「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第7回 本のある生活
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「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第7回 本のある生活

 6歳と2歳の兄弟との日々や、大好きな鉄道やおもちゃなどの魅力を動画で配信する、人気YouTuberの鈴川絢子さん。その等身大の様子は、とくに鉄道好きの子どもがいるお母さんたちに支持され、共感を呼んでいます。
当連載では、動画では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに鈴川さんがつづります。 ※連載第1回から読むかたはこちらです。
 今回は「本のある生活」について。鈴川さんは、物心ついた頃から絵本や児童書に囲まれ、小学校では国語好きに。いまでも、仕事での移動中など、一人の時間ができると読書に夢中になるそうです。「子どもたちにも本を好きになってもらいたい」という鈴川さん。今回は、大好きな本のある生活の魅力を紹介します。
 ※連載第1回から読むかたはこちらです。

 子どもを幼稚園に送る朝、ふと気づくと空気が冷たくて、すっかり冬の気配ですね。

 街やニュースを見ていると、Go Toキャンペーンもあり、再び旅を楽しむ方もいらっしゃるようです。私も、しっかりと対策をしたうえで仕事での旅に少しずつ行き始めています。

 さて、そんな移動中のお供の一つが、私にとっては「本」です。とくに子どもが生まれてからは、一人で行く仕事の場合、貴重な読書タイムになりました。仕事の前に本屋さんに立ち寄り、文庫本を1冊買って移動中に読んでいます。もともと、紙の手触りやインクの香りが好きで、本は紙で読みたいタイプ。学生時代はいろんな辞書のページをめくって、インクの香りを嗅いでいました(笑)。Kindleも活用しますが、こちらはお風呂で読書するときのほうが、出番が多いかもしれません。

ずっと、本の虫だった

 なぜ、本を好きになったかといえば、母のおかげだと思います。はっきりと記憶に残っているわけではありませんが、相当、読み聞かせしてくれていたのだなと思う量の絵本や児童書が、実家にあります。
 母によると、特に『いないいないばあ』と『はらぺこあおむし』が好きだったそう。何度も読むのでボロボロになり、2~3冊は買い替えたと聞いています。

 字が読めるようになると、一人で本を読むことも増え、小学生の頃には国語が大好きになりました。教科書に載っている海外の名作や詩など、さまざまな文章に触れるとワクワクして、授業で学ぶよりも先に、家で読んでいました。
 だからか、詩や作文など、言葉で自分を表現するのも好きでしたね。今振り返ると、読むことと言葉で表現することが自分の中でつながって、どちらも好きになったのかもしれません。

 中学校では、朝のホームルームにあった「10分間読書」が、好きな時間の一つでした。各自で読みたい本を持参するのですが、次第に自分の好きな本をクラスメイトにすすめたくなり、教室の後ろにあるロッカーを勝手に自分の本棚のようにして、みんなに自由に読んでもらえるようにしていたこともあります(笑)。本屋さん気分で、自分が選んだ本を並べるのも楽しいし、好きな本を紹介して「おもしろかった」と言ってもらえると、またそれがうれしくて。好きなものを紹介したいという気持ちは、この頃から変わっていないのかもしれませんね。

 夏に開催される出版社ごとの文庫フェアも、好きでした。母が本屋さんが好きでよく行っていたので、私も一緒について行き、たくさん並べられた書名や表紙の感じを眺めては、気に入った文庫を何冊か一度に買ってもらって読む、いわゆる「ジャケ買い」もよくしていました。今でもフェアの時期になるとワクワクします。

 小説をはじめ、エッセイ、漫画、絵本、新書など、ジャンルを絞らず幅広く読んでいたほうだと思います。
 とはいえ、たくさん読んでいるうちに、ハラハラして、大どんでん返し! みたいなストーリーや、不思議な話が好みだということに気づき、ミステリーや推理もの、ファンタジーをよく読むようになりました。作家でいうと、乙一さん、伊坂幸太郎さん、星新一さんの作品が好きでしたね。雑誌の「このミステリーがすごい!」で気になった本も読んでいました。
 こうしたストーリーが好きなのは、本の世界だからこそのさまざまな文章表現に、想像力が刺激されるからかもしれません。先が気になって仕方がなくて、一気に読めてしまうようなところに惹かれます。

 子どもたちが生まれてからは、インスタグラムで育児もののイラストエッセイを読み始めました。とくに、長男のひたちが小さかった頃は、一人目ということもあり、よく読んでいましたね。インスタグラムは、共感したり、ほっとしたりする読み物が多く「うちだけじゃないんだ」「やっぱりそうだよね」「これが子どもなんだ」と思えて、安心感を覚えていたような気がします。
 中でも、よく読んでいて、本も購入したのは、イラストレーターのよこみねさやかさんの描く「まめ君」シリーズ。育児あるあるネタに頷いて、どこのご家庭でも同じことを考えたりやっていたりするんだなと、元気をもらいました。親子でハワイに行かれたエッセイもあるのですが、わが家のハワイ旅行の参考にさせていただきました。

初めての絵本選び

 本はいつも私の傍にあったので、子どもたちにも、できれば本を好きになってほしいという思いがあります。だから、ロングセラーや、私が昔読んだ本、子どもたちにも読ませたいお話は、なるべくそろえておくようにしています。そして、大体つねに100冊くらい、子どもたちが自由に読めるように、専用の本棚に並べています。

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 たくさんある中で、ひたちに初めて買ったのは『しましまぐるぐる』と『あかあかくろくろ』です。どちらも、かしわらあきおさんが絵を描かれているのですが、読み物というより見てたのしめる絵本です。赤ちゃんは、色の中でもまずは赤と黒がはっきり分かると聞いたので、視覚に訴えるような本をと、誕生してしばらくしてから2冊一緒に用意しました。
 生後3カ月くらいまでは、見ているかわからないけれど、顔にかざしていました。そうするうちに『あかあかくろくろ』を読んでいるときに「あ、笑った」とか「あ、指さしてる」といった、初めてのリアクションがあったのを覚えています。
 次男のときわの場合は、生まれる前からひたちのお下がりでたくさんの本があったので、新たに買ったのはかこさとしさんの『だるまさん』シリーズの3冊セットくらいです。ロングセラーですが、ひたちには読ませたことがなかったので、兄弟で読めると思いました。
 最初の頃は、ときわは何か感じているのか、じーっと見ていましたが、1歳を過ぎてからはキャーキャー騒ぎながら開いて、家族に見せてくれたりもします。

“おすすめ”で意外な発見

 幼稚園を通して定期購読している福音館の雑誌「こどものとも」「かがくのとも」が、毎月絵本を選んで送ってくれるサービスも利用しています。知らなかった絵本や、季節や子どもの年齢に合わせて選んでくれるので、とても重宝しています。
 それ以外にも、本に詳しい友人のおすすめで選ぶこともあります。先入観がないからか、意外な出会いや発見があり、子どもも親も新鮮な気持ちで読むことができます。
 6歳になったひたちも、母、私に続き、本屋さんが大好きになりました。私と一緒に行って、パッと目についたものや、ちょっと読んでみておもしろかったものを「これにしよう!」と選ぶことが多いです。

スモールステップで世界を広げる

 いま、ひたちがいちばん好きな本は、図鑑です。
 図鑑好きになったきっかけは、1歳頃だったでしょうか。ひたちはすでに電車が大好きだったので、『はじめてえほんでんしゃ』と『とっきゅう(てのひらのりものえほん)』という、絵ではなく写真が大きく掲載されている本を見せたところ、かなり興味を示しました。文字はまだ読めなかったので、好きな電車の写真を見比べながら、楽しそうにながめていました。そのうち、電車以外の乗り物にも興味を示すようになり、ほかの乗り物の本も足していきました。2歳頃まで、お散歩や旅行、どこに行くにも持ち歩いていましたね。

 下の動画はひたちが1歳8か月頃のものです。「ベビーブック」という雑誌の「きかんしゃトーマス」のキャラクターのページを楽しそうに見ているところが映っています。こんなふうに先ほどの本の写真もながめていました。

 実はその前に、大型の図鑑を本屋さんで見せたんです。そうしたら、文字が多かったせいか、好きなはずの鉄道なのにあまり関心を示さなかったことがあり、やはり月齢に合わせたものがいいんだなと実感しました。
 その後、成長を見ながら、『おとこのこずかん』や『100までかぞえる でんしゃの1・2・3』など、ひたちの興味・関心に合わせて図鑑を選んでいきました。

 シリーズものの大型図鑑も同じで、一度に一式をそろえるのではなく、好きな「乗りもの」を読むようになったところで、「恐竜」「宇宙」など、その時に興味のあるものを入り口に、足していくようにしています。

 図鑑以外の本でも、わが家では、本の内容をステップアップするときには、子どもが物足りなさそうにしているタイミングで、新しい本を与えています。一気に難しくではなく、一歩うえぐらいの本を、子どもの反応を見て選ぶのがおすすめです。

子どもの「読みたい」を信じる

 図鑑以外にも、ひたちはここ1〜2年、自分で本を選ぶようになりました。幼稚園で「日本昔ばなし」などに触れる機会が多いので、「日本昔ばなしアニメ絵本」と「世界名作アニメ絵本」の各シリーズをよく読んでいます。一緒に本屋さんに行くと、両シリーズが置いてあるラックを見に行き、自らラックをクルクル回し、知らないお話があると「これ知らない」「読みたい」というので、買ってみることもあります。中には私も知らないお話があったりして、今ではひたち自ら読み聞かせてくれたりもします。

 ときわの場合は、まだ文字が読めないので、赤ちゃんの頃に読んであげていた『いないいないばあ』を引っ張り出してみたり、ひたちの図鑑を借りて兄弟並んで写真を見ていたり。まだ本は、おもちゃ感覚のようですが、ひたちが読み聞かせをしてくれるときもあり、本への興味は高まっているのではと思っています。「これ読んで」と本を持ってくるときは、時間が許す限り読むようにしています。

 下の写真は2人の最近のお気に入りの本です。

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本が与えてくれるかけがえのない世界

 本は、私にとっても子どもたちにとっても、言葉や知識、経験の引き出しを増やしてくれる、かけがえのない存在です。

 とくに、子どもが生まれてからは、本に助けてもらっているように感じることもあります。本が子どもの成長を促してくれるというか、本がきっかけで成長に気づくこともあります。
 たとえば、ひたちは話し始めがゆっくりな子でしたが、一度話し始めたらバケツの水が溢れたように、みるみる広がっていく感じで。それを見ていて、本を読み聞かせたり、本を介して好きなものを追求したり、そうして積み重ねてきたことが一気に溢れたんだと思いました。だからこれからも、ジャンルを問わず、興味を持ったものは読ませたいですね。

 私自身は、本のおかげで、あまり動じなくなったような気がします。いろんな本を読んで、たくさんの世界を知ったつもりになっているからか、実生活で大変だなと思うことがあったとしても、平常心を保てるようになりました。本の世界に自分を投影しながら、自分の心をコントロールする術を学んでいたのかもしれません。
 もちろん、知識としても助けられています。子どもはしょっちゅう「なんで? なんで?」と聞いてくるので、全部は難しいけれど、自分の知っていることを自分の言葉で伝えられるのは、本を通して学んだ部分が大きいと感じています。

 そして何より、読書の時間は、子どものときから変わらない、気持ちをリフレッシュできる大切な時間の一つです。子どもたちが寝た後、今夜は長風呂できるぞという日には、お風呂で読書をするのですが、気がついたら、あっという間に2時間くらい経っています(笑)。本に没頭していると、カフェでお茶するときと同じようにリラックスできて、私だけの時間で、「私」という世界をたのしめるんです。
 育児をしていると、まとまった読書の時間をとるのが難しいこともありますが、これからも自分のペースで本と付き合っていけたらと思っています。

 さて、今回はここまで。好きなものについて思いを巡らすと、なぜか時間があっという間に過ぎてしまいます。次回は、私も試行錯誤中の、子どもたちの教育についてお伝えしたいと思います。今年も残すところわずかですが、また、元気にお会いしましょう。

次回へ続く

構成協力/ニイミユカ

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プロフィール
鈴川絢子(すずかわ・あやこ)

1991年、千葉県出身。NSC東京16期生、吉本興業所属。2児の母。2013年にYouTubeで「鈴川絢子チャンネル」を開設。「恋するフォーチュンクッキー京浜急行ver.」の視聴回数190万回が話題となり、鉄道関連を中心とする動画で人気チャンネルに。その後、子連れ鉄道旅やプラレールの紹介をはじめ、家族の日常を映した動画で、鉄道好きの子ども(子鉄)を持つお母さんたちの間でさらに人気を博し、現在、79万人を超える登録者を集める。著書に『鈴川絢子とちっくんの 東京電車さんぽ』(JTBパブリッシング)、『鉄分多め。 関東編』(ヨシモトブックス)など。
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