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「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第8回 子どもたちの「学び」の支え方

 6歳と3歳の兄弟との日々をはじめ、大好きな鉄道やおもちゃなどの魅力を動画で配信している、鈴川絢子さん。YouTubeでの動画配信を中心に活躍する、その等身大の様子は、とくに鉄道好きの子どもがいるお母さんたちから共感を呼んでいます。
 当連載では、動画では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに鈴川さんがつづります。 
 さて、第8回は「子どもたちの「学び」の支え方」がテーマです。日頃から、子どもたちの可能性や興味を引き出そうと、一緒に楽しみながら試行錯誤している鈴川さん。中でも、今回は「自分自身の成長にもつながれば」と選んだという幼児教室や、日頃大切にしている子どもたちへの接し方などについて教えてもらいました。
 ※連載第1回から読むかたはこちらです。

 今年も残りわずか、暖かいコートや厚手のニットが手放せませんが、みなさんお変わりないですか?

 わが家では、YouTubeでもお届けしたように、この時期にしか見られないイルミネーションを楽しんだり、長男のひたちは幼稚園最後の発表会でダンスを披露したり、次男のときわは3歳になり、家族でお誕生日のお祝いをしたり……。ほかにもあれこれと慌ただしいですが、12月は忙しい反面、新年に向けてやはり心がウキウキします。

 お休みモードの時期ですが、今回のテーマは「子どもたちの「学び」の支え方」についてお届けします。子どもにどんな「学び」の機会を与えたいか、何を大切にするかは、それぞれのご家庭で異なりますよね。わが家では、YouTube配信を通して、その方向性が変わる出来事がありました。そのときのエピソードと、わが家で心がけていることなどをお伝えしたいと思います。

YouTubeのコメントと幼児教室

 鉄道や旅以外に家族で楽しむ季節の行事の様子などもお伝えしている私のYouTubeチャンネルでは、以前は、いろいろなご意見や情報を、コメント欄を通じて視聴者の方々からいただいていました。けれども、現在はYouTubeの規定のため、コメント欄を開けない状況です。
 なぜ、改めてこのようなことをお話ししたかというと、いただいたいくつかのコメントで、わが家の教育方針といいますか、幼児期の子どもの「学び」をどう導いていくかを決定することになったからです。

 わが家では子どもたちを幼児教室へ通わせているのですが、そのきっかけが、YouTubeへ寄せられたコメントでした。

 私のYouTubeチャンネルでは、子どもたちの誕生から成長に至るまで、そのほとんどを視聴者の皆さんにも見守っていただいています。その中で、ひたちの言葉について、子育て中のお母さんをはじめ視聴者の方から「(言葉が出るのが)ちょっと遅いのでは」「検査を受けたほうが……」など、アドバイスをいただいたことがありました。
 定期健診などで言葉の発達に関して相談してはいましたが、担当の先生は「とくに気になるほどではない」という診断。私も夫も、個人差の範囲と思っていました。ただ、それでも親として、何かできることはないかと考えていました。

 そんなとき、コメント欄のこともあり、習い事など何ができるかを、より真剣に探すことに。「興味の可能性を探ろう」と、夫と相談して選んだのは、0〜6歳までの小学校入学前の子どもにさまざまな教育を与えてくれる幼児教室でした。当時、ひたちは幼稚園入園前で、同年代の子どもたちと遊ぶ機会も少なかったので、子ども同士のコミュニケーションに慣れてくれたらというのと、私自身も初めての子育てだったので、子どもへのよりよい接し方を学びたいと考えていました。私は、幼児教室に通った経験はなく、具体的にはどんなことをするのかわからなかったので、気になった教室を何軒か探して、見学に行きました。

 現在のところに決めたのは、一度の体験レッスンで、私たち親も知らなかったひたちの積極的な部分を引き出してもらえて、短時間でも成長が感じられたからです。先生から「幼児教室ではありますが、一番はやっぱりお母さんのための教室です」と言っていただいたのも、決め手でした。

 幼児教室には、おもに子どもたちと私が、週に1回通っています。けれども、私が仕事で遠出をすることが続く場合は、多い時には月3回ほど夫が行くこともあります。夫も参加することで、教育への考えや子どもたちへの伝え方など、基本的な部分を一致させることができたので、家庭での子どもたちへの接し方など、親として理解が深まりました。

子どもの「夢」の育て方を学ぶ

 私が育児をするうえで大切にしたいのが、子どもの自己肯定感を高めることです。そのためには褒め方と叱り方が重要ということはよく言われていますが、幼児教室では、子どもの個性や年齢に応じたやり方を、その場で示してくれます。
 ひたちとときわは性格が正反対と言ってもよいので、教室での先生と子どもたちのやり取りを 見ながら、家庭での接し方を私が学んでいます。まさに「お母さんのための教室」という先生の言葉を実感しています。

 とくに影響を受けたのは、「幼少期のうちから将来の夢を子どもに聞き、それを大切にする」という姿勢です。たとえば、子どもが「お医者さんになりたい」と言うのなら、単なる夢と捉えず、親はその道を全力で応援しましょうということです。また、そもそも何になりたいかわからないなら、その子に合いそうなことを調べたり考えたりして、ある程度は親が道を作ってあげるのもいいそうです。
 子どもの「何を学びたい」「どんな大人になりたい」「どんな仕事をしたい」を大切に、私たち親としても何ができるのか、今から考えていきたいと思うようになりました。

 ひたちでいえば、鉄道関係の仕事がしたいと年少さんの頃から言っています。私の影響もあり、鉄道の世界を見ることが多いので、そう思っているだけかもしれません。でも、本人がその道に進むと決めているのなら、そのために必要なことを、親として、しっかり見極めて伝えたいと思っています。

 そんなひたちですが、今や言葉のことは、心配していたのが嘘のよう。快活に、いろいろなことをよく話してくれます。
 鉄道関係の仕事については、中でも、軌道の整備や保守を行う保線作業つきたいそうです。だから「機械のことも勉強しよう」とか「機械を知るなら算数も大事だから、計算もできるようになろう」などと、伝えています。また、最近では「新幹線の運転士になりたい」とも言っているので「まずは時間を秒単位で守ることが大事だよ」と教えたり「困っている人がいたら助けようね」などと社会的なルールも話したり。鉄道関係に必要なことはもちろん、それ以外の道を選んだとしても学んでおくとよいことを積極的に伝えています。

 ときわの場合は、まだ幼いこともあり、好きなことや、将来の夢の話にはなりません。でも、現時点でパズルやブロックが好きで、集中力があり、たまにすごい作品を作りあげているので、なんとなく理系が向いているように感じます。
 また、ひたちが幼児教室の課題プリントに取り組んでいるとき、ときわもスケッチブックを持ってきてそばで絵を描いていることも。教室に入ったころより、落ち着いて何かに取り組めるという成長も見られます。なるべくいろんな世界に触れさせて、選択肢を増やしてあげられたらいいですね。

第8回写真L

 いずれにしても、親が無理にレールを敷くのではなく、あくまで子どもの夢を全力で応援する、そのためのアドバイスやサポートが大切だと思っています。

心に決めている、子どもたちへの接し方

 幼児教室に通うようになる以前から私が大事にしていることに、子どもたちへの「声がけ」があります。とくに旅では、声がけの機会が増えます。踏切は安全なところから見学する、駅のホームでは走らない、などという社会的なマナーもそうですが、目の前にあるものをどう伝えるかも意識しています。
 これは、YouTubeをご覧いただいている方が旅をされる場合にも、安全に楽しんでいただきたいというのもありますが、子どもたちの新たな刺激の一つとして、何かしらか学んでもらえたらという気持ちもあります。ですから、動画を撮影しているときもしていないときも、できる限り丁寧な言葉で、きちんと伝えようと決めています。

 もう一つ、子どもたちへの接し方で心に決めていることとして「親がブレないこと」があります。これは、私なりに育児をしてきて、子どもたちから学んだ大事なことでもあります。物事の伝え方や周囲への姿勢、マナーなど、その時々で違ったら、子どもも何を信じればいいのかわからなくなってしまいますよね。

 ブレないというのは、本当に基本的なことです。たとえば叱り方にしても、ひたちがお兄ちゃんだから叱るのではなく、「よくない」ことは兄弟平等に伝えます。物を投げない、お片付けは必ずする、ゲームは一日の中で時間を決めて楽しむ、宿題を終わらせてから遊ぶ……。一度注意したことは「まだ幼いから今は仕方がない」と曖昧にしないようにしています。
がんじがらめに子どもを縛り付けるのではなく、基本的なことを守れる人に成長してもらいたいです。

 子育ての中でも、とりわけ学びや教育について考えはじめると、わからないことばかりです。だからこそ、これからも、楽しみながら子どもたちと一緒に学んでいきたいですね。

 さて、次回のテーマは「私の夢と家族の夢」です。そして、次回でこの連載は最終回を迎えます。突然のご報告ではありますが、最後まで、しっかりとつづらせていただければと思います。
 まもなく新しい年を迎えます。今年は大変な年でしたが、また、変わらない笑顔でお会いしましょう!

次回へ続く

構成協力/ニイミユカ

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プロフィール
鈴川絢子(すずかわ・あやこ)

1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。
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