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「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第3回  「おうち時間」と家族の成長

 2児の母として、日々をいかに楽しむか。大好きな鉄道や、家族の何気ない生活の様子などを通して、飾らない言葉で伝える姿が、とくに鉄道好きの子どもがいるお母さんたちから支持されている、人気YouTuberの鈴川絢子さん
 当連載では、動画配信では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに、鈴川さんがつづっています。
 連載第3回となる今回は「『おうち時間』と家族の成長」がテーマ。連載予定にはなかった特別編です。
 新型コロナウィルスの流行により、誰もが自粛を余儀なくされ、外出を控えるようになりました。そんな状況の中、鈴川さんは、母として、YouTuberとして、家族とどのような日々を過ごし、なにを思っているのでしょうか。当時の生活を振り返りつつ、今回はインタビュー形式でお届けします。 ※連載第1回から読む方はこちらです。

この春を振り返る

――まず、「自粛してください」「幼稚園も休園です」となったときの、最初の気持ちから聞かせてください。

鈴川 長男のひたちの幼稚園は、3月のあたまから休みになりました。そのころは、ここまで長期化するとは思わず、「いつになったら大丈夫になるのかな?」くらいに考えていました。でも、本人が「やった! ぼく、家にいるよ。」と、ちょっと喜んでいて(笑)。ふだん、幼稚園は幼稚園で楽しいけれど「(次男の)ときわは家にいて、ぼくだけ幼稚園?」みたいな思いももしかしたらあったのかもしれません。そういう子どもの様子を見て、私たち親も「おうちで楽しもう」と気持ちを切り替えました。

 当初から、感染への心配は、つねにありました。でも、見えない先のことばかり心配して、毎日不安で過ごすよりも、自分たちでできる限りの対策はして、そのなかで、家族との時間を楽しめたらと思っていました。

 仕事に関しては、とくに3月は、鉄道のダイヤ改正の時期で、鉄道のスケジュールの中で、1年でいちばん大事な時期でもありました。家の中でできなくもないけど、やはり外での活動をメインにしていたので、それができないのは、痛手ではありました。

――お仕事に関しての不安は、ご夫婦でどう話し合われましたか?

鈴川 YouTubeで配信する内容に関しては、夫婦で改めて考え直しました。いま、この状況を乗り越えるために、なにを配信すればいいのか。逆に、なにをいまは控えたほうがいいのか。そういったことをよく話し合っていました。

――自粛が続く中で、ほかに出てきた悩みはありましたか?

鈴川 やはり子どもたちの生活リズムですね。ひたちは、いつもなら幼稚園に行って、そのあと習い事に行って、ごはんやお風呂をすませて、21時くらいには疲れて寝てしまうという感じだったのが、ずっと家にいるとあまり疲れることがなくなって。幼稚園が休園になった直後の1~2週間は、生活リズムを守れていたんですが、3月の中ごろには、夜がちょっと遅かったり、朝も遅かったりっていうことがほとんどで。夜も、23時近くまで「眠くない」と起きてしまっていたり……。4月に入ってからは、これまでの生活になるべく戻そうということで、家族みんなで工夫しました。

――たとえば、どんなことをしましたか?

鈴川 やっぱり疲れさせないとだめだと思って(笑)。気持ちのいい日は、子どもたちをベランダで遊ばせるように心がけていましたね。外出自粛が解除される前の4月は、ベランダ遊びが、一日の唯一の外遊びだったんです。最初の1~2カ月くらいは公園にも行けなかったし、外の空気にはあたったほうがいいなと思っていたので。毎日なにかしらかで遊ばせていました。

 私も運動不足で寝つきが悪くなっていたので、自分は縄跳びを始めました。高校の卓球部のときに、毎日、練習終わりに連続1000回できないと帰れないという経験があって。縄跳びなら場所も取らずに1人でできるし、4月の中旬くらいに通販で買って始めました。1週間に4日くらいですかね。さいわいうちは1階で、ベランダも広めなので、子どもたちがベランダで遊んでいるときに、私もその端でやっていました。夕方、子どもと夫が一緒にお風呂に入っている間や、テレビを見ていたりする隙間時間にも、「いまだ!」と思ってしていました。おかげさまで、寝つきはよくなった気がします(笑)。

――5月に入り、地域ごとに屋外公園などの利用が徐々に再開されましたが、過ごし方に変化はありましたか。

鈴川 私の住んでいる地域では、5月中ごろから少しずつ外出自粛が解除されて、朝と夕方に近くの公園まで、子どもたちと行くようになりました。

 ある日、ひたちの幼稚園の虫好きのお友だちも来ていて、虫探しのコツを教えてもらって。その後は、虫取り網を買って、ほとんど毎日、虫探しでした。とくに虫を連れて帰るとかはなく、網を持って走っていただけなんですが(笑)、それが楽しかったみたいで。公園で虫に夢中になり、エネルギーを発散して、子どもも親も21時くらいに自然と眠くなるようになりました。

 混雑を避けるため、朝は早めの8時〜10時くらいまでの間、夕方も、ほかの子どもたちはどんどん帰って行く17時ころから公園に行っていました。朝と夕方では、公園にいる虫たちの種類にも違いがあるので、子どもたちも楽しそうでした。この生活は、これからも続けようかなと思っています。

――お子さんたちは、そもそも虫が好きだったのでしょうか?

鈴川 ひたちは、あんまり興味を持っていなくて、触ったりもできませんでした。でも、さきほどのお友だちにカブトムシのつがいをもらって育てだしてから、興味が出てきたようです。

――混雑を避けること以外で、公園遊びで、ほかに心がけていたことはありますか。

鈴川 携帯用の除菌スプレーと、アルコールのウェットティッシュはつねに持ち歩いていました。いまも携帯しています。遊具ではあまり遊ばないんですが、遊んだときは、こまめに水道で手を洗って、除菌。家に帰ってからは、玄関で全員が服を脱いで、そのままシャワーを浴びていました。

――夕方17時に公園に行って、1時間くらい虫探しして帰ってきたら、お風呂の時間。理にかなっていますね!

鈴川 そうなんです。ちょうどいいタイミングで。

――そうしてリズムが少しずつ、できていったんですね。ほかに、リズムをつくるためにしたことはありますか?

鈴川 朝のルーティーンとして、いつも見ていた番組は、そのまま見せるようにしていました。楽しみの1つなので、それがあると、2人とも、絶対に起きますし。ひたちは、これまで2年ぐらいずっと、毎朝Eテレの番組を見ながら幼稚園の準備をしたり、ごはんを食べたり、そのリズムでやってきていたので、なるべくその日常感を残したくて。『おかあさんといっしょ』くらいで登園の時間なので、いつもと同じように、そこでテレビはおしまいにしていました。もちろんときわもです。そこから外に行ったり、ベランダ遊びを始めたりしていました。

――ベランダでは、おもになにをして楽しんでいましたか?

鈴川 ラジコンカーやシャボン玉、コンパクトな折りたたみすべり台を出して遊んだりもしました。でも、2人とも大好きなのは、おままごとですね。ベランダでは、おうちの中とはまた違った感じで楽しめるみたいで、ベランダの草を摘んで料理するまねをしてみたり、ちょっとキャンプ感を出したり、いろいろ子どもたちなりに工夫して楽しんでいました。

子どもたちの変化

――ひたち君は虫に触れるようになったり、さらに育てたりと、成長が見られますね。

鈴川 そうですね。興味の幅も広がっているように感じます。去年、お仕事で青森県の昆虫館に行かせていただいたんですが、そのときは服にカブトムシをつけるのが精一杯。いまでは、オスが「カブトン」、メスが「フローレンス」と、名前までつけて(笑)。手のひらにエサのバナナも一緒にのせて観察したり、絵を描いて虫たちに見せたり。エサやりや掃除も、積極的にやってくれます。

――カブトンとフローレンスがきて、起こった変化はありますか?

鈴川 ひたちに関しては、お世話をしているからか、すこし親目線みたいな感じが出てきました。見守る対象が初めてできたからなのかな。ときわも、カブトンたちがきてからは、虫に興味をもつようになって。一緒に虫探しに行くときは、アリをいつまでも手のひらにのせたりしています(笑)。二人とも、けっこうたくましくなった感じはありますね。 

――ときわくんも、お兄ちゃんと同じものに興味をもっているんですね。自粛生活で兄弟ゲンカが増えたご家庭もあるようですが、鈴川家の兄弟はどうでしたか?

鈴川 おもちゃの取り合いなんかで揉めることはありますが、いつも以上にというのはなかったです。うちはもともと、家族全員、家にいる時間が長いので、兄弟のバランスがそんなに崩れることがなかったからかもしれません。

 2人は年が3つ離れているんですが、一緒に、ちゃんと遊べていますね。前は、ひたちが「ときわがなんで怒ってるのかわかんない」とか「なにを言ってるの?」って、たまに私に聞いてくることがあったんです。でも、この数カ月でときわの言葉が増えて、意志疎通がとりやすくなったからか、ときわがひたちの子分みたいな感じで、ついて回っている姿をよく見るようになりました。

――むしろ、兄弟の仲が深まった。

鈴川 そうですね。ひたちが優しくて、面倒見がいい子だと思うので。ちゃんと兄弟間でコミュニケーションをとれるようになったのが、タイミング的にも、ずっと一緒にいられるいまだったので、よかったのかな。

 ときどき、ひたちがときわに、絵本を読んであげるんです。「なにこれ?」って、ときわが質問をして、ひたちが教えてあげることも。2人でおしゃべりしながら、なんとなく、一応1冊通して、ちゃんと読み聞かせができるようになりました。

――ときわくんが、お兄ちゃんと一緒に過ごすことで、言葉以外にも成長が見られた部分はありますか?

鈴川 身体面でも、あるかもしれません。ひたちがやっていることを、とにかくまねしたがるので。最近では、前転、ブリッジ、ボール投げ、スキップなどもまねして。まだ完璧ではないにしても、なんとなくできるようになりつつあります。下の子は、いつの間にか、上の子と同じようなことをやれるようになっているんですね。

 年が近いというのもあるのかな。私と遊ぶときも楽しそうではあるんですが、ひたちと遊ぶときは、また私とは違った楽しさを感じているように思います。兄弟だからこその、よさなんでしょうか。

家族で楽しんだこと、取り組んだこと

――テレワークのお父さんが増えて、お父さんが家族と過ごす時間が増えたご家庭も多いと思います。そもそも鈴川家は、お父さんが自宅で仕事をされていますよね。

鈴川 はい、そういう意味ではあまりこれまでと変わらなかったのですが、外出自粛期間は外に出られず、動画を撮ることがかなり少なくなったので、夫の仕事である編集作業も減って、夫の自由時間が増えました。私が1人でスーパーへ買い出しに行っているときには、子どもたちと3人で、プラレールの大きなレイアウトを作っていましたね。ふだんは、私が子どもたちと遊んで、それを夫が撮影・編集するので、夫が子どもたちと集中して遊ぶことは意外と少ないんです。ですので、夫が子どもたちと一緒に遊んだり、なにかを制作したりっていう機会が、わが家の場合、圧倒的に増えたと思います。

 公園にも行けなかった時期には、散歩といった何気ない家族の時間も増えましたね。4人で散歩に行くと、子どもたちも喜ぶし、私たちも運動になるので、夕方に、ちょっと近くの線路沿いまで。だいたい30分とか1時間とか、プラ~っと歩いて。

 それから、平日の夜に家族で楽しむことも増えました。夜ごはんにお寿司パーティーをした日は、けっこう盛り上がりましたね。平日の夜に、ゆっくりごはんを食べるっていうことは、それまであまりなかったので。

――お父さんが一緒にいる時間が増えて、子どもたちはどんな様子でしたか?

鈴川 やっぱり、より体力勝負の遊びが増えました(笑)。子どもたちを追いかけ回して遊んでいましたね。体力的な部分以外でも、私は、子どもたちができないことやわからないことで「ママ、ママ」と頼られると、サポートしちゃうことが多いんです。夫は「やってみなよ」と見守る感じなので、子どもたちがワイルドになるというか(笑)。チャレンジ精神はついたかな。

――お父さんとは、ほかになにをして遊んでいましたか?

鈴川 ミニバスケットのゴールを4月に祖母から買ってもらってからは、ベランダ遊びができない雨の日でも、家の中で体を動かしていますね。とくに4月はずっと家で、外に行けなかったので、ひたすらフリースロー対決をしていました。ゴールは小さいですが、おとなもけっこう楽しめます。

ミニバスケットゴール写真L

――鈴川さんのYouTubeは、家族の記録でもあります。この期間中、家族で視聴することはありましたか?

鈴川 はい。ちょうど去年のいまごろに行っていたシンガポール旅行の動画だったり、さきほどお話しした青森の昆虫館だったり。「去年、こういうとこ行ってたよね」とか「また海外行きたいね」とか話をして、家族みんなで思いをはせながら、見ていました。

――みんなでお出かけ、したいですよね。

鈴川 そうですね。ある程度安心してお出かけできるようになったら、大阪の夫の実家へおじいちゃんおばあちゃんに会いに行きたいねって。もうずっと、子どもたちと話しているので。

――楽しい遊びの一方で、学びの面はどうされましたか? ひたちくんは、幼稚園の年長さんですが、いま、ワークシートなど学習プリントを取り入れる園も多いですよね。

鈴川 自粛期間中、遊びなり学びなり、毎日なにか一つ、新しいことやいつもと違うことを、子どもたちに経験させたいと心がけていたんです。そういう意味では、ひたちの場合は、幼稚園や習い事からのワークや楽しい課題がたくさんあって、毎日なにかしらかやることがあったのはよかったですね。

 もともと毎日、家庭学習はやっているんですが、それをこういう状況でも途切れさせないというのも、大切なことの1つだなと思っていて。プリント類とか課題とかが途切れなく出たことは、すごくありがたかったです。

――ワークを始めるときは、鈴川さんから声をかけるんですか?

鈴川 いえ、ひたちは自分から、時間になったら「そろそろやったほうがいいんじゃない」って(笑)。やらないと次にやりたいことができない、みたいな。ひたちがやると、ときわも一緒にするので、やはり兄弟の存在はありがたいです。

時間が生まれて“好き”が増えた

――鈴川さんご自身に変化はありましたか。

鈴川 料理に興味が湧いて、初めて料理を楽しいと思えました(笑)。

 実は、これまであまり料理は得意ではなくて。必要に迫られて作っていた感じで……。家事や仕事、自分や子どもたちの習い事や園の送り迎え、スーパーに買い物。日々けっこうバタバタしているなかで、なんかとりあえずもう、作って出す、みたいな。

 外出自粛期間中は毎日、3食作らないといけない状況ではあったんですが、時間にも気持ちにもずいぶんと余裕ができたので、いろいろレシピサイトを見て、初めての料理に挑戦したり、いつも以上に子どもたちにもお手伝いしてもらったり。そうしていくなかで、ちょっと楽しいなって。

――ある日のメニューを見せていただくと、品数も多いし、味のバリエーションもある。すごいなと思いました。

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鈴川 いえいえ、そんな。これはとくにがんばった日のメニューなんです。料理をがんばった記録として、見ていただきたくて(笑)。ふだんは、冷蔵庫で2~3日は作り置けるものを、作ることが多いです。

――作り置きはどういうタイミングで作りますか?

鈴川 夜、眠れないときに思い立って作ったり、日中、子どもたちがテレビや映画を見ていたり、プラレールで熱心に遊んでいるときなどですね。「あ、ちょっと作っておこう」というのが多いです。

 よく作るのは、糸こんにゃくのきんぴら。人参とベーコンが入っているんですが、子どもたちも大好きで。あと、鶏そぼろですね。朝に、ダラダラしたい日とか、そんなに手の込んだものはつくれないなというときは、作り置いた鶏そぼろをごはんにのせて、簡単に。あとは、ラタトゥイユです。野菜もいろんなものが、旬を問わずスーパーで売っているので作りやすいですね。

――お子さんたちの、好き嫌いや、苦手なものはどうするのでしょう。

鈴川 ひたちは、酸っぱいものが苦手ではあるんですが、幼稚園の給食はいつも完食しているようです。完食という目標を本人の中で立てているみたいで。だから、苦手なおかずも子どもたち用の小さい鉢に分けて、食卓に必ず並べます。

――レシピで、参考にしているものを教えてください。

鈴川 レシピサイトを見ることが多いのですが、料理系マンガや、食べ物を美味しそうに撮っている映画が好きで、そういった作品に出てくる料理を参考にすることもあります。

 マンガなら『きのう何食べた?』ですね。馴染みのある家庭料理が出てきて、スーパーで特売になりやすい食材を使っていたり、そんなに意気込んで作らなくてもいいメニューだったり。それがとても美味しそうで。栄養的にもレシピ的にも、いいバランスだなあと思うので、気に入っています。

 よく作るのは、4巻に載っていた、「鮭と卵ときゅうりのおすし」です。すごく簡単なのに華やかさもあって。野菜も摂れるし、そんなにコストもかからない。なにより、子どもたちがとにかく好きで。ほかのお寿司はまだ苦手みたいなんですが、これならよく食べるんですよね。お祝い事のメニューとしても作ります。ほかにも、昔ながらの家庭料理や、天ぷらのコツがさらっと描かれていて、改めて参考になります。

 また、フードスタイリストの飯島奈美さんも好きです。『かもめ食堂』とか『南極料理人』とか、私の好きな映画の多くで料理を監修されている方です。その映画に出てくるものを、意気込んで作ることもあります。

 一番がんばったのは、『かもめ食堂』に出てくるシナモンロールです。フィンランドが舞台の映画なんですけど、劇中に出てくる現地の食堂にも行ったことがあるくらい好き。作ったシナモンロールは、子どもたちのおやつにしました。シナモンってクセがあるし、子どもにはどうかなとも思ったんですが、意外と2人とも好みだったみたい。すごくよく食べてくれるので、2~3週間に1度ぐらい作れたらいいかな。

――レシピサイトはどんなものを使っていますか?

鈴川 スーパーでの買い物中に活用しているのは、食材名の検索やおすすめレシピを教えてくれる『白ごはん.com』。明日どうしようかなと考えるときは、『Tastemade』や『cookpad』などです。いろいろ見ながら、なんとなく献立を決めています。

 あとは、ずっと気になっていた水なし自動調理鍋の「ホットクック」(SHARP)を購入したことで、料理の幅が広がりましたね。ビーフストロガノフを初めて作ったんですけど、お肉が柔らかくて、子どもたちにも好評でした。本来は、時短に便利な調理器具だと思うんですけど、私の場合は、そんなに料理が好きじゃなかったので、ちゃんと使いこなせるのかなって、買うのがもったいない気がしていて。でも、このタイミングで、せっかくだからやってみようと買ったら、すごく便利でした!これまで頑なに鍋で煮ていたものが、あっという間にできて、焦がす失敗もない。もっと早くに買えばよかった〜と思いました。

 これまで、たまに新しいメニューにチャレンジすることもあったんです。でもやっぱり、子どもたちが好きな定番メニューをローテーションすることが多くて。それがいまでは、毎日のように新しいメニューを検索したり、作ったり。でもこれが、どうだろう、続くかしら。ははは(笑)。

――便利なところは活用して、その分できた時間で、お子さんと一緒に料理したりできるわけですね。

鈴川 そうですね。YouTubeで動画配信した、たこ焼きやホットケーキもそうですけど、一緒に作れるメニューを考えるようになったのは、この生活が始まってからです。いままでは一緒に作ることはほとんどなかったんですけど、料理が子どもたちの楽しみの1つになっているみたいなので。

 自分で作って、それが美味しいっていうのが、子どもとしてはうれしいみたいです。日中、ちょっと空気がダラダラしてきたなって感じたら、おやつ作ろうって呼びかけて、一緒に作って食べます。

 作るのは、簡単なものですよ。たとえば、お湯で溶いて冷蔵庫で固めるだけでゼリーができる「ゼリエース」は、おやつの定番です。ホットケーキミックスや小麦粉が手に入らない時期に、売り場で見かけて。子どもたちは、もともとゼリーが好きだったので、いろいろフルーツを入れて工夫したりして。ほかには、じゃがいもをスライスしてレンジでポテトチップスを作ったり、さつまいもをふかして、生クリームを混ぜて、スイートポテトを作ったり。クッキーも1度、作りましたね。

鈴川 一緒に作ることもそうですけど、ふだんの食事にいつもより手間をかけて、より楽しく食べる工夫について考えるようになったかもしれません。アイデアは、SNSで見かけたものを参考にすることもあります。気になっていたのは、おうちの中でのいちご狩りです! 部屋の中にタコ糸を引いて、それにいちごの葉の部分を洗濯バサミでつまんでつけるんですけど。いちごの時期が過ぎてしまったので、たとえばベランダの物干し竿でブドウ狩りとか、子どもたちが外出が少なくても楽しめるよう、いろいろ考えています。

――準備はたいへんそうですが、おうちで小旅行気分が味わえそうですね。子どもたちのお手伝いはいかがですか。

鈴川 お手伝いというと楽になるようなイメージがあったんですけど、実際にちゃんとしてもらおうと思ったら、いろいろ教えたり、安全に注意を払ったり、気をつけながら行うことで時間がよりかかったりして、かえって大変でした(笑)。ひたちには、いままでも簡単なことはやってはもらっていたんですが、平日に本格的なお手伝いはなかなかできなくて。いまは、準備にも調理にもかなり時間をとれるので、お手伝いしてもらうことが増えましたね。

 ひたちはフルーツが好きなので、包丁でメロンを一緒に切ってもらったり、一緒にフライパンでハンバーグをひっくり返したり、お味噌汁の味噌を溶いてもらったりも。

 これやってねと頼むより、「今日はハンバーグだよ」と伝えると、「ぼくが混ぜて、丸にするから」と、自ら言ってくれるんです。料理への意欲は私よりあるし、私よりも向いてるんじゃないかなと思います(笑)。

――伺っていくと、お子さんたちに食の面でもいろんな体験をさせようと考えられているように感じます。

鈴川 そうですね。食べる時間とか経験とかも含め、口にする味も、いろいろ体験させたいと思っています。味でいえば、なるべく、甘い、しょっぱい、酸っぱいなど、苦手なもの含め、満遍なく取り入れるようにしていますね。

 ほかに気をつけていることは、お味噌汁は、できるだけ毎日、できれば朝晩、食卓に並べるようにしています。発酵食品で身体にもいいと、通っている幼児教室でもすすめられたので。また、マーガリンなど加工食品や添加物など、避けられるものは避けてはいますが、子どもの好きなパンにも入っていたりするので、好きなものは我慢させないで食べさせるようにしています。でも、私がつくる料理では、なるべくカットする。私も子どもたちも、がんばりすぎると続かないので。

 料理に興味が湧いたことが大きいですが、前より、食べる時間は豊かになったかもしれません。

制限があるからこそ広がった世界

――ご家族との時間を、前向きに、その時の状況に応じて工夫したり楽しまれたりしている印象です。いま、改めてよかったと思える出来事は、この期間中にありましたか。

鈴川 やっぱり家族全員で、一緒に過ごせるっていうのは、お互いのことをいろいろ見つめ直せるというか、子どもたちが、いま興味を持っていることだったり、チャレンジしていることだったり、もうちょっとがんばろうかっていうことだったりを、改めて確認できました。そういう点では、一日中ずっと一緒にいる時間が、このくらいの年齢のときにあることは、なかなかないと思うので、よかったですね。

 その一方で、子どもたちとずっと一緒にいることは、やっぱり大変だと思うこともありました。これまでは、1人で出向くお仕事が、ある意味リフレッシュになっていた部分ももちろんあったのですが、自粛期間中、1人での外出は、近所のスーパーへの買い出しくらいだったので。でも、その時間があったので、気分転換できたのかな。あとは、夜のお風呂もそれまでと同じく、1人でのんびり入っていましたね。そういった「1人時間」が以前からリフレッシュタイムでしたけど、今回のことを機に、より貴重で大切になりました。

――お仕事では、YouTubeでの動画配信で、具体的に変わったことや、してみたことはありますか。

鈴川 まず家族で、家の中でできることを配信する、というふうに切り替えました。外に出られない、旅動画も出せない。こういう状況になって、一番に思いついたのがYouTubeライブという生配信です。この4月に、数年ぶりに生配信をやりました。

 いま、YouTubeの規制で、子どもが出ている動画や子どもに向けた動画は、コメント欄をオープンにできないので、私の通常の動画は、ほとんどコメント欄が閉じられています。でも、YouTubeライブで子どもを出さなければオープンにできたので、久しぶりに視聴者の方と、直にやりとりができて、すごくよかったです。

「この自粛期間があけたら、どこ行こう」という話題が出たときに、みなさんに「どこ行ったらいいですか?」「おすすめありますか?」と聞いたら、レスポンスがとにかく早くて。いろいろアドバイスをしてくださるのも嬉しかったです。やっぱり生配信はいいな、このリアルタイムな感じが好きでやっていたんだなって、改めて思いました。

――ライブは、鈴川さんがより身近に感じられるような印象でした。また開催していただきたいです。

鈴川 ライブは、配信中は長い時間1人でいないといけないので、出産後はあまり時間がとれなかったんです。でもいま、またやりたいなと思っています。とくに、日中の時間帯に、私の動画を、ふだん視聴してくれているお母さんたちと、育児のあれこれをやり取りできたら嬉しいですね。みなさんに明るく楽しい気持ちになってもらえたらと思っています。

――次回の連載も、楽しみにしています。

鈴川 はい、ありがとうございました。また、お楽しみいただけるものをお届けできるように、これからもがんばります!

次回(8月中旬公開予定)へ続く

構成協力/ニイミユカ

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プロフィール
鈴川絢子(すずかわ・あやこ)

1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。
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NHK出版の書籍編集部が、多彩な執筆陣による連載小説・エッセイ、教養・ノンフィクション読み物や、朝ドラ・大河ドラマの出演者や著者インタビューなどをお届けします。新刊情報も随時更新。ときどき編集部裏話も!

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