「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第6回 おもちゃとの付き合い方
6歳と2歳の兄弟との日々や、家族との生活などを動画で配信する、人気YouTuberの鈴川絢子さん。大好きな鉄道の魅力や子どもたちとの過ごし方などを伝えています。その等身大の様子は、とくに鉄道好きの子どもがいるお母さんたちに支持され、鈴川さんの飾らない言葉と姿に「ホッとする」「マネしたくなる」という声も聞こえてきます。
当連載では、動画では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに鈴川さんがつづります。
連載第6回となる今回のテーマは「おもちゃとの付き合い方」です。鈴川さんは、鉄道おもちゃ「プラレール」をはじめ、たくさんのおもちゃについて動画で紹介しています。その際、子どもたちはもちろん、鈴川さん自身が心から楽しんで遊ぶ姿が印象的です。実際、どんな気持ちで遊んでいるのか、また、たくさんのおもちゃをどのように選んだり、収納したりしているのか、気になるあれこれを教えてもらいました。
※連載第1回から読むかたはこちらです。
公園で赤い落ち葉を拾ったり、空にうろこ雲を見つけたり。日に日に、秋めいてきました。みなさま、お変わりないですか?
夏は公園で虫探しに夢中になっていたわが家ですが、近ごろは家の中で、おもちゃで遊ぶ時間も増えました。大好きなプラレールやトミカはもちろん、レゴやアニアなどでも遊んでいます。
YouTubeでは、子どもたちとおもちゃで遊ぶ動画もたくさん公開しているので、「いろいろなおもちゃをどうやって片付けているんですか?」と質問を受けることもよくあります。今回は、わが家のおもちゃの活用法、そして、私のおもちゃへの想いなどをテーマにお届けします。
おもちゃがずっと好きな理由
おもちゃといえば、家事などで手が離せないときに「子どもが遊んでいてくれると助かる」というお母さんたちの声を、よく聞きます。その気持ちは私も同じで、よくわかります。おもちゃは、子育てをするうえで、ありがたいと感じる存在の一つですよね。
でも、私の場合、子どもたちが遊ぶ姿を見ていると、自分も一緒になって遊びたくなることが多いように思います。いいな、楽しそうだなと、感じるのです。
私は、もともとおもちゃが大好きです。長男のひたちを出産する前から、YouTubeでもプラレールやトミカ、戦隊モノの変身ベルトなど、好きなおもちゃを紹介してきました。
下の動画はひたちが生まれる前の動画ですが、自分で見返してみても、楽しそうに遊んでいます(笑)。
私のおもちゃ好きのきっかけは、幼少期の過ごし方にあるかもしれません。母によると、一人っ子の私は物心ついた頃から、家の中で過ごす時はおもちゃで一人遊びをすることが多かったようです。よく遊んでいたのは、日本の郷土玩具や外国のおもちゃで、仕事で地方や海外に行く機会が多かった母のお土産でした。それ以外にも、バービー人形やシルバニアファミリーなど定番のおもちゃも大好きで、黙々と遊んでいたそうです。
当時を思い返すと、自分の想像や発想をおもちゃに投影して遊んでいた気がします。おもちゃで遊ぶことも、表現方法の一つだったのかもしれません。
そもそも、母も祖母も新しいもの好きなので、話題になったおもちゃ、たとえば「たまごっち」やゲーム類なども、私がそれらを知る前に買ってきてくれて、家族で楽しんでいました。
わが家にも、私と夫がおもちゃ好きなので、いろいろなおもちゃやゲームがありますが、ひたちにもときわにも、それぞれの発想でおもちゃと遊んでほしいと思っています。
家族みんなが大好き「プラレール」
たくさんのおもちゃがあるわが家ですが、中でもプラレールは、家族みんなが大好きです。
子どもの頃にもいくつか持っていて、遊んだ記憶はあります。ですが、本腰を入れてコレクションするようになったのは、2012年に誕生日プレゼントで「カシオペア」という寝台列車のプラレールを夫に買ってもらい「いつか乗りたいね」という話をしたのがきっかけです。
出産前、プラレールは私たち夫婦のコレクションの一つでした。全て、遊ぶ用と保管用の2つずつ持っています。でも、子どもが生まれて、一緒に遊ぶようになって感じるのは、今は集めて満足するだけのものではなくなったということ。子どもと遊びながら共通の楽しみとしてコミュニケーションを取れるのが、嬉しいです。
とくにひたちは、今では私たちが驚くような壮大なレイアウトを組むこともあるのですが、子どもが自由に組むと、一見へんてこに見えるコースでも新鮮で、大人にはない発想力に感心してしまいます。ときには一緒にこだわって、実際の路線を再現して、山やビルを置いたり、踏切のところにはミニカーを置いたり、本物の街をつくるように、かなり大掛かりなレイアウトを組むこともあります。プラレールは、さまざまにイメージを膨らませて、自由に工夫できるところも魅力です。
ただ、ときどきちょっと困ったこともあります。同じ車両をもっと連結して本物みたいに長くしたいと、ひたちが遊ぶ用ではなくコレクションから車両を出してくるのです。普段、子どもたちには「ママの(コレクション)、キレイに箱から出せば使ってもいいよ」とは言っているものの、心の中では「乱暴にしないでね~」と思っていました(笑)。
レイアウトが完成したら、毎回、寸劇のような感じで、その世界に入り込んで遊びます。とくにときわは、今ちょうど色や数字を覚えはじめているところなので、遊びを通して学ばせられたらと思っています。その世界の住人になりきって「じゃあ、次は赤い屋根の駅に行ってみよう!」と赤色のものを探したり「車が何台停まっているかな?」と私が尋ねて、子どもたちが数を答えたり。いろいろ質問して、意見や感想を引き出せるのも、プラレールで遊ぶ楽しさです。
遊びながらワクワクを刺激する知育玩具
プラレールやトミカ以外で、子どもが生まれてから積極的に取り入れているのは、知育玩具です。遊びを通して知的好奇心を刺激されたり学べたりするのは、知育玩具ならではと思っています。
ひたちが小さな頃にたくさん買って、それを今ではときわが使っています。その姿を見て、ひたちが懐かしいと言いながら一緒に遊んでいることもあります。
魅力的な知育玩具がたくさんあるのを知ったきっかけは、おもちゃの展示会「東京おもちゃショー」です。「東京おもちゃショー」は新製品の発表・商談の場で、一般向けの公開日もありますが、基本的に商品の購入はできません。けれども、発売前のさまざまなおもちゃを見ることができます。会場で、いいなと思う知育玩具を見つけて、改めてネットなどで予約・購入したものもたくさんあります。
たとえば、アンパンマンの『ことばずかん』はひたちが小さな頃から愛読しています。付属のタッチペンで絵をタッチすると、その絵にあった名前をアンパンマンのキャラクターたちがおしゃべりで教えてくれます。日本語、英語、二語文モードがあるのですが、特に二語文モードのおかげで、ひたちは二語文を身につけられたと思っているほど、言葉の世界を広げてくれました。
新しいものでは、「ころがスイッチ ドラえもん」です。コースを作ってボールを転がす知育玩具で、ドラえもんのひみつ道具の効果がそのままプログラミングの仕掛けになっています。たとえば、かけると物が2倍に増える「バイバイン」というひみつ道具のところにボールがくると、ボールが2個になって出てきます。「こんなひみつ道具あったな。懐かしい!」と親世代も子どもと一緒に楽しむことができるので、お子さんとおもちゃで遊ぶのが少し苦手だなと思う方にもおすすめです。
ほかにも、プログラミングなどが体験できる「はじめてのプログラミングカー」や大きな「100玉そろばん」などを小さな頃から触らせたり、新旧にかかわらず、子どもの知育にいいなと思った玩具を選んでいるつもりです。
玩具のどんなところに夢中になっているのか、子どもの得意なところを見つけられるのも知育玩具のよさかもしれません。
鈴川家の意外なヒットおもちゃ
何気なく渡してみたら、思った以上に子どもたちが気に入ったというおもちゃもあります。
ひたちが夢中になったのは、小学館の図鑑『NEO(ネオ)』がタブレットになった『NEO Pad(ネオパッド)』です。カメラが付いていて、自分で撮った写真をタブレットに登録して、オリジナルの図鑑をつくることができます。
「乗りもの+くらべる編」と「生きもの編」の2種類の図鑑があるのですが、2年くらい前に知って、当時はまだひたちには使い方がむずかしいかなと思いつつ遊んでみました。すると、やり始めたらとても楽しかったようで、「乗りもの+くらべる編」では、東京駅に行き新幹線をはじめ鉄道の写真を、「生きもの編」では、動物園へ行って動物の写真をそれぞれ撮影し、自分視点での図鑑をつくっていました。
もともと図鑑を愛読していたのですが、どこへ行くにもこのパッドを持っていくほどのハマりよう。クイズもできるので、いろいろなことに詳しくなれるのも魅力のようです。ちなみに、写真は何度も更新できます。繰り返し、長く楽しめるのもいいなと思いました。
ときわは「ほのぼのペタペタブロック」というブロックが大好きです。いま、毎朝おもちゃ箱から出して遊ぶほどハマっていて、自分なりの理想のおうちをつくるのが楽しいようです。このブロックは突起が小さく、幼い子どもでも扱いやすいので、イメージした通りのものをつくれるのがいいのかもしれません。購入したのはたしか家の近所で、おもちゃを買う予定もなかったのですが、ふと目にとまりました。何気なく見つけたおもちゃを気に入ってくれると、特別なうれしさがあります。
自由に遊べて片づけやすい環境
私自身はおもちゃ好きゆえに、おもちゃが入っていた箱も大事にする傾向があるのですが(笑)、子どもたちが遊ぶおもちゃは別です。基本的にはボードゲーム系のおもちゃで使用するコマやサイコロ、知育玩具の小さな輪など、パーツを失くしてしまいそうなものやバラバラになりそうなもの以外、箱は処分します。収納は、ジャンルごとに区別し引き出しへ。
区別とはいっても、大まかなもので、プラレール以外の乗りもの系、おままごと系の2種類です。自由に遊んで欲しいので、子どもの手が届きやすい場所に保管して、出しやすく、しまいやすいことを心がけています。
プラレールの収納はそれらとは別に、下の動画で公開していますが、無印良品の「ポリプロピレンボックス収納ケース引出式 横ワイド」が並べるのにちょうどいいサイズなので、愛用しています。
コレクションは購入時の箱に収納しているのですが、子どもたちが遊ぶ用は、箱は処分します。ただ、情景や駅舎の大きなセットは、物によって形がそれぞれ違って収納ケースでは要領よくしまえないので、コレクションも遊ぶ用も箱のまま積み重ねています。
子どもが片付けやすいよう環境は整えてはいるものの、すぐに片付けないこともよくあります(苦笑)。例えばお風呂に入る前、親としては一度片付けて欲しいけれど「いや、お風呂を出たあとも遊ぶから」と子どもたちが主張するので、仕方なくそのままにする場合も……。そういうときは「じゃあ、これだけは片付けよう」とか、次のおもちゃに興味が移ったら「これもお風呂のあとで遊ぶの?」などと質問をして、片付けを促すようにしています。
それでもひたちは、寝る前に、ときわに「片付けよう」って誘ってくれることもあります。ときわがまだ小さいので言うことを聞かず、ひたちが怒っていることも度々ですが、進んで兄弟で片付けてくれる日も近いのでは……と期待しています(笑)。
おもちゃが癒やしの時間
コレクション用のプラレール以外のおもちゃは、子どもたちのために購入していますが、実は私専用のものもあります。
小学校高学年用の、編みものができる「ラブあみ 織り機」や、缶バッヂメーカーの「Can バッジ good!」というおもちゃで織物や缶バッヂをつくったり、アイロンビーズの「パーラービーズ」で、黙々と車両や北欧風デザインの花をつくったり……。子どもたちが寝た後で、一人で遊ぶのも好きです。本来は子ども用のおもちゃですが、きれいに仕上げるにはコツが必要で、大人の自分も夢中になれる癒やしの時間になっています。
上の写真は「パーラービーズ」でつくった作品の一部ですが、鉄道の信号機のイヤリングは、我ながら、ほかにはない一作だなと思っています。
ほかにも、子どものために買ったけれど、自分のほうが好きになってしまったものや、もともと自分が好きで買ったというおもちゃも、かなりあります。
たとえば、アンパンマンのおままごとセット。下の動画で紹介しているジャムおじさんのパン工場やコンビニがミニチュアになっているシリーズの造形にすごく惹かれます。単純に、ミニチュアとしてとても精巧にできていて、すごくかわいい! そのうえ、かまどに入れたパンがぽとっと落ちたり、実際のコンビニのように陳列できたり、レジを通したり。リアルさとかわいさが絶妙で、子どもたちが遊び終え、お片付けのあと、パーツが全部揃っているかチェックしてしまうぐらい好きです(笑)。
こんなふうに、私が今もおもちゃに夢中なのは、おもちゃは子どものものとか大人は遊んじゃだめとかいう境界線が、私の中にあまりないからかもしれません。そもそも「大きくなったら、おもちゃは卒業」という感覚もありませんでした。
部活に夢中になっていた中高生の頃は、遊ぶ時間がないのでおもちゃから少し離れました。けれど、芸人として活動し、動画配信をはじめた頃、配信内容として自分が好きなものを考えたとき、鉄道の次に思い浮かんだのがおもちゃでした。当時は、鉄道とか戦隊モノとか、自分の好きなものをヒントにそれに関連するおもちゃを探して、おもちゃとの再会を楽しんでいました。
中でもプラレールは「大人でも、子ども用のおもちゃで遊んだっていい」と、素直に思わせてくれた存在です。実際に各地を走行している車両が自分の手元にあり、同じ区間のレールを走ることのない、お気に入りの車両同士を並走させることもできます。思い描いた好きな世界が自分の目の前に広がる喜びは、鉄道好きなら子どもも大人も性別も関係ないはずです!
おもちゃは、家族の大切なコミュニケーションツールでもあると考えています。子どもたちと本気で遊ぶことで、遊び方の変化を感じ、その成長に気づくこともできます。そんなとき、この瞬間を見逃さなくてよかったと感じるので、私はこれからも大好きなおもちゃと変わらず付き合っていけたらと思っています。
さて、長くなりましたが、今回はここまで。次回は、私も子どもたちも大好きな絵本についてご紹介したいと思います。日に日に冷え込んできましたので、お出かけの際は暖かくしてくださいね。それではまた、元気にお会いしましょう!
次回へ続く
構成協力/ニイミユカ
プロフィール
鈴川絢子(すずかわ・あやこ)
1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。
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