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「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第2回  子どもたちとYouTube

 家族と一緒に大好きな鉄道をどうやって満喫するか、2児の母として日々の子育てをいかに楽しいものにするか——。そんな子どもたちとの時間の過ごし方を、のびのびと前向きにYouTubeの動画を通じて伝える姿が、とくに鉄道好きの子どもたちを持つお母さんたちから支持されている人気YouTuberの鈴川絢子さん
 当連載では、動画配信では伝えきれない子育ての工夫や想い、また、撮影のコツなどを大好きな鉄道の話を織り交ぜつつ、鈴川さんがつづっていきます。 ※連載第1回から読む方はこちらです。

 この4月から「ママYouTuber」として、子育てについてお届けしています、鈴川絢子です。日に日に暖かくなり、ベランダで空を眺めたり風を感じるだけでも気持ちいいですね。みなさま、お変わりないですか?

 お出かけがむずかしいので、ベランダを利用してピクニックや、暑かった日にはプールを出して水遊びをしてみました。太陽の下でお弁当を食べたり、シャボン玉をして遊んだり、ホースで虹をつくったり、いい気分転換になりました。

 さて、そんなおうち時間が長くなっている中、YouTubeなどで、動画を見る時間が増えたご家庭も多いのではないでしょうか。そこで今回は、配信者と視聴者、両方の立場から、5歳と2歳の息子たちとYouTubeとのかかわり方について、わが家のスタンスや決めごとなどをつづりたいと思います。お子さんとYouTubeを見るときの参考になればうれしいです。

 動画をご覧になっていただくとわかると思うのですが、わたしと夫は、部屋の生活感なども含めて、ありのままの様子を動画に映すことを大切にしてきました。そもそも、大好きな鉄道の魅力を配信していこうと、夫婦で始めたYoutube。そんな中で子どもを授かり、生活は子ども中心になりました。撮影のためにどこかへ行くとなれば、基本的に家族みんな一緒です。そこで、子どもだけを映さないのは、わたしたちにとっては不自然なことでした。でも、子どもをYouTubeに登場させることには、いろいろな意見や考えがあると感じています。

配信は、無理せず楽しく

 生活の中で、日頃からカメラを回しているわが家は、特別な環境だとは思っています。旅行や季節の行事、大きな公園や博物館に行ったりする特別な日と同じように、日常的に動画を撮っているので、何でもない子どもたちの様子も残っています。意外と普段の様子は残していないご家庭のほうが多いのではないでしょうか。

 さらに、みなさんと違うのは、その動画をYouTubeにアップしていること。そして、アップした日は最新動画を1回、テレビに映して、家族で一緒に観ています。子どもたちは、どんなふうに編集しているかを知らないので、この時間はある意味お披露目です。そのあとは関連動画から前の動画に飛んでみたり、ほかの動画を見ながら話したり、家族で盛り上がる楽しいひとときです。

 動画配信を通じて、子どもたちにいろいろな経験をさせられたらと考えています。わたしも子どものとき、親にたくさん旅行に連れて行ってもらい、いろんなことを経験させてもらったことを、本当に感謝しているので。子どもたちにも、いつか「よかった」と思ってもらえたらうれしいです。

 けれど、今後もずっと、このスタイルで生活していくとは限りません。だから、子どもたちがこれからどんな道を選んでもスムーズに進んでいけるように、道筋は、今のうちから立てているつもりです。

 夫もわたしと同じように考えているのですが、もっと先のことも想像しているみたいです。たとえば将来、「あなたの動画を見て育ってきた」とか「今ではあなたの動画を自分の子どもに見せている」といったことを、子どもたちが周囲から言われるかもしれないと。そして、自分の存在や行いが、誰かに喜ばれるうれしさをいつか感じてくれたらと、考えているそうです。一方で夫は、ある時期には、それが嫌になるかもしれないと、心配もしていて。わたしもそれは考えます。でもそのときは、わたしたち両親が動画に込めた想いを、子どもたちに伝えたいですね。

 もちろん、子どもを動画に出すからには、わたしたち両親がしっかり守らないといけないとも考えています。基本的には自宅や利用駅などが動画から判断されないように、できることはすべしているつもりです。あとは、本人が映ることを「嫌だな」と思うようになったら、すぐにやめます。子どもに無理はさせないと、夫婦で決めています。

YouTubeの視聴で大切なこと

 守るといえば、子どもがYouTubeを視聴するときの、動画内容や視聴時間にも気をつけています。わが家では、夫も自宅で仕事をしているので、どちらか手の空いているほうが子どもたちと過ごせば、じつはYouTubeをいたずらに見せる必要がない状況です。

 ただ、移動中など、どうしても静かにしていてほしくてYouTubeに頼ることもあります。そのときに活用しているのが『YouTubeキッズ』という子ども向けアプリです。審査が厳しいので、有害な動画は一切出ません。視聴時間も決められて、設定した時間で再生できなくなります。再生が切れたら切れたで、子どもも諦めるので、おススメです。みなさんのご家庭でも、どうしてもしなければならない家事や用事の間、お子さんだけで動画を見ているという場合がありますよね。そのときに「無限に見せてしまう」というお悩みを耳にすることもあるのですが、『YouTubeキッズ』は便利ですよ。よろしければ活用してみてください。

 また「鈴川さんのチャンネルを見せています」という、うれしい声をいただくこともあります。YouTubeは、みなさんが子どもに見せてもいいと思うチャンネルを限定して、活用するのがいいのではと思っています。そこで、わたしの動画がお役に立てているのであれば、本当にありがたいことです。

 でも、だからこそ、配信する側としては、たとえばホームでのベビーカーの扱い方など、それを見た視聴者の方が「鈴川さんもしているから大丈夫」と思ってしまわないように、映る内容の安全性には十分心がけています。撮影するときに意識することはもちろん、編集段階でもこまかくチェックします。踏切の撮影では、必ず安全な場所から撮って、さらに、注意書きの字幕を出すこともあります。YouTubeは、いろいろな方の目に触れるものなので、これからも安全性は注意していきたいです。

おとなしかった長男の成長

 こうした環境の中で、子どもたちは実際、どう成長してきているのか。とくに、いま年長さんの長男・ひたちのことを、すこし書いてみたいと思います。

 ひたちはとてもおとなしい子で、出かけても電車の中で大泣きするとか、ぐずってしまうとか、そういったことがほとんどない子どもでした。1~2歳のころはすごく人見知りで、ずっとわたしの後ろに隠れていました。

 そんなひたちのリクエストで、北海道の夕張に行ったことがありました。3歳のころです。2歳の冬に、当時、廃止予定と噂があった「夕張支線」に家族で乗りにいきました。ひたちは、そのときの動画が気に入ったようで、何度も繰り返し観ていました。そしてあるとき「また行きたい!」と熱心に言うので、思わずこちらが張り切って(笑)、同じ年の夏に、また夕張に行きました。おとなしかった子が意思表示をしてくれて、それがうれしくて。その場でひたちは「あ、これが動画の……」みたいな感じで、子どもなりに何か感じていたようです。そういう姿を見ると、連れて行ってよかったと思いますね。

 自分が行ったところがどういうところなのか、理解を深めてくれたらと、子ども向けの鉄道雑誌を毎月購入しています。そのせいか、ひたちは地図も大好きになりました。お風呂場にも日本地図と世界地図を貼って、「どこ行きたい?」とか「ここはこうだったよね」とか、話しながらお風呂に入っています。今では、地形や川にも興味をもつようになりました。

 また、成長とともに、自分で考えて伝える力もついているなと感じます。「プラレール」という鉄道のおもちゃで遊んだ方はわかると思うのですが、たくさんのレールをレイアウトするのは、大人でも時間がかかるし大変です。わたしの動画に「ぜんぶだしてみた」というテーマで、年に何回かすべての「プラレール」を出して、レイアウトしているシリーズがあります。すごい数のレールや駅舎などを、リビングを目いっぱい使って組み立てるので、いろいろ考えながら組んでいかなければなりません。はじめは夫と2人で組み立てていたのですが、今では、ひたちがこだわってレイアウトしているところもあり、結構複雑なものも、自分からサッサ、サッサと組み立ててくれます。

 もともと自分でめちゃくちゃなレイアウトを組んで遊んではいましたが、3歳くらいから、たとえば西武鉄道の「プラレール」で遊んでいるときは、「じゃ、西武線っぽいやつにしようよ」と言って、西武線沿線の景色にあるような山を置いたり(笑)。西武線の動画の記憶が残っているからなのかもしれませんが、子どもは大人が思っている以上に、車窓からの景色など世界をしっかり見ているんだなあと思った出来事です。「プラレール」を購入したら、なるべく本物を見せたい、乗せたいと思い、買うたびに現地へ連れて行っています。その経験が、おもちゃでの遊び方にも影響してくるものなんだと、うれしい発見でした。

 「プラレール」以外にも、わが家にはおもちゃがたくさんあって、これは楽しいと思ったものを子どもたちと遊んだり、組み立てたりしながら紹介しています。今では未開封の新しいおもちゃがあると、ひたちが「どうやって撮るの?」「これ、もう撮ったほうがいいんじゃない?」と聞いてきます。次男のときわをメインに紹介しようと思っていたおもちゃも「ぼくのほうがうまく遊べるよ」とアピールしたりして。実際にひたちが1人で紹介するときもあるので、動画にしないつもりで買ったものも、撮るまで開けないことも(笑)。「撮影するまで(弟に)開けられないように隠しておこう」って、管理(?)してくれたりもします。

 こうして振り返ると、鉄道旅や「プラレール」など、わたしたち夫婦が大好きで動画配信のメインにしたものから、すこしずつ、気がつかないうちに、成長のきっかけをきちんとつかんでくれていて、うれしくなります。

 ひたちにも、ときわにも、それぞれ大好きなことが見つかればいいなと思っています。そのための環境を、これからもつくってあげたいです。

おススメの機材

 さて、最後に、子どもをもっと上手に撮影したい、または、動画配信をはじめてみたいと思っているみなさんに、わが家で使用している機材を一部ご紹介します。

 わたしたちが動画配信をはじめるときに決めたのは、とにかく画質と音質は一定以上のレベルにしようということでした。そうしないと、自分たちで見返すときも見づらくなります。

 たとえば、おうちの中での撮影では、とくに光が大切です。わが家では、撮影のときはカーテンを締めているので、そのせいもあるのですが、結構大きなLED照明を2台、スタンドで立てて使っています。カーテンを開けていても、日中の窓からの自然光や天井の蛍光灯だけでは、動画をきれいに見せる明るさにするのはむずかしい場合があります。

 また、子どもを撮影する場合は、動きが予測不能なので、どんなカメラで撮影するかで見やすさなどが変わってきます。わが家で今使っているメインのカメラは、パナソニックの「GH5」です。高画質なのはもちろん、ミラーレスの軽量で、荷物や移動が多い中でも、取り回しが抜群にいいです。ほかのメーカーのものも使いましたが、パナソニックはムービーが滑らかなので、お値段はある程度しますが、おススメです。

 もう一つは、DJIというメーカーの「オズモポケット」です。とても小型のカメラで、レンズが先端についたアームがクレーンみたいに動いて自撮りもしやすく、とにかく手ブレしにくいんです。お値段も、クオリティを考えると、比較的お手ごろかなと思います。

 最近は、スマホでも機種によっては4Kなどで撮れますよね。ただ、画質に問題はなくても、気になるのは音です。
 「GH5」も「オズモポケット」も、ワイヤレスマイクがつけられます。会話も鮮明に残しておきたい方は、そのマイクをご家族にもつけると音もきれいになりますよ。

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 ここで、おススメ機材を並べてみました! 右側にあるのがLED照明です。大きいですね(笑)。手に持っているのが「オズモポケット」、テーブルのカメラが「GH5」です。左側にあるのは、2つのメーカーのワイヤレスマイクのセットです。大きいほうはSONYのもので、「GH5」の上部に装着しているものがレシーバー、テーブルに置いてあるものは、有線マイクのついたトランスミッター(送信機)になります。小さいほうはRODEのワイヤレスです。写真手前の赤いコードが装着されているものがレシーバーで、奥のものがトランスミッター(マイク内臓)になります。

 また、「オズモポケット」に関しては、専用の小さなアダプターをつけると、そこに小型の有線マイクを接続できて、雑音が減り、声がクリアに聞こえるので、わが家ではそれを利用しています。もちろん、そこまでは……という方は、どちらのカメラもそのままで十分な音質です。

 いかがでしょうか。みなさんがご家族を撮影するときの参考になれば、うれしいです。

 さてさて、今回も少し長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。次回は、「おうち時間」というテーマで、いまわが家で流行っているものや、おもちゃの片付け方などについて、お話できたらと思います。家族とおうちでのひと時を、すこしでも快適に楽しくできたらいいですよね。

次回(7月13日公開予定)へ続く

構成協力/ニイミユカ

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プロフィール

鈴川絢子(すずかわ・あやこ)
1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。

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