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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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2022年8月の記事一覧

「NHK出版新書を求めて」 第4回わたしはウンコになりたい 栗原康さん(アナキスト)の場合

各界で活躍する研究者や論者の方々はいま書店で、とくに「新書コーナー」の前で何を考え、どんな新書を選ぶのか? 毎回のゲストの方に書店の回り方、本の眺め方から現在の関心までをじっくりと伺う、NHK出版新書編集部の連載です。 *第1回から読む方はこちらです。 今回はこの人! 栗原康(くりはら・やすし) 東北芸術工科大学非常勤講師。1979年埼玉県生まれ。専門はアナキズム研究。著書に『サボる哲学』(NHK出版新書)、『大杉栄伝~永遠のアナキズム』(角川ソフィア文庫)『はたらかない

モノにはモノ語りがあり、かんたんには捨てられない――「マイナーノートで」#17〔捨てられない理由〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 捨てられない理由 衣替えの季節が来ると、あふれるほどにクローゼットを占める衣類を見て、ため息をつく。  断捨離しようか。片付けのススメには、1シーズン袖を通さなかったものは捨てなさい、とか、1着買ったら1着処分しなさい、とか書いてある。  だが服にはどれも思い

一年分の汚れを落とす――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月はこの猛暑の中、おうちで涼むための悪戦苦闘をお送りします。 ※当記事は連載の第17回です。最初から読む方はこちらです。 # 17 ビニールプール 三度目の自粛の夏、ただいま猛暑のまっただなかである。実はこの一年間、ずっと心の片隅にひっかかっていた事案がある。  綺麗好きな方はここで読むのをやめていただきたいのだが、去年の夏に使いまくったビニールプール、私はな

ドアを開けると、そこには……? 「ちょっとだけ不思議体験……理屈では説明できないある出来事」――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #04 ちょっとだけ不思議体験……理屈では説明できない「ある出来事」 ご遺体と向き合うために数年勉強し、修復の実習もする研修、そしてまた研修の日々を経て、就職はできなかったものの、運よく法医学の