マガジンのカバー画像

NHK出版新書

82
ビジネス、哲学、時事、環境、教育、宗教、美術、科学……多彩なジャンルを深くわかりやすく伝えるNHK出版新書の関連記事をラインナップ。
運営しているクリエイター

#編集部だより

日本の「常識」が通じない隣国と、今いかに対峙するか?――亀山陽司『ロシアの眼から見た日本』

5月10日、NHK出版新書より『ロシアの眼から見た日本~国防の条件を問いなおす』が発売されました。昨年2月より続くロシアによるウクライナ侵攻で、東アジアにも緊張が続いています。日本の安全保障についての議論も過熱していますが、元ロシア駐在外交官の著者・亀山陽司氏は、戦争の危機を煽るのでなく、なりふり構わぬ防衛力強化を唱えるのでなく、今こそ冷静に、可能性としての「戦争と平和」を問うことが必要だと説きます。これからの東アジア地域の安定を生み出すための、国防の論理とリアリズムとは? 

「らんまん」主人公のモデルとなった牧野富太郎は、何に生涯を捧げたのか?…NHK出版新書『牧野富太郎の植物学』発売!

2023年度前期の連続テレビ小説「らんまん」の放送が4月から始まります。主人公のモデルは「日本の植物学の父」と呼ばれる牧野富太郎。貧窮の中にあって独学で植物分類学を修め、アカデミズムと対峙しつつも、偉大な業績を残し、植物知識の普及に尽力したとされる人物です。  しかし、彼の研究者としての業績は、破天荒な人物像や、彼を取り巻く人間ドラマに比べて、これまであまり顧みられてきませんでした。3月10日発売のNHK出版新書『牧野富太郎の博物学』は、「らんまん」で植物監修を務める植物学者

「邪馬台国はどこにあったのか」「神武東遷とは何だったのか」…NHK出版新書『小説で読みとく古代史』発売!

「歴史的なあの事件」は本当に教科書どおりに起こったのか? いや、私はこう考える——。 日本史を舞台にした作品を多く手掛ける周防柳さんは、当サイト「本がひらく」で、往年の大作家や現代作家、漫画家たちが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察してきました。 小説を通して古代史にせまる意義とは何か? 連載に大幅加筆し、詳細な系図、写真をふんだんに使用した新書から、著者の周防さんに語っていただきました。  歴史とは、なかなか手強

「やる気が出ない」は間違い! 知らないうちにモチベーションがアップする〝飽きない脳〞の作り方

やる気は意識的なものではない。無意識の「脳の意欲」が身体に伝わり、思考・行動を変えるのだ――。 気鋭の脳神経科学者・大黒達也氏の最新刊『モチベーション脳~「やる気」が起きるメカニズム』が、NHK出版より2月10日に発売となりました。意識的な思考・行動を変えるには無意識の「脳のやる気」を高めるのが重要であることを脳科学の知見をもとに解き明かす、画期的なモチベーション論です。 刊行を記念して、本文の一部を特別公開します。 *本記事用に一部を編集しています。 脳の意欲が思考・行動

雌雄/男女は、2つに分けてもわからない! 生物学の最前線で進む驚きの研究を、第一人者がやさしく語る

 生物はオス/メスが別個に存在しているのではなく、じつは両者は連続している――「性」の本質をそう捉える研究が、生物学の最前線で進んでいます。性は生涯変わり続ける? すべての細胞と、その集まりである臓器や器官は独自に性を持っている? この度刊行された『オスとは何で、メスとは何か?――「性スペクトラム」という最前線』は、生物、とくに哺乳類の性に関する基礎研究を続けてきた著者が、さまざまな生き物の多様な雌雄のあり方と、それを形づくる仕組みの解説を通して、二項対立では語り切れない性本

ロシアとウクライナは仲の悪い「兄弟国家」? プーチン大統領がウクライナに固執する歴史的理由

 国際社会の懸命な説得もお構いなしに、2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻を開始した。なぜプーチン大統領はウクライナにこだわるのか? そもそもウクライナとはどのような国なのか? ロシア政治研究の第一人者・下斗米伸夫さんの著者『プーチンはアジアをめざす』から、第2章「ウクライナで何が起こっているのか」の一部抜粋記事を緊急公開します。 ロシアとウクライナの兄弟関係  ウクライナ問題とはいったい何なのだろうか。  ウクライナはソ連崩壊後に誕生した人口4500万人ほどの国

比べて味わえば、歴史はもっと愉しい! 東大名誉教授が見た、古代ローマと江戸日本の意外な共通点

100万に及ぶ都市の人口、非一神教社会ゆえの習俗、250年続いた平和――前近代では他に例のない環境のもと、ローマと江戸にはどのような相似や相違が生まれたのか? 「アッピア街道と東海道」の比較から権力のあり方を考え、「コロッセオと千本桜」の比較から国民性に迫る、新感覚の歴史エッセイ『テルマエと浮世風呂――古代ローマと大江戸日本の比較史』。10のトピックを収載する本書から、「ワインと日本酒」を比較した章「平和が生んだ美酒」の一部抜粋をお届けします。 ワインの容器でできた人口の丘

ベストセラー連発の経済ジャーナリスト、荻原博子さんがこっそり伝授。経済知識ゼロでも実践OK、やればやるほどトクする「お金」の裏ワザ!

 豊かで充実した人生を過ごすためには、「お金」の知識に裏打ちされた「戦略」が必要。けれど難しい経済知識は必要ありません。ふだんの生活や働き方を少し見直すだけで新しい道が拓けてきます。「50代を過ぎてしまった」とあきらめる必要もありません。何歳になってもやるべきことの基本は変わらないのです。逆に「まだ若いから必要ない」と思うのもまちがい! 50歳以降どのようなリスクがあり、どれくらいのお金が必要かを知ることはとても大切です。  経済ジャーナリストで家計経済の第一人者の荻原博子さ

斎藤幸平×大澤真幸「脱成長コミュニズムは可能か?」――『なぜ、脱成長なのか』『新世紀のコミュニズムへ』刊行記念対談(後編)

 コロナ下の状況で資本主義の弊害や問題点が明らかになった現在、そのオルタナティブとして注目されるのが「脱成長」であり、「コミュニズム」です。  ヨルゴス・カリスらによる翻訳書『なぜ、脱成長なのか:分断・格差・気候変動を乗り越える』の解説を担当した斎藤幸平さんと、新著『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』を上梓した大澤真幸さん。同時期に近しいテーマで書籍の刊行に関わった二人に、「脱成長コミュニズム」は果たして可能なのか、存分に語り合っていただきました(2021年5

斎藤幸平×大澤真幸「脱成長コミュニズムは可能か?」――『なぜ、脱成長なのか』『新世紀のコミュニズムへ』刊行記念対談(前編)

 コロナ下の状況で資本主義の弊害や問題点が明らかになった現在、そのオルタナティブとして注目されるのが「脱成長」であり、「コミュニズム」です。  ヨルゴス・カリスらによる翻訳書『なぜ、脱成長なのか:分断・格差・気候変動を乗り越える』の解説を担当した斎藤幸平さんと、新著『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』を上梓した大澤真幸さん。同時期に近しいテーマで書籍の刊行に関わった二人に、「脱成長コミュニズム」は果たして可能なのか、存分に語り合っていただきました(2021年5

保険適用が待たれる、近視治療薬「低濃度アトロピン」とは?

 スマートフォンやタブレットの使用、ゲームのやり過ぎが、子どもたちの目を脅かしている。眼球が伸びて、形が変わってしまう「軸性近視」が、将来の白内障や緑内障のリスクを高めるほか、最新の研究によってうつ病などにもつながりうることがわかってきたのだ。科学的根拠のある治療法から、生活習慣の見直し、眼鏡・コンタクトレンズの正しい選び方までを詳しく紹介した、好評発売中のNHK出版新書『子どもの目が危ない――「超近視時代」に視力をどう守るか』。  大反響のNHKスペシャルを書籍化した本書か

視力0・7未満の子どもが3割以上増加! いま彼らの目に何が起きているのか?

 スマートフォンやタブレットの使用、ゲームのやり過ぎが、子どもたちの目を脅かしている。眼球が伸びて、形が変わってしまう「軸性近視」が、将来の白内障や緑内障のリスクを高めるほか、最新の研究によってうつ病などにもつながりうることがわかってきたのだ。科学的根拠のある治療法から、生活習慣の見直し、眼鏡・コンタクトレンズの正しい選び方までを詳しく紹介した、NHK出版新書『子どもの目が危ない――「超近視時代」に視力をどう守るか』(2021年6月10日発売)。  大反響のNHKスペシャルを

【対談】大澤真幸×山本貴光「来たるべき破局を越えるために」(後編)

気候変動や分断をもたらす資本主義を超えて、コミュニズムに至る。それは、いかにして可能なのか? ──この問いに正面から向き合った大澤真幸さんの新刊『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』の刊行記念対談が、5月1日に行われました(NHK文化センター主催。オンライン)。ゲーム作家・文筆家の山本貴光さんと大澤さんが、パンデミック後に望まれる社会のありかたについて語り合った2時間におよぶ討議の、後編をお届けします。 ※前編を読む方はこちらです。 資本主義の本質と「未来の他

【対談】大澤真幸×山本貴光「来たるべき破局を越えるために」(前編)

気候変動や分断をもたらす資本主義を超えて、コミュニズムに至る。それは、いかにして可能なのか? ――この問いに正面から向き合った大澤真幸さんの新刊『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』の刊行記念対談が、5月1日に行われました(NHK文化センター主催。オンライン)。ゲーム作家・文筆家の山本貴光さんと大澤さんが、パンデミック後に望まれる社会のありかたについて語り合った2時間におよぶ討議の前編をお届けします。 出来事「そのもの」には尽きない感覚 大澤 今日は、僕の新著