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教養・ノンフィクション

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#編集部だより

哲学は17世紀が面白い! 刺激的な「近世合理哲学」入門

17世紀、科学の勃興と共に哲学は「注釈」であることをやめ、それぞれ単独で展開される「プロジェクト」となった――。そんな時代の代表的な4人の哲学者、デカルト・スピノザ・ホッブズ・ライプニッツの思想を親しみやすい語り口で明らかにした『哲学者たちのワンダーランド[改版] デカルト・スピノザ・ホッブズ・ライプニッツ』が復刊されました。著者は当社刊『哲学史入門II』でも17世紀哲学について解説いただいた上野修さんです。 上野さんの明快な語り口は本書でも存分に生かされ、「近世合理哲学」の

日本でもニーズ・知名度急上昇中! ナチュラリスティック・ガーデンとは?

すてきな庭だと感じても、どんな植栽なのか、どんな考え方なのか、じつはよくわからない……。 そんなナチュラリスティック・ガーデンの「教科書」『PLANTING: A NEW PERSPECTIVE』の邦訳『ピート・アウドルフの庭づくり』が10月25日に発売になります。 翻訳を務めた永村裕子さんに、本著の内容や魅力をたっぷりお聞きしました。 ※NHKテキスト『趣味の園芸』11月号より一部抜粋・再編集したものです。 ナチュラリスティック・ガーデンを学ぶ、絶好の書──そもそもナチュ

こうした斬新な図鑑をつくれる日本人はいない!? 篠田謙一×桝太一対談(後編)

前回に引き続き、国立科学博物館長の篠田謙一さんと元テレビ局アナウンサーの桝太一さんのインタビューをお届けします。子どものころ読んだ図鑑のお話から、インフォグラフィック*を活用した『ブリタニカ ビジュアル大図鑑の』の見どころまで、たっぷり語ってくださいました。 (*情報やデータをイラストや図版で視覚的に表現したもの) ―――子どものころの図鑑体験 桝  篠田さんが子どものころ、どのような図鑑を読まれていたのか興味があります。 篠田 わたしの時代は、図鑑は一択で、まだ小学館

生成AIに淘汰される「漫然とホワイトカラー」の末路

深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余りが同時進行する日本。生成AIなどの技術革新により、ホワイトカラーの仕事が急速に取って代わられていく中、組織や個人が生き残るための具体策とは? 産業再生機構、日本共創プラットフォーム(JPiX)で数多くの企業の経営改革を手掛けた冨山和彦さんの新刊『ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか』を抜粋して公開します。 生成AIの破壊性と深まる苦悩 これから、怒涛の勢いで押し寄せる生成AIなどによる破壊的イノベーションが

人類共存の実現が、ある芸術家に託された時代があった!――20世紀初頭の世界を熱狂させた知られざる首都構想

科学、通信技術、芸術、スポーツなどあらゆる叡智をひとつの都市に集結させる――20世紀初頭、壮大な〈世界の首都〉構想が立てられた。目的は技術革新を通した世界平和。考案者は彫刻家とその義姉。計画は世界じゅうで熱狂的に支持されるが、構想から30年を経たのち夢と潰えた。だがその裏ではムッソリーニ、ヒトラーら独裁者たちが強い関心を示していた……。 ジャーナリスト、ジャン=バティスト・マレによる歴史ノンフィクション『人類の都――なぜ「理想都市」は歴史の闇に葬られたのか』(田中裕子訳、NH

「日本人=入浴好き」という国民性はどのように共有されてきたのか?

日本人らしさとして語られがちな「毎日風呂に入るのが当たり前」という意識。私たちが無意識に内面化しているこの感覚は、いったいどこからきたのか? 入浴をめぐる日本の歴史を丹念に紐解き、新しい日本近代史を示した新刊『風呂と愛国 「清潔な国民」はいかに生まれたか』の発売を記念し、本書の「まえがき」を公開します。  数年前、友人の子どもがまだ幼いときに、子どもが風呂に入らなくて困るという話を聞いたことがあった。それを聞いて思い出したが、私自身も幼い頃、母親や父親から毎日のように「早く

言葉の力を信じながら──92歳・五木寛之さんからのメッセージ

作家・五木寛之さんによる「人生のレシピ」は、誰もが百歳以上まで生きるかもしれない時代に、新しい生き方を見つけるための道案内となる累計17万部超えの人気シリーズです。 NHK「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈るシリーズの完結作となる第10弾は『百歳人生の愉しみ方』(2024年10月刊)。同時期に刊行となる『五木寛之×栗山英樹 「対話の力」』とともに、人生の後半を切り拓くヒントが満載です。 今回はシリーズ完結に際しての、五木さんからのスペシャルメッセージをお届けします。  〈人

ワクワクを見つける感性は子どものころに育まれるもの――篠田謙一×桝太一対談(前編)

日本で唯一の国立博物館の館長である篠田謙一さんと、元テレビ局アナウンサーで、2022年から研究者の道を歩み始めた桝太一さん。そんなおふたりに、インフォグラフィック*を活用した『ブリタニカ ビジュアル大図鑑』の刊行を記念して対談をしていただきました。研究者となるほど科学に親しんだ篠田さんと桝さんは、どのようなきっかけがあって科学の道を志したのでしょうか。 (*情報やデータをイラストや図版で視覚的に表現したもの) ―――科学への入口はイマジネーションの「外」 桝  きょうは篠

人間には“太るスイッチ”があった!? 斬新なアプローチで肥満のメカニズムに迫り、その予防と治療を考える一冊『肥満の科学――ヒトはなぜ太るのか』(NHK出版)発売!

 「肥満大国」とも呼ばれるアメリカ合衆国では、成人の1/3以上が肥満〔アメリカの基準ではBMI30以上〕に相当します。さまざまな慢性疾患の増加や高額な医療費にも影響して大きな社会問題になっているこのテーマに、かつてないアプローチで挑んだのが本書の著者、リチャード・J・ジョンソン医師です。著者の研究チームは、ある特性を持つ食べ物を摂取すると、人間の身体が脂肪を蓄えやすく、燃焼しにくくなる生物学的変化を起こすことを突き止め、その変化を「サバイバル・スイッチ」と呼ぶことにしました。

国政選挙・首長選挙から、旧ジャニーズ事務所性加害問題まで――「ネット世論」の実態とは

ネット上で多数派に見える意見や大きな広がりを見せた運動は、必ずしも実際の世論と相関しない。この乖離は、なぜ、どのように生まれるのか? X(旧Twitter)の膨大なデータに基づき、ネット世論の構造を徹底分析した谷原つかささんの新刊『「ネット世論」の社会学 データ分析が解き明かす「偏り」の正体』が好評発売中です。 この記事では、本書のハイライトに触れる「はじめに」の全文と、旧ジャニーズ事務所性加害問題に関する主要メディア、ソーシャルメディアの反応を分析した章を抜粋して公開します

あなたの街は大丈夫? 人口減少時代の再開発を問う

福岡、秋葉原、中野、福井など、現地の徹底取材から浮かび上がる再開発の光と影とは――。 2024年1月20日の放送が反響を呼んだNHKスペシャル「まちづくりの未来~人口減少時代の再開発は~」をはじめ、再開発の内実に切り込んだNHKの番組をもとにした新書『人口減少時代の再開発 「 沈む街」と「浮かぶ街」』が好評発売中です。 その再開発は、高層化ありきのスキームとなっていないか、資材や人件費の高騰による財政リスクにどう対処しているか、街の個性や住民目線を置き去りにしてはいないか、そ

人間はなぜ錯覚するのか? ビル・ゲイツが愛読する現代アメリカの“知の巨人”、バーツラフ・シュミルによる新感覚の教養書、『SIZE(サイズ)――世界の真実は「大きさ」でわかる』(NHK出版)発売!

ビル・ゲイツが「人々がスター・ウォーズの新作を待ち望むように、私は著者シュミルの新作を待つ」と言明する、現代の“知の巨人”バーツラフ・シュミル。『Numbers Don’t Lie――世界のリアルは「数字」でつかめ!』(NHK出版)では71のトピックについてデータやグラフに着目して世界を正しく理解する方法を説いた著者が、わたしたちの日々の暮らしを無意識のうちに規定する「サイズ」という観点からさまざまな現象を考える新感覚の教養書が本作『SIZE(サイズ)――世界の真実は「大きさ

謎に包まれた「和歌所」が明かす、中世日本の政治と文学とは?

和歌文学を専門とする小川剛生さんによるNHKブックス『「和歌所」の鎌倉時代 勅撰集はいかに編纂され、なぜ続いたか』が好評発売中です。勅撰和歌集の成立に深く関わるとされながらも全容の明らかになっていない「和歌所」という場に注目し、鎌倉時代以降の勅撰和歌集がいかに成立し、受容されたかを丹念に解き明かします。和歌が厳然たる権威を持つようになった鎌倉時代、「和歌所」に注目することで見えてくる、政治と文学の関りとは? 本書の刊行を記念し、「はじめに」を特別公開いたします。 はじめに 

悩んだときは『孫子』×『貞観政要』と『菜根譚』×『呻吟語』が役に立つ!

 中国古典研究の第一人者・湯浅邦弘さんによる『中国古典の生かし方 仕事と人生の質を高める60の名言』が好評発売中です。『孫子』×『貞観政要』と、『菜根譚』×『呻吟語』の名言・格言を、身近なたとえを用いてわかりやすく解説する、ユーモア抜群の中国古典ガイドです。  今回はその刊行を記念し、本書の一部を特別公開いたします。 はじめに 漢字・漢文には人類の英智が凝縮されている。そのことは分かっていても、いざ漢文を読もうとすると、ページをめくる手が止まってしまう。漢文教科書にあった難