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小説・エッセイ

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#境界線

シリーズ累計50万部突破! 心を揺さぶる社会派ヒューマンミステリーの金字塔――『彷徨う者たち』中山七里

累計50万部突破「宮城県警シリーズ」最新作  宮城県を舞台に起こる殺人事件に迫りながら、事件の関係者を通してその地に根差す人々の人間模様を描いた社会派ヒューマンミステリー「宮城県警シリーズ」。これまで当シリーズでは、ひたむきに現実に向き合う人々の生き様を描き、その切なさや感動が多くの読者の涙を誘ってきました。  生活保護制度を題材に、佐藤健さん主演で映画化された第一作『護られなかった者たちへ』、震災からの復興とその闇ビジネスを描いた第二作『境界線』、そして、最新作かつ完結編の

映画続報に沸く『護られなかった者たちへ』(主演・佐藤健)のシリーズ続編『境界線』——情報化社会の闇ビジネスと人々の祈りを描く骨太の社会派長編小説

復興への祈りを込めたヒューマンミステリー 12月16日(水)に中山七里さんの新作小説『境界線』が発売されます。この日は中山さんの誕生日です。そして今年は中山さんの作家デビュー10周年の記念イヤー。そのキャンペーンの一環として実施している「単行本12か月連続刊行」のフィナーレを飾るのが本書です。  本作は2018年に刊行された『護られなかった者たちへ』につらなる、“宮城県警シリーズ”の続編。宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎刑事が部下の蓮田らとともに、宮城県内で起きた不可解な事件に

震災によって引かれた“境界線”が、一変させたもの――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

 ついに笘篠刑事に身柄を確保された鵠沼駿。確保の直前、鵠沼は旧友・五代良則と思い出の場所で再会を果たし、二人にとって空白の時間を埋めていた。震災によって引かれた線が、鵠沼と五代のその後の人生を大きく変えていたのだった。警察に連行された鵠沼は、笘篠に何を語るのか――。  ※本記事は連載最終回(第12回)です。 最初から読む 境界線 最終回(第12回)連載第11回へ戻る 関連コンテンツ プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、

人生と物事の価値観を根底から揺るがしたあの日――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

 鵠沼駿と五代良則それぞれの関係者への事情聴取を行ったが、ふたりの決定的な接点も有力な犯行の手がかりも、笘篠刑事は見つけることができなかった。それどころか、話を訊けば訊くほど鵠沼が犯行に及ぶ人間像からは遠く感じられるほどであった。しかし、鑑識を進めていた両角より、鵠沼がキズナ会の事務所に残していたジャケットから検出された土が、真希竜弥が殺害された現場の土の成分と一致したとの報告を受け、事態は一変する。  ※本記事は連載第11回です。 最初から読む 境界線 第11回連載第1

見えぬ接点と深まる謎……事件は最終局面へ――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

 たび重なる詐欺により宮城刑務所に収容されていた五代良則は、懲りることなく、出所後のさらなる悪事を計画しながら日々を過ごしていた。そこには、五代が出所後の仕事のパートナーとして目をかけていた利根勝久の姿もあった。そんな折、東日本大震災が発生した。刑務所の食堂にあるテレビが五代の地元が濁流に飲まれていく様子を伝え、えもいわれぬ絶望感を味わった。それから二年後、出所した五代はかつての友人・鵠沼駿の安否を気遣い行方を捜すも、消息をつかめずにいたのだった。  ※本記事は連載第10回で

宮城刑務所がむかえた3.11。その時いったい何が――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

 五代良則と鵠沼駿は、金山組のフロント企業「東北ファイナンス」に一矢報いるため、「東北ファイナンス」のホストコンピューターへハッキングすることで資産を複数の架空口座に不正送金する詐欺を思いつき、成功させる。これをきっかけにふたりは互いを認め合い、親交を深めた。2001年春、高校を卒業した詐欺師としての道を見出した五代は公認会計士を目指して予備校に通い、鵠沼は大学へ進学することで別々の道を歩み始めたのだった。  ※本記事は連載第9回です。 最初から読む 境界線 第9回連載第

インテリヤクザと被災者支援NPO法人の代表の過去とは? 情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説――「境界線」中山七里

 1999年4月、高校2年生に進級した五代良則の同じクラスには鵠沼駿がいた。校内で有名な札付きのワルだった五代と、クラス委員長を務める優等生の鵠沼。交わるはずのないふたりだったが、五代が暴力団の組員に襲われ瀕死の重傷を負っているところを、鵠沼が助けたことでふたりの関係性に変化が訪れようとしていた。  ※本記事は連載第8回です。 最初から読む 境界線 第8回連載第9回へ進む 連載第7回へ戻る 関連コンテンツ プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生ま

身元が騙られた遺体の謎。情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説――「境界線」中山七里

 鬼河内珠美が住んでいたアパートを突き止めた笘篠たちは、そこで「東日本大震災被災者キズナ会」のパンフレットを見つける。一方で、官公庁からの個人情報を違法売買していた男への事情聴取によって、情報を買っていた人間がキズナ会の鵠沼駿だったことがわかる。笘篠と小宮山はキズナ会への家宅捜査に赴いて鵠沼の任意同行を求めようとするが、寸前のところで鵠沼に逃げられてしまう。  ※本記事は連載第7回です。 最初から読む 境界線 第7回連載第8回へ進む 連載第6回へ戻る プロフィール

長編ミステリー小説 「境界線」第6回 中山七里

鬼河内珠美と真希竜弥が身元を入手した経路を追っていた笘篠と蓮田は、〝名簿屋〟を裏稼業としている五代良則への事情聴取を行うも、芳しい成果を得ることができなかった。五代の関与を怪しみつつも、名簿屋に情報を売った出所をつかむべく、笘篠たちは膨大な個人情報を取り扱う役所や金融機関を探ろうとしていた。 境界線 第6回連載第7回へ進む 連載第5回へ戻る プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミス

長編ミステリー小説 「境界線」第5回 中山七里

天野明彦を騙っていた男は、日頃から指に接着剤を塗布し、指紋が自宅などに残ることを徹底して避けていた。笘篠と蓮田はもちろん、証拠を必死に探す鑑識にも焦りのムードが漂う。なぜ男はそれほどまでに身元を隠すのか? そんなとき、天野を騙っていた男の自宅から接着剤の被膜らしきものが発見された。 境界線 第5回連載第6回へ進む 連載第4回へ戻る プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがす

長編ミステリー小説 「境界線」第4回 中山七里

笘篠刑事の妻・奈津美の身元を騙っていた鬼河内珠美は、かつて陰惨な殺人事件を起こした両親を持ち、世間に対して肩身が狭い思いを抱えて生きていた。珠美が奈津美の身元を入手した経路を探っているさなか、十指を失い、口元を著しく損壊された他殺体発見の一報が入る。この遺体もまた他人の身元を騙ったものだった。 境界線 第4回連載第5回へ進む 連載第3回へ戻る プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミ

長編ミステリー小説 「境界線」第3回 中山七里

妻の身元を騙っていた女が風俗嬢だったことがわかり、その足取りを追う宮城県警の笘篠と蓮田刑事。女は死の直前にふたりの男を接客しており、そのうちのひとりに聞き込みを行うも身元の特定には至らず。焦れる気持ちを抑え、笘篠と蓮田はもうひとりの男を捜すのだった。 境界線 第3回連載第4回へ進む 連載第2回へ戻る プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。斬新な視点と

長編ミステリー小説 「境界線」第2回 中山七里

遺体は妻・奈津美のものではなく、まったくの別人だったーー。宮城県警捜査一科警部・笘篠誠一郎は妻の身元を騙った女の素性を探ろうとするが、なかなかたどり着けずにいた。一体、誰が、何のために。強い憤りを胸に、さらなる捜査を進める。 境界線 第2回連載第3回へ進む 連載第1回へ戻る プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。斬新な視点と華麗などんでん返しで多くの

長編ミステリー小説 「境界線」第1回 中山七里

〈東日本大震災で行方不明になっていた妻の変死体が発見され、しかも前夜まで生きていた〉。さまざまな疑問を胸に遺体安置所へ急行した宮城県警捜査一科警部・笘篠誠一郎は、思わぬ事実に直面する――。2018年1月刊行の長編小説『護られなかった者たちへ』のその後を描く、魂を揺さぶる社会派ミステリー小説。 境界線 第1回連載第2回へ進む プロフィール 中山七里(なかやま・しちり) 1961年生まれ、岐阜県出身。2009年、『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」