介護される者の哀しみ――「マイナーノートで #04〔憤怒の記憶〕」上野千鶴子
各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。
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憤怒の記憶
辺見庸さんは、ずっと気になる書き手だった。生活クラブ生協連合会に辺見さんのファンがいるらしく、同会の機関誌『生活と自治』というマンスリー・レポートに、長期にわたって「新・反時代のパンセ――不服従の理由」と題する連載がある。毎号届くたびに、どきどきし