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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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2020年12月の記事一覧

2020年「本がひらく」で話題を呼んだ記事5選を振り返り――韓国ドラマからラッパー評伝、サイコサスペンス小説まで

 今年一年「本がひらく」をご愛読くださり、本当にありがとうございました! 2020年1月15日にサイトを立ち上げて以降、「何ができるか」「何をやるべきか」を考えて実践しているうちに、あっという間に一年を迎えようしています。  そこで、この一年を振り返る代わりに、「本がひらく」で反響のあった記事のいくつかをここでご紹介します! ①日本でも大注目の韓ドラ! EXOのド・ギョンス(D.O.)が初挑戦した時代劇が話題に 昨年、NHK-BSプレミアムで国内初放送され、今年5月には地

「鈴川絢子のママYouTuberの子育てノート」第8回 子どもたちの「学び」の支え方

 6歳と3歳の兄弟との日々をはじめ、大好きな鉄道やおもちゃなどの魅力を動画で配信している、鈴川絢子さん。YouTubeでの動画配信を中心に活躍する、その等身大の様子は、とくに鉄道好きの子どもがいるお母さんたちから共感を呼んでいます。  当連載では、動画では伝えきれない子育ての工夫や想いなどを、家族とのエピソードとともに鈴川さんがつづります。   さて、第8回は「子どもたちの「学び」の支え方」がテーマです。日頃から、子どもたちの可能性や興味を引き出そうと、一緒に楽しみながら試行

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話――エッセイ「日比谷で本を売っている。」第12回 〔猫とうなぎ〕新井見枝香

※第1回から読む方はこちらです。  うさぎを追って穴に飛び込んだアリスは、元の世界に戻れないと、ハートの女王に泣きついたのだが、猫を追って路地裏に迷い込んだ私は、お家に帰れないと、Googleマップに頼ってしまった。情けない。  それにしても、不思議な猫だった。動物に好かれない私は、犬ならまだしも、猫には全く相手にされないどころか、脱兎のごとく、逃げられる。野良猫は警戒心が強かろうと、知人の飼い猫にチュールを持って近付けば、猫パンチで叩き落とされる始末。血が滲んだ腕には、飛

映画続報に沸く『護られなかった者たちへ』(主演・佐藤健)のシリーズ続編『境界線』——情報化社会の闇ビジネスと人々の祈りを描く骨太の社会派長編小説

復興への祈りを込めたヒューマンミステリー 12月16日(水)に中山七里さんの新作小説『境界線』が発売されます。この日は中山さんの誕生日です。そして今年は中山さんの作家デビュー10周年の記念イヤー。そのキャンペーンの一環として実施している「単行本12か月連続刊行」のフィナーレを飾るのが本書です。  本作は2018年に刊行された『護られなかった者たちへ』につらなる、“宮城県警シリーズ”の続編。宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎刑事が部下の蓮田らとともに、宮城県内で起きた不可解な事件に