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教養・ノンフィクション

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2022年12月の記事一覧

「NHK出版新書を求めて」第5回 悪いとされているものの中にも、否定しきれないものがある――山本圭さん(政治思想研究者)の場合

各界で活躍する研究者や論者の方々はいま書店で、とくに「新書コーナー」の前で何を考え、どんな新書を選ぶのか? 毎回のゲストの方に書店の回り方、本の眺め方から現在の関心までをじっくりと伺う、NHK出版新書編集部の連載です。 *第1回から読む方はこちらです。 今回はこの人! 山本圭(やまもと・けい) 1981年、京都府生まれ。立命館大学法学部准教授。名古屋大学大学院国際言語文化研究科単位取得退学。博士(学術)。岡山大学大学院教育学研究科専任講師などを経て、現職。専攻は、政治思想

俳優・神木隆之介が東から西、海から山へと訪ね歩き、「奇跡の県」と称した魅力あふれる高知のいま

 2023年前期のNHKの連続テレビ小説「らんまん」で、主演を務める神木隆之介さんが、役のモデルとなっている牧野富太郎(高知県佐川町出身)の考え方や生き方に触れるべく、撮影の前に高知県を訪ねました。その様子を収めた“神木流”の高知ガイドブック『かみきこうち』(2023年3月20日発売予定)が本日より予約開始。神木さんに「高知県は奇跡の県です」と言わしめた高知の魅力がつまった本書の内容や、今回ならではの特典などについてご紹介します! 「神木+紀行+高知」のビジュアル紀行ガイド

破壊的イノベーションは民主主義を脅かす? ユートピア的なテクノロジー信仰に、スタンフォード大学が警鐘を鳴らす!

 いまや政治家や経済学者よりも社会に対して大きな影響力を持つ巨大テクノロジー企業(ビッグ・テック)。破壊的イノベーションの震源地ともいえるシリコンバレーに多数の人材を送り出しているスタンフォード大学では、多くの学生が「テクノロジーは貧困を終わらせ、人種差別を解消し、機会均等を実現するなど、あらゆる社会問題を解決する力を持っている」といったユートピア的な考え方を持つようになっていると言います。同大学はこの状況に危機感を抱き、IT技術者に対する倫理教育の刷新に取り組みはじめました

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で仏教美術考証を務める塩澤寛樹さんの連載『運慶の風景』! 第4回は「奈良と鎌倉の二つの大仏」に注目します。

 大仏といえば、日本では多くの人が奈良・東大寺の盧舎那仏を思い浮かべるでしょうか。関東では鎌倉大仏を思い出す人も多いはずです。そもそも大仏とは、仏の偉大さを大きさで表したものとされています。造形物において、大きさというのは最もわかりやすい表現の一つですから、仏を大きくつくるという表現方法は、国や地域、民族や言葉の違いを越えて、その偉大さをあらわすには相応しいといえましょう。今回は、奈良と鎌倉の二つの大仏を通して、鎌倉時代における社会と仏像のかかわりや、王法と仏法の関係などを考