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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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2023年2月の記事一覧

手巻き寿司の適量を追い求めて――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は読んでいるとおなかがすくこと間違いなし、手巻き寿司のお話です。 ※当記事は連載の第23回です。最初から読む方はこちらです。 #23 ちょうどいい量 この連載が四年分まとまった初エッセイ『とりあえずお湯わかせ』に詳しく書いたのだが、コロナ禍を経て、人を呼ぶことはもちろん、手作りの料理を振る舞う機会はなくなり、よって節分に恵方巻きをつくって、配り歩く習慣は消滅

胡蝶蘭をともに育ててくれた「おひとりさまプラン」――「マイナーノートで」#23〔フラワーボーイ〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 フラワーボーイ 今朝、窓辺の胡蝶蘭が1つ、開花した。  いつのまに蕾をつけ、いつのまにふくらんでいたのだろう? 咲いたときには、いつもびっくりする。おや、おまえ、ここにいたのかい? すっかり忘れていてごめんね、と。  わが家の胡蝶蘭はちょうど12歳だ。年齢を忘

「将来」を描かなかった理由はここに。「芸能関係者の考える“新人はこんな感じ”ではなかった新人時代」――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #10 芸能関係者の考える「新人はこんな感じ」ではなかった新人時代 ある女性タレント(私が20代後半のときにこの話を聞いた際、彼女は40歳手前だった)が、少し年上の夫との価値観の違いによる、たび