連載 シン・アナキズム 第5章 グレーバー (その8)
「でもやっぱり、借りたお金は返さないと」(!) さて、いよいよ『負債論』に入っていこう。この本は、私たちが経済活動について考えたりイメージしたりする際に、いつも市場の商品交換をモデルとしているせいで気づかない事柄について教えてくれる。というより、市場の商品交換モデルをここまで当然のごとく前提している社会に住んでいることに、改めて驚かされる。私たちは、よく考えれば市場とは異質なはずの社会関係を含めて、何でもかんでも市場モデルで捉えているのだ。読後には、当たり前と思っていたこと