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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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#エッセイ

ゆっくりやすみなさいと、言われていたのかもしれない。「必要だった」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #34 必要だった こどくは高校2年生、16歳のとき、統合失調症と診断され、診断されたその日に精神科の閉鎖病棟に入院することになった。  しかし、こどくはそのときの

【連載】南沢奈央「女優そっくり」第7回

本名の自分であり続けたかった 高校の卒業式の日、私は逃げるように校舎を出た。  その日は久しぶりの登校だった。高校三年の終わりは受験期で登校日が限られていたからだ。いや、もしかしたらそれは、私の仕事が忙しくなってきていたからかもしれないが、今では覚えていない。とにかく卒業式の日に何週間ぶり、もしくは一か月以上ぶりに学校へ行ったら、周りの私への態度が変わっていたのだ。  女優の仕事をしていることを、学校では、先生と親しい友人以外に告げていなかった。だから私がたびたび学校を休むの

料理の出し方で途端に時間の流れが変わる。「フランス人から学んだコース料理の美学」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。世界の自炊の風景を求めて旅を続けている山口さん。フランスで本場のコース料理に触れたことで、大きな発見があったとか――。 ※第1回から読む方はこちらです。 #20 フランス人から学んだコース料理の美学  2024年7月、私は3週間かけてフ

得意であるという自信は「誇り」。じゃあ得意じゃないことができるという自信は?「得意じゃないことをやるという特技」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第18回は篠原さんが最近見た夢から広がる、人生の判断基準についてのお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #18 得意じゃないことをやるという特技 最近、歌のオー

本当に恐ろしい体験だったからこそ、語っていかなければならない。「だれしもが」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #33 だれしもが たまには、こどくに起きた統合失調症の症状のはなしでもしよう。  高校2年生。たのしいことずくめの時期。こどくは唐突に、学校へ行けなくなった。  

ビスケットのおいしい食べ方――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。イギリスでの講演旅行を大盛況のうちに終え、無事帰国した柚木さんが新たに取り入れた食習慣とは? ※当記事は連載の第44回です。最初から読む方はこちらです。 #44 Dunking  10日間のイギリス・オーサーズツアー(講演旅行)を終え、時差ボケと興奮が未だ冷めやらない。過密スケジュールだったため、お土産を買えないまま、最後の数時間でスーパーマーケットの箱入り紅

統合失調症当事者が、むりなく、偏見もなく、安心した場所ですごせるように。「よすが」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #32 よすが 統合失調症についてもっと知られればいいのに、と思うのはこどくだけだろうか。  100人にひとりがかかり、好発年齢といって、かかりやすいのは10代、2

何を食べようかと心を躍らせることができるのは、消化できる健康な身体があってこそ。「食欲さんの家出」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。海外から帰国したのち、旅の疲れからか体調を崩してしまった山口さん。そのとき、山口さんにとっては未経験の症状が訪れていました。 ※第1回から読む方はこちらです。 #19 食欲さんの家出 四六時中「次は何を食べようか」と考えている私の中から

みんなで使えば高くない?!「人生で一番高い買い物」――昆虫・動物だけじゃない、篠原かをりの「卒業式、走って帰った」

動物作家・昆虫研究家として、さまざまなメディアに登場する篠原かをりさん。その博識さや生き物への偏愛ぶりで人気を集めていますが、この連載では「篠原かをり」にフォーカス! 忘れがたい経験や自身に影響を与えた印象深い人々、作家・研究者としての自分、プライベートとしての自分の現在とこれからなど、心のままにつづります。第17回は篠原さんが届くのを楽しみにしている、大切な家具のお話です。 ※第1回から読む方はこちらです。 #17 人生で一番高い買い物 最近、ダイニングテーブルを買った。

たとえ一生治らない病気を抱えていても、たのしく考えるように。「おもしろいじゃないか」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #31 おもしろいじゃないか 統合失調症という病気は、一生ものの病気だ。たとえ症状が落ち着いて、病気でないように見られる状態になっても、症状が一時的に軽くなること、

未来の自分を信じて。「信じているぞ」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #30 信じているぞ こどくは統合失調症VTuberとして活動している。昨今、未曾有のVTuberブームで、さまざまなVTuberがいるが、こどくはVTuberとし

【連載】南沢奈央「女優そっくり」第6回

胸が、ぎゅううう 私は根に持つタイプのようである。  言われてうれしかったことよりも、言われて悔しかったことをよく覚えている。言った人の顔も鮮明に思い出せるし、その当時の感情も蘇ってくる。そのときに“いやだわぁ”と一度思ってしまうと、完全に心のシャッターをおろす。そういった人たちと二度と交わることはない。  中学のときにこんなことがあった。  私は国語の係だった。教科ごとにつく教科係は、授業前にその教科担当の先生のところへ行き、プリントなど授業で必要なものを用意したり、教室ま

気持ちのいい場所で、おいしい料理を、人と一緒に食べる。これ以上の贅沢はない。「自分で選ぶ・作る生活」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。世界中の「日常のごはん」を求めて海外を旅している山口さん。前回に続いてスペイン滞在中の山口さんが次に訪ねたのは、ある日本人のご夫婦のお宅でした。 ※第1回から読む方はこちらです。 #18 自分で選ぶ・作る生活 前回はスペインのセビリアで

むりをしなければ、「息災」でいられる可能性はじゅうぶんある。「有病息災」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく

「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #29 有病息災 よく、神社やお寺に行く。こどくは古い建物がすきなので、遠方でも、行ければ行く、程度のノリで行く。また、近所の神社やお寺にも、おまいりやさんぽのつい