小説・エッセイ

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見えぬ接点と深まる謎……事件は最終局面へ――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

見えぬ接点と深まる謎……事件は最終局面へ――情報化社会の闇を描いた長編ミステリー小説「境界線」中山七里

 たび重なる詐欺により宮城刑務所に収容されていた五代良則は、懲りることなく、出所後のさらなる悪事を計画しながら日々を過ごしていた。そこには、五代が出所後の仕事のパートナーとして目をかけていた利根勝久の姿もあった。そんな折、東日本大震災が発生した。刑務所の食堂にあるテレビが五代の地元が濁流に飲まれていく様子を伝え、えもいわれぬ絶望感を味わった。それから二年後、出所した五代はかつての友人・鵠沼駿の安否を気遣い行方を捜すも、消息をつかめずにいたのだった。  ※本記事は連載第10回で

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔ナマケモノと私〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔ナマケモノと私〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第6回)。※最初から読む方はこちらです。  最近、私の部屋にはナマケモノがいる。手足がひょろ長くて、目がぱっちりとしたぬいぐるみだ。それは書店員の傍ら、踊り子としてデビューした際に、お客さんからもらったものである。どうせパチンコかなんかの景品だとは思うが、あげたくなった理由は「似ているから」と言っていた。確かに私の髪は獣のような金色だし、客観的に見て、キツネには似ていない。おまけに、この世界にはめんどくさいこと

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戦争、幻影、罪、トラウマ……作家・阿部智里(「八咫烏シリーズ」)が挑んだ長編小説『発現』執筆の背景とは?

戦争、幻影、罪、トラウマ……作家・阿部智里(「八咫烏シリーズ」)が挑んだ長編小説『発現』執筆の背景とは?

 シリーズ累計130万部を超える人気ファンタジー小説「八咫烏シリーズ」著者・阿部智里さん。満を持してシリーズ外の作品として刊行した『発現』は、ジャンルの垣根を越え、時代も空間もクロスした大きなスケール感の長編小説です。刊行に寄せて阿部さんに執筆の裏側や思いをうかがいました。  ※当記事は、2019年1月にNHK出版ホームページ内の特設サイトで公開したインタビューを再掲するものです。 構想3年、自分ならではのアプローチで挑む  初めて執筆依頼の連絡をいただいたのは、私が『烏

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