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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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2023年2月の記事一覧

『すごい科学で守ります!』のここがすごい! 峰守ひろかず(小説家)

『すごい科学で守ります!』シリーズは、帯にも謳われているように「特撮SF考証」を切り拓いたと同時に、”超二次創作”とでも呼べる、「クリエーターズ・バイブル」の側面を持つ本です。特撮ファンであり、『すごかが』から長谷川裕一ファンになった、小説家の峰守ひろかずさんに、今回合体復刻された『グレート合体愛蔵版 すごい科学で守ります!』の持つ魅力について、存分に語っていただきました。 1.そもそも『すごかが』とは 『すごい科学で守ります!』(以下『すごかが』)。それは、まんが家の長

手巻き寿司の適量を追い求めて――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は読んでいるとおなかがすくこと間違いなし、手巻き寿司のお話です。 ※当記事は連載の第23回です。最初から読む方はこちらです。 #23 ちょうどいい量 この連載が四年分まとまった初エッセイ『とりあえずお湯わかせ』に詳しく書いたのだが、コロナ禍を経て、人を呼ぶことはもちろん、手作りの料理を振る舞う機会はなくなり、よって節分に恵方巻きをつくって、配り歩く習慣は消滅

この世から旅立った猫と飼い主の再会を描いた感動作に、涙する人続出!

2月22日の猫の日を前に、NHK出版からミヤザーナツさんの『ただいまねこ』が発売になりました。発売前にNet Galleyで内容を公開したところ、「泣けた!」「心が温かくなった!」といったレビューが殺到。アマゾンの「童話・子どもの文学」で名作、ベストセラーをおさえて堂々の1位を獲得しました! きょうは絵本の発売を記念し、作者のミヤザーさんにお話をうかがいます。 Q:「ただいまねこ」が発売になりました。いまのお気持ちをお聞かせください。 ストレートにうれしいです。描いたあと、

胡蝶蘭をともに育ててくれた「おひとりさまプラン」――「マイナーノートで」#23〔フラワーボーイ〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 フラワーボーイ 今朝、窓辺の胡蝶蘭が1つ、開花した。  いつのまに蕾をつけ、いつのまにふくらんでいたのだろう? 咲いたときには、いつもびっくりする。おや、おまえ、ここにいたのかい? すっかり忘れていてごめんね、と。  わが家の胡蝶蘭はちょうど12歳だ。年齢を忘

「将来」を描かなかった理由はここに。「芸能関係者の考える“新人はこんな感じ”ではなかった新人時代」――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #10 芸能関係者の考える「新人はこんな感じ」ではなかった新人時代 ある女性タレント(私が20代後半のときにこの話を聞いた際、彼女は40歳手前だった)が、少し年上の夫との価値観の違いによる、たび