マガジンのカバー画像

教養・ノンフィクション

384
各分野における最新の知識や再発見、情報の最前線から得た知見など、半歩先の知的好奇心を満たす記事を公開中。
運営しているクリエイター

#NHK出版新書

本邦初、聞き書き形式による西洋哲学史入門

哲学の泰斗が集結した新シリーズ『哲学史入門』第1巻を試し読み!NHK出版新書の新シリーズ『哲学史入門』が4月10日に創刊しました。シリーズ第1巻『哲学史入門Ⅰ 古代ギリシアからルネサンスまで』は、著者に千葉雅也さん、納富信留さん、山内志朗さん、伊藤博明さんをむかえ、 斎藤哲也さんが聞き手を務めます。刊行を記念し、本書の一部を特別公開します。 はじめに 斎藤哲也 本書は、本邦初の聞き書き形式による西洋哲学史の入門書です。  初学者向けから大学で使用するテキストまで、すでに哲学

最新研究でここまでわかった、おどろきの「香り」の力!

ストレスや不安の軽減から脳機能の向上、治りづらい疾患の緩和・予防まで―—植物の香りは私たちの心身のコンディションに良い影響を与えるとされています。 NHK出版新書『「植物の香り」のサイエンス なぜ心と体が整うのか』では、昨今のめざましい研究から解明され、医療現場でも取り入れられているその具体的な効能を、第一人者がわかりやすく解説します。 今回はその刊行を記念し、本書の一部を特別公開いたします。 はじめに 私たちの日々の生活は、さまざまな香りによって彩られています。料理のおい

大河ドラマ「光る君へ」の背景がよく分かる! 平安時代の実像が見える快作。

平安時代史、女性史を専門とする服藤早苗さんによる新書『「源氏物語」の時代を生きた女性たち』が刊行されました。 紫式部をはじめとする平安期の女性は、なぜ歴史的な文学作品をのこすことができたのか? 栄華極まり陰謀うごめく貴族社会で、女性たちは何を考え、どのように暮らしていたのか? 歴史の表舞台には立たない女性にも光を当て、彼女たちの結婚・出産・仕事・教養・老後などを通じて、平安時代のリアルを解き明かします。 今回はその発売を記念し、内容の一部を特別公開します。 『源氏物語』の時

行動遺伝学がもたらしたパラダイム転換とは?!「残酷すぎる世界」との向き合い方を論じた決定版。

知性、能力、性格、そして運まで――。行動遺伝学が明らかにしたのは、人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っており、それから誰も逃れられないということだった。私たちは、残酷すぎる世界の真実といかに向き合うべきか。 人気作家の橘玲氏と、行動遺伝学の第一人者である安藤寿康氏が、知能格差社会の真実から遺伝的な適性の見つけ方までを論じ合った本書の発売を記念し、安藤氏による「あとがき」を特別公開します。 遺伝を取り巻く「闇」と「光」 行動遺伝学については2000年に『心はどのように遺伝

知能格差社会の真実から遺伝的な適性の見つけ方まで。人気作家と第一人者が徹底的に論じる!

知性、能力、性格、そして運まで――。行動遺伝学が明らかにしたのは、人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っており、それから誰も逃れられないということだった。私たちは、残酷すぎる世界の真実といかに向き合うべきか。 人気作家の橘玲氏と、行動遺伝学の第一人者である安藤寿康氏が、知能格差社会の真実から遺伝的な適性の見つけ方までを論じ合った本書の発売を記念し、橘氏による「まえがき」を特別公開します。 誰も「遺伝」から逃れることはできない どんな質問にも人間と区別のつかない返答をする生

神を裁く者、その名は…… ”あなたのキリスト教観が180度変わる”類書皆無の宗教論!

ストラスブール大学神学部出身の神学者加藤隆さんが、自身の研究の集大成として世に放つ新書『キリスト教の本質 「不在の神」はいかにして生まれたか』が発売となりました。 全世界で22億5000万人もの信者を有する一大宗教であるキリスト教。しかし、その実態について、日本人のほとんどが理解していないと著者は言います。 そんなキリスト教の本質に迫る本書——今回はその発売を記念し、内容の一部を特別公開します。 キリスト教諸宗派全体の理解は不可能である 「キリスト教」を理解する上では、大き

ChatGPTをはじめとする生成AIの可能性と限界——「新時代の教養」を最も平易に解説!

ジャーナリスト・西田宗千佳さんによる新書『生成AIの核心』が刊行になりました。 ChatGPTに代表される「生成AI」は、急速に浸透しましたが、内容の間違いへの対応や著作権保護等、多数の課題があります。さらには、一層の開発をめぐる企業間、国同士の覇権争いまで、多くの論点も。 生成AIをどう活かすべきなのか、AIの歴史や動作の理由も知り、その本質をあぶりだす一書です。 今回は刊行を記念し、本書の一部を特別公開します。 はじめに テクノロジーの発達は、幾度も世界を変えてきた。た

土葬、風葬、両墓制……日本の滅びゆく葬送を求めて――鵜飼秀徳『絶滅する「墓」――日本の知られざる弔い』

 8月10日、NHK出版新書より、『絶滅する「墓」 日本の知られざる弔い』(鵜飼秀徳著)が刊行されました。  時の権力や死生観、土地や風土に根ざした習俗によって、日本では古来、じつに多様な葬送文化が育まれてきました。しかし、過疎化や高齢化により、現在その文化は風前の灯となっています。  土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、奄美の樹上葬、沖縄の風葬やアイヌの男女別葬、無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏」まで。全国各地で著者が取材し撮影した写真を多数収載し、また

朝ドラ「ブギウギ」の背景がわかる! 笠置シヅ子と服部良一、世紀のコンビの奮闘記

NHK出版新書にて、近代音曲史研究家・輪島裕介さんの新著『昭和ブギウギ ——笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』が刊行されました。 朝ドラ「ブギウギ」のファンブックとして、音楽史を90度展回させる(180度ちゃうんかい)野心作として――。当代随一の音楽・音曲研究家が「涙ぐましい」調査をもとに書き上げた瞠目の近代大衆文化論です! 本記事では刊行を記念して、本書の「前口上」を再構成して公開します。 ヘッダー写真提供/服部音楽出版 「近代音曲史」の展望 敗戦後、東京・有楽町の日本劇

日本の「常識」が通じない隣国と、今いかに対峙するか?――亀山陽司『ロシアの眼から見た日本』

5月10日、NHK出版新書より『ロシアの眼から見た日本~国防の条件を問いなおす』が発売されました。昨年2月より続くロシアによるウクライナ侵攻で、東アジアにも緊張が続いています。日本の安全保障についての議論も過熱していますが、元ロシア駐在外交官の著者・亀山陽司氏は、戦争の危機を煽るのでなく、なりふり構わぬ防衛力強化を唱えるのでなく、今こそ冷静に、可能性としての「戦争と平和」を問うことが必要だと説きます。これからの東アジア地域の安定を生み出すための、国防の論理とリアリズムとは? 

「邪馬台国はどこにあったのか」「神武東遷とは何だったのか」…NHK出版新書『小説で読みとく古代史』発売!

「歴史的なあの事件」は本当に教科書どおりに起こったのか? いや、私はこう考える——。 日本史を舞台にした作品を多く手掛ける周防柳さんは、当サイト「本がひらく」で、往年の大作家や現代作家、漫画家たちが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察してきました。 小説を通して古代史にせまる意義とは何か? 連載に大幅加筆し、詳細な系図、写真をふんだんに使用した新書から、著者の周防さんに語っていただきました。  歴史とは、なかなか手強

700万人を教えたカリスマ英語講師が、子どもの英語勉強術を指南!

「英語は早く始めるほどよい?」「英語のシャワーを浴びせるのは効果がある?」  全国の小中高生を多数導いてきた英語講師の関正生さんが、親たちの悩みや疑問に答えた新刊『早期教育に惑わされない! 子どものサバイバル英語勉強術』が発売になりました。  本書は早期教育の誤解を正しながら、親はどのように子どもをサポートすればよいのか、子どもの英語力を伸ばすためには何をすべきか(何をすべきではないか)を綴った実践的な指南書です。今回は発売を記念して、本書の「序章」から抜粋してご紹介します(

「やる気が出ない」は間違い! 知らないうちにモチベーションがアップする〝飽きない脳〞の作り方

やる気は意識的なものではない。無意識の「脳の意欲」が身体に伝わり、思考・行動を変えるのだ――。 気鋭の脳神経科学者・大黒達也氏の最新刊『モチベーション脳~「やる気」が起きるメカニズム』が、NHK出版より2月10日に発売となりました。意識的な思考・行動を変えるには無意識の「脳のやる気」を高めるのが重要であることを脳科学の知見をもとに解き明かす、画期的なモチベーション論です。 刊行を記念して、本文の一部を特別公開します。 *本記事用に一部を編集しています。 脳の意欲が思考・行動

「NHK出版新書を求めて」第5回 悪いとされているものの中にも、否定しきれないものがある――山本圭さん(政治思想研究者)の場合

各界で活躍する研究者や論者の方々はいま書店で、とくに「新書コーナー」の前で何を考え、どんな新書を選ぶのか? 毎回のゲストの方に書店の回り方、本の眺め方から現在の関心までをじっくりと伺う、NHK出版新書編集部の連載です。 *第1回から読む方はこちらです。 今回はこの人! 山本圭(やまもと・けい) 1981年、京都府生まれ。立命館大学法学部准教授。名古屋大学大学院国際言語文化研究科単位取得退学。博士(学術)。岡山大学大学院教育学研究科専任講師などを経て、現職。専攻は、政治思想