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「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第5回 家族を育てる子連れ海外旅行

 6歳と2歳、2人息子の母であり、人気YouTuberの鈴川絢子さん。動画配信では、家族旅行や日々の生活の様子などを通して、大好きな鉄道の魅力や子どもたちと過ごす時間の楽しみなどを伝えています。その飾らない言葉や姿に、とくに鉄道好きの子どもたちやそのお母さんたちから支持されています。鈴川さんの動画で紹介された子連れ旅のコースを参考にして、実際、旅行にいったというご家庭もあるそうです。
 当連載では、動画配信では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに、鈴川さんがつづっていきます。
 連載第5回目は、前回に続き、旅のお話。テーマは「家族を育てる子連れ海外旅行」です。新型コロナウイルスの流行で、海外旅行は以前よりかなり難しくなりましたが、いつかまた行ける日に想いを馳せて。鈴川さんが、気をつけているポイントやエピソードを紹介します。
 ※連載第1回から読む方はこちらです。

 少しずつ過ごしやすい気候になってきましたが、子連れで遠くへお出かけすることが難しい日々は続いていますね。とくに海外旅行はまだまだ先になりそうですが、また行けることを願って、今回は子連れでの海外旅行について、わが家で気をつけていることや海外への想いなどをお話しします。

子どもたちを海外に連れていく理由

 国内外問わず旅行に出かけることが多いわが家ですが、子どもたちを初めて海外に連れて行ったのは、長男のひたちが4歳になったばかり、次男のときわが生後8か月の時のハワイ旅行でした。
 海外旅行は、時差や長時間の移動を伴うので、子連れで行くのは大変なことも多いです。けれども私は、その大変さよりも、子どもたちにとって今しかできない、今経験させたいと思ったことを、可能な限り実行したいと考えています。就学前の幼少期は時間的に自由が多いので、機会があれば、できるだけ子どもたちを連れて海外旅行をしたいという想いがあります。

 連載第1回でお話ししましたが、私自身も物心ついた頃から家族旅行の多い家庭で育ち、小さな頃から飛行機に乗っていたためか、飛行機での子連れ旅をあまり苦に思わないのかもしれません。

 母によると、私の初めての海外旅行は2歳頃に行ったグアムらしいのですが、残念ながら記憶がありません。海外旅行でのいちばん古い記憶は、幼稚園の年少の冬に従兄弟家族と一緒に行ったオーストラリアです。動物園でコアラを抱っこしたり、急勾配の斜面をトロッコで急降下しながら、ブルーマウンテンズの大自然を満喫したりと、幼いながらにもそれまでには体験したことがない非日常感に感動した覚えがあります。

 今、改めて振り返っても、母にはいい経験をたくさんさせてもらいました。小さい頃の旅で得た感動や刺激を自分の子どもたちにもさせてあげたくて、海外旅行に連れて行くのかもしれません。

徹底リサーチで得る安心感は、余裕につながる

 そんな環境で育ったせいか、私はフットワークが軽くて、行きたいと思ったらどこでも行くタイプです。一人旅の時は、ホテルや滞在する街にも、あまりこだわらないほうでした。でも、子連れ旅となるとそうはいきません。安全で、子どもたちにとって最適なプランを考えるようになりました。

 海外旅行の場合、わが家ではプランを組むのは私の役目です。ホテルを選んだり、海外の街並みを眺めたりするのが好きなので、苦になりません。夫からは「これが気になる」というピンポイントな情報や意見をもらって、さらに私の「このカフェに行きたい」「子どもたちをここに連れて行きたい」などの希望を組み合わせて、前回お話ししましたLINEのノート機能などを使って、一つの旅にしていきます。

 海外旅行は国内と違って手続きが複雑なこともありますし、さらに、小さな子ども連れとなると気をつかいます。だから、得意なほうが手配したほうが、スムーズにいくと思っています。
 私自身、すごく心配性ということもあるかもしれませんが、家族みんなが安心して楽しめるように、下調べはかなり入念にします。
 まず、スケジュールは、なるべくゆとりが持てるように時間配分にはかなり気をつけます。私たち親が、心のゆとりを持てるようにしておくことで、アクシデントが起こっても焦らずに対応できると思うからです。

 次に、当たり前かもしれませんが、治安はしっかり調べます。
 まず、現地に住んでいる日本人の方のブログやInstagram、Twitterのレポートなどを検索して、目的地の実際の様子などをできる限りリサーチします。もっと調べたほうがいいなと感じた時は、現地の方のブログを検索、翻訳して確認する場合もあります。さらに、渡航先の国が発信している情報サイトもチェックします。
 また、外務省が発信している海外安全情報サービス「たびレジ」にも登録して、現地のより詳しい最新情報も調べます。

 あとは、前回触れましたが、Google Mapのストリートビュー機能で行き先を見ることもあります。とくに初めての場所や情報の少ない地域だと「お店はあるのかな?」「通りの様子は?」といった不安もあるので「これなら子連れでも行けそう」というのが、事前になんとなく見られるのは安心です。
 さまざま調べる中で、少しでも「危ない」と感じたら、直前でも予定は変更します。とくに海外は、何が起こるかわからないので、“少しでも”という感覚を大切にしています。親の不安がなくなれば、その分、子どもにより多くの刺激や新鮮な体験を、安心して与えてあげられるのかなと思います。

 そのためにも、明らかに全部は回りきれないけれど、行きたい場所やお店、泊まりたいホテルなどの代わりの候補は、なるべくたくさん情報収拾します。そこから、子どもに向いていそうなところや、自分たちが安心できそうなところをピックアップしていきます。
 なかでも、こだわるのはホテルです。旅先で、何がなんでも観光して……と思うと、無理をしがちです。とくに子連れの場合は、ちょっとした無理がたたって、あとで困ることもあるので、滞在するだけでも楽しめるホテル選びもポイントだと思っています。子どもをお風呂に入れやすいようバスタブがあるとか、プールやレストランが併設されているとか、近くにおいしいデリをテイクアウトできるお店があるとか。そのぶん、ホテルのグレードは上がりますが、安心して過ごせるほうが大切です。

海外にも持参した離乳食

 とくに小さな子どもがいると、夜に外食するのも難しいので、食関係は重視しています。ホテル内のレストランが子連れでも利用しやすかったり、ルームサービスが充実したりしていると、ありがたいです。

 家族で海外旅行に行きはじめた頃、ときわがまだ離乳食時期だったので、海外にも市販のベビーフードを持っていきました。もともと、ひたちもときわもすべて手作りで離乳食を進めていたわけではなく、私が仕事の時や、たまに息抜きしたい時は、市販のベビーフードを取り入れていました。瓶詰めは重いしかさばるのですが、旅先にも同じ物を持って行けば、普段から食べ慣れているものだから食事もスムーズですし、親としても安心できます。

 というものの、海外旅行の場合、ほとんどの国が検疫や持ち込み制限の関係で、いつも使っていたベビーフードの半分以上は持っていくことができませんでした。
 とくに肉類は固形物だけではなくエキスが入っているだけでも持ち込みができないので、月齢が高い子ども向けの、ご飯にかけるタイプはほぼ全滅でした。フリーズドライや瓶詰めの物も、持ち込み禁止の成分が含まれていないかをよく確認してから購入していました。
 ですので、渡航先に日本のベビーフードを取り扱っている日系のスーパーやデパートはあるか、また現地のブランドではどのようなベビーフードがあるかなどを渡航前に調べていました。

 旅先のレストランも、離乳食の持ち込みOKのお店や離乳食を提供してくれるお店を、事前に調べます。また、子どもが食べられそうなものがあれば、味などを先に私が食べて確認してから、子どもにも食べさせてみます。子どもたちがしっかり食べてくれると私たち親も安心できるので、子どもの食事を基準に、レストランや行き先を決めることもあります。

 こちらは、2018年に家族でシンガポールに行った時の動画です。10:40あたりからランチの場面なのですが、ときわも現地の豆腐料理をおいしそうに食べています。

「来てよかった」がいちばん大事

 よく言われることかもしれませんが、とくに海外旅行で実感するのが、海外の方は子連れに優しくて、フランクな場合が多いように感じます。

 先ほどお話ししましたシンガポール旅行の時、お仕事で、シンガポール発の豪華客船アジアクルーズに、家族で参加させていただいたのですが、乗船前は「ちょっと場違いだったかな」とドキドキしていました。でも、乗客もクルーのみなさんも、子連れウェルカムで安心しました。
 いろいろな国の方がいらしたのですが、息子たちを見る目がみんなやさしく、笑顔で手を握ってくださったり、愚図りそうになってもあやしてくださったり。子どもをつねに気にかけてくださる様子が、とてもうれしかったです。

 ヨーロッパでは、そもそも国の体制が子連れに優しいように感じました。
たとえばフィンランドのヘルシンキの公共交通機関HSLでは、電車・バス・トラム(路面電車)で、0-6歳児をベビーカーで連れている場合に、ベビーカー1台に対して大人1人が無料になります。
 もちろん、その分、国民のみなさんが高い税金を払っているという背景があるのですが、現地のお母さん、お父さんが、余裕をもって子育てをしているような印象です。子育てを見守っている方々の眼差しも、温かく感じました。

 フィンランドだけでなく、ほかのヨーロッパの国々、アジアの国々でも、同じような印象を持ちました。ですので、基本的には、現地に着いてしまえば、海外での子連れ旅は、実はおおらかな気持ちで過ごせます。
 とはいえ子連れ旅行なので、旅の行程が、すべて穏やかな気持ちでスムーズにいくはずもなく、困った出来事もありました。

 昨年、本場の「きかんしゃトーマス」と「ミッフィー」に会うため、思い切ってヨーロッパを4か国巡ったのですが、いちばん最初のロンドンに朝到着して、そのまま日中まで少し市内を観光していました。そのときに、ときわが突然、泣き出してしまいました。体調が悪い様子もなく、日本から持って行ったお気に入りのおもちゃやお菓子をあげたり、いろんな方法でご機嫌をとってみたものの、全然泣き止まず。1時間ほどずっと機嫌が悪いままで、ひたちの時にはこんなことはなかったので「どうしよう」と本当に焦りました。

 私たち夫婦は動揺していたものの、周囲の人々はほとんど気にしていないようで、その雰囲気にとても安心しました。

 でも、当然、動画もとても撮れる状況ではなく、仕方がないので観光も撮影もやめて、宮殿の中庭みたいな場所の芝生にときわを転がしていたら、途端に機嫌がよくなって。「もう、じゃ、今日はこれでいいや。のんびり過ごそう!」と思いました(笑)。
 下の動画の15:35あたりには、機嫌を持ち直したときわが映っております。

 旅先で、理由もわからず子どもが愚図ると、どうにか気持ちをなだめようと焦ったり、その後のスケジュールも崩れたりします。でも、私は、そもそも不測の事態が起こった時に「だめだった。まあ、いいか」と、スパッと気持ちを切り替えるようにしています。だからなのか、予定が崩れてもそれに固執しないで、すぐに変更してしまいます。たとえ子どもが愚図って行けなかったところがあっても、また行こう!と思えばいいですし、子どもや家族が少しでも楽しめたなら、それはそれで「来てよかった」と思えます。

 旅でいちばん残念なのは「来なきゃよかった」と思うことです。結果的に「来てよかった」と思える旅にできるかどうかは、かなり重要です。とくに子連れ旅では、旅の記憶を子どもたちのいい思い出として残したいので、その想いは強くなりました。

海外での経験が子どもの力を高めてくれる

 海外での旅で必要になるものといえば、やはり英語でしょうか。

 ひたちは、幼稚園で年少の頃から週に一度、英語の授業があるのですが、帰宅してから、外国人の先生とお話ししたことを楽しそうに話してくれます。だからか、海外の方にも物怖じせず、積極的にコミュニケーションをとろうとします。そんな時は、もともとおとなしいタイプだったので、堂々とした姿に成長を感じます。

 ひたちが積極的になったのは、幼稚園での英語の授業ももちろんですが、旅先での経験も大きいかなと感じています。わが家では、出発前に、その国の挨拶と「ありがとう」は言えるように教えておきます。本人も、言葉を覚えること自体がうれしいようで、現地でそれが通じて相手に反応してもらえると、もっとうれしそうです。

 ほかには、現地の通貨をお小遣いとして渡して、自分がほしいものやお友だちへのお土産は、自分で金額を計算させて買い物をするようにさせています。

 この時、とくに英語圏以外の国では、親子で「ポケトーク」という通訳機を活用しています。英語圏ではなんとなく会話の意味もわかるし伝えることもできますが、そのほかの言語は挨拶ぐらいしか覚えていません。ポケトークは日常的な会話はもちろん、専門的なことも通訳してくれます。さらに、カメラ付きの最新版は、文字にかざしてスキャンすると翻訳もしてくれます。レストランの注文やお買い物をする時に、すごく便利です。

 挨拶ぐらいしか話せなくても、通訳機などを活用すれば現地の方とコミュニケーションは取れます。子どもにとっても、いい経験になっているのではないでしょうか。

 海外旅行の経験が増えるごとに、ひたちは英語の語彙力も増えていきました。発音も、親よりいいです(笑)。やはり旅先だと、現地の人の発音をたくさん聞いたり、マネしたりする機会が増えるからでしょうか。子どもに負けないように、私も英会話に通うようになりました。

これから行ってみたい国

 最後に、私の行きたい国のお話しをさせてください。いつか子連れで行ってみたいのは、ドイツとオーストリアで、どちらも鉄道が発達している国です。

 ドイツは、とくに乗り物に関しての技術が長けています。現存する世界最古のモノレールがあって、横浜にある原鉄道模型博物館にも展示されているのですが、どのように誕生したのか、歴史と現地の町並みを一緒に見たいと思っています。
 また、私の好きな京浜急行電鉄さんの「ドレミファインバーター」で有名な制御装置などをつくっている「シーメンス」という会社があるのもドイツです。ここではさまざまな精密機器がつくられていて、いまだに現地の鉄道ではシーメンス社のものがメインで使われています。

「ドレミファインバーター」とは、京急さんの車両で、搭載されている制御装置により発車時の音が「ファソラシドレミ~」と音階に聞こえるものがあるのですが、それが、通称「ドレミファインバーター」と呼ばれています。
 私はこの音が大好きなのですが、京急さんで「ドレミファインバーター」が使われている車両は、多分もうあと一編成しか残っていないはずです。それに対し、ドイツのお隣、オーストリア連邦鉄道では、まだ多数の車両で聞くことができるそうなので、それをいつか堪能したいと思っています。
 また、車両や周辺の環境の違いなどで、京急さんとは音が違って聞こえるそうなので、それも「自分の耳で確かめてみたい!」という思いもあります。

 生まれた本場、ヨーロッパの鉄道で聞くシーメンスの音には、ロマンがあります。いつか家族みんなで、実際に聞いてみたいです。
 ドイツやオーストリアに限らず、海外のいろんな鉄道を知ることで、日本の鉄道のよさを、今後もっと伝えていけるのかなとも思っています。まだ先になりそうですが、状況が落ち着いたら、安全に十分注意したうえで、行けるといいなと思っています。

 さてさて、長くなりましたが、今回はここまでです。
 私たち家族の旅が、少しでもみなさんの旅のヒントになればうれしいです。

 わが家は、これからもさまざまな物事を家族で楽しみたいと思っています。大変なこともありますが、子どもが一緒だからこそ、重ねられる思い出や経験もたくさんあります。みんなで「楽しかったね」「また行きたいね」と、たくさん振り返えることができるように、臨機応変に楽しんでいきたいと思います。

 それでは、また次回お会いする日まで。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

次回へ続く

構成協力/ニイミユカ

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プロフィール
鈴川絢子(すずかわ・あやこ)

1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。
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