオッチ9」の人気気象キャスターであり、現在放送中の連続テレビ小説「おかえりモネ」で気象考証を担当する斉田季実治さんが、気象情報の読み方と防災の必須知識をわかりやすく解説したNHK出版新書『新・いのちを守る気象情報』が好評発売中です。刊行に寄せて、そのいきさつや本書への思いを斉田さんが綴ります。  NHK出版新書『いのちを守る気象情報』の改訂版を出しま

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生命科学者のベンチャー経営者・高橋祥子さんが読んだ、『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』

「コロナの時代の自由」を論じるマルクス・ガブリエルの言葉を、日本をリードする知識人たちはどう読んだのか? 続々と届くリレーコメントの第三弾!  先月の発売から話題の『ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考』の著者・高橋祥子さんは、執筆において「少なからずマルクス・ガブリエルの影響を受けた」と言います。遺伝子解析ベンチャー「ジーンクエスト」を率いる経営者として、またガブリエルが批判的眼差しを向ける自然科学の研究者として、NHK出版新書『マルクス・ガブリエル 新時代

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気鋭の日本思想史家・先﨑彰容さんが読んだ、『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』

「コロナの時代の自由」を論じるマルクス・ガブリエルの言葉を、日本をリードする知識人たちはどう読んだのか? 続々と届くリレーコメントの第二弾!  ガブリエルが関心を寄せる日本思想史を研究する立場から、西郷隆盛の遺訓をはじめ現代の世相までを鋭く分析する先﨑彰容さん。先﨑さんは、2月10日発売のNHK出版新書『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』を読み、何を思うのか? 善悪を論じる「倫理」の研究からみた本書の勘所をガイドしていただきます。 SNSから民主主義を考える

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話題沸騰の経済思想家・斎藤幸平さんが読んだ、『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』

 「コロナの時代の自由」を論じるマルクス・ガブリエルの言葉を、日本をリードする知識人たちはどう読んだのか? 続々と届くリレーコメントの第一弾!  世界の哲学ファンを夢中にさせる天才哲学者、マルクス・ガブリエル。 そして、『人新世の「資本論」』でまさに今、日本を席巻中の経済思想家・斎藤幸平さん。二人の間には知られざる交流がありました。  このたび刊行されるNHK出版新書『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』(2月10日発売)を読んだ斎藤さんは何を思ったのか。誰より

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「ゲームがやめられない!」「ぼくのやる気のスイッチはどこに?」「心ってどこにあるの?」──。子どもたちから寄せられた「なぜ」「どうして」に、‟科学とユーモア“で全力回答!

「本がひらく」で2019年7月から7回にわたり連載した「そのモヤモヤ、かいけつします」に、新たなエピソードを加えた書籍が、6月25日(木)に発売されます! その名も『モヤモヤそうだんクリニック』。池谷裕二先生とヨシタケシンスケさんというゴールデンコンビが、子どもたちのモヤモヤに真剣に向き合います。集中力、暗記力、AI、ゲーム、ルール、遺伝、睡眠、嫉妬、夢……。2人へのそうだんは、じつに多岐にわたります。はたして、子どもたちのモヤモヤは解決するのでしょうか。刊行を記念し、とって

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なぜ人は死を怖れるのか? 人生の意味を自分で勝ち取るために「死生観」を養おう――齋藤 孝

還暦=60歳を過ぎた頃から、いよいよ気になり始める自分の死。 人生後半戦を不安にさいなまれず過ごすには、どうすればよいか? NHK出版新書『極上の死生観 60歳からの「生きるヒント」』を上梓した著者が、あなたをとらえて離さない「死の不安」に打ち克つ方法を考える。 余生という意識  誰でも若い時は、「やがて必ず自分も死ぬ時がくる」ということを、なかなかイメージできないものだ。しかし、40代の後半にさしかかる頃から、老いとは言わないまでも身体のちょっとした衰えを自覚し、「そうだ

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トロントのスマートシティ計画はなぜ失敗したか?――文明評論家・リフキンが示す、官民提携ビジネスモデルの課題

いわゆる「スーパーシティ」構想を盛り込んだ「改正国家戦略特区法」が5月27日の参院本会議で可決、成立しました。内閣府の「国家戦略特区」に関する資料は、「スーパーシティ」構想の「白地から未来都市を作り上げるグリーンフィールド型の取り組み」の参考事例としてカナダ・トロント市に言及しています。そこには「住民の不安による混乱や遅滞も」という一文が。いったい何が起こったのでしょうか? ジェレミー・リフキン著『グローバル・グリーン・ニューディール』より、当該事例が示す「重要な教訓」に関す

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なぜ響く言葉と響かない言葉があるのか?――「声」から読み解くコロナ危機

声は言葉以上に雄弁である  私たちのまわりには、常にたくさんの声があふれています。家庭や職場や学校などありとあらゆる場所で、私たちは声を使ってコミュニケーションをとり、さまざまな声が耳を通り過ぎています。例えて言えば空気のように日常にあるので、「声そのもの」に意識を向ける人は少ないのではないでしょうか。  しかし、「声という音」にはじつに多くの情報が含まれていることが、近年の研究で明らかになってきています。そしてその情報は、私たちの耳を通り抜けているようでいて、実は脳に取り込

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「ソウルマンの死~追悼・志村けん」 輪島裕介

 志村が死んだ。という言い方は、常識的には不謹慎で敬意を欠くものだろう。しかし、毎週「志村、うしろ、うしろ」と真顔で叫んでいた1974年生まれ(そう、彼がドリフに加入した年だ)の私にとって、「コメディアン・志村けんさんが亡くなりました」といった「正しい」言い方はどうしても馴染めない。舞台や画面上の演者と、客席やお茶の間の観衆を明確に区別したうえで、観衆を興奮の渦に巻き込んでゆく芸能者に対して、あたかも個人的な知り合いのように馴れ馴れしく敬称をつけて呼ぶことはむしろ失礼であるよ

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激甚化する気候変動の問題に、金融・ビジネスはどう立ち向かうべきか?――ゼロ炭素社会への移行のカギは、市場が握っている

 再生可能エネルギー技術の急速な発展と、危機的状況にある気候変動問題。投資家や金融機関はすでに化石燃料関連事業への投資から撤退しつつあり、社会的責任投資への取り組みを始めています。気候変動の緩和・適応策への取り組みを重視する企業にとってはいま大きなチャンスが訪れているのです。  『限界費用ゼロ社会――〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭』等の著書で知られ、過去20年にわたりEUおよび中国でゼロ炭素社会への移行に向けて助言を行ってきた文明評論家のジェレミー・リフキン氏。当

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「地球に住めなくなる日」が来ないために

 気候変動(地球温暖化)によって、いま世界に何が起きているのか? 我々の生活は、そして現代文明はどう変わるのか? 気候変動によるリアルな未来図を提示する『地球に住めなくなる日』をもとに、温暖化の専門家である江守正多氏がわかりやすく解説。  *本記事は、書籍『地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実』(デイビッド・ウォレス・ウェルズ、藤井留美訳)収録の解説をもとに加筆・抜粋したものです。 ※そのほかの『地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実』関連の記

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伝説の歴史を味わう!「MUSIC LIFE」元編集長・増田勇一氏による『QUEEN in 3-D』最速レビュー

増田勇一  正直に白状すると「時間がかかっても構わないから、これは原書で読みたい」などと思って購入しておきながら、読みかけのまま本棚の飾りになってしまっている英語の書籍が、我が家にはいくつかある。『QUEEN in 3-D』がそうなりかけている、という方も実は少なくないのではないだろうか。もちろんこの本は、フォト・バイオグラフィと銘打たれていることからも明らかなように、写真の豊富さと貴重さ、しかもその多くを立体で味わうことができるという点を特徴とするものであり、眺めているだ

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