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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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2022年3月の記事一覧

編集者から、

初めまして。書籍『みやぎから、』の編集とライティングを担当しました藤本智士と申します。 健くんと神木くんに誰に会ってもらうとよいかなあという、旅のコーディネートをはじめ、今回の書籍のさまざまを担当させていただきました。刻一刻と状況が変化するコロナ禍では、取材予定が二転三転するなど、無事に出版できるだろうかと不安に思うことも多かったので、いまこうしてたくさんの方のお手元に本を届けることができて本当に嬉しく思っています。関わってくださったみなさん、そして読者のみなさん、ありがと

佐藤健・神⽊隆之介――数々の出会いから⾒えてくる、宮城・東北 のいま。

佐藤健と神⽊隆之介が宮城県内各地を訪ね歩く  宮城県内各地の新旧さまざまな魅⼒に触れながら、その⼟地に根差す⼈々との数々の出会いや対話を通して、伝統芸能や⾵習の継承、産業や⽂化の創造、そして震災の記憶の伝承など、これからの私たちの暮らしのあり⽅を佐藤健さんと神⽊隆之介さんが真摯に向き合い模索している本書。旅の道中で⼆⼈が⾒せた、ありのままの表情をとらえた貴重な写真が満載なビジュアル対話集となっています。 フェリーで松島の島々を眺めながら塩竈へ 「仙台七⼣まつり」に⽋かせな

「クインテット」「マツケンサンバⅡ」など数々のヒット曲を生んだ作曲家“アキラさん”が音楽と歩んだ紆余曲折の半生とは――

「パパのようにヒット曲をたくさん作って有名人になりたい」。幼い頃のぼくはそう思っていた。『シャボン玉ホリデー』に映る父のように、飛び跳ねて指揮をして身をよじってピアノを弾く。そんなことをぼくもやってみたかったし、自分の作った曲を誰もが知っているなんて凄いと思っていた。通りすがりの他人が振り向くなんてこともあり、そんな父のやることなすことがぼくを魅了した。いつかぼくもああなりたい、と思ったものだ。  しかし「ヒット曲をたくさん作って有名人になる」という望みは、そう易々と叶わな

「与えられた課題」ではなく「自分ごと」として―― 「マイナーノートで」♯12〔自分で問いを立てる~高校生との対話〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 自分で問いを立てる ~高校生との対話  2019年4月、東京大学入学式で来賓祝辞をスピーチしてから、十代の若者たちのあいだで、一挙に知名度があがった。  わたしが理事長を務めているWebサイト、ウィメンズアクションネットワーク(WAN)では「ジュニアプロジェクト

あなたの味方は、たくさんいるから――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、お笑い芸人が揶揄した子連れ女性に向けて、力強いメッセージをいただきました。 ※当記事は連載の第12回です。最初から読む方はこちらです。 #12 子連れで、恐怖しない世の中を  つい最近、有名なお笑い芸人さんが新幹線で一緒になった、乳幼児に二時間半ずっとしゃべり続けていた女性を「うるさい」とテレビ番組で揶揄した。当然のことながら炎上し、彼は「子連れの大変さ