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NHK「シャキーン!」の初代MC・あやめちゃんが発見!――絵本『シャキーン!の木のきのまたゆ』の楽しい世界

 子どもたちを楽しく目覚めさせる知的エンターテインメント番組NHK「シャキーン!」(Eテレ)は2021年で14年目を迎えます。その初代MCを務めた小島あやめさん(通称 :あやめちゃん)は、番組キャラクターのジュモクさん(声:片桐仁氏)やネコッパチ(声:やついいちろう氏)の自由なボケとツッコミをうまくかわし、レベルの高い歌や踊りで4年間お茶の間を楽しませてくれました。
 現在はタレントとして、バラエティーや舞台、SNSを中心に活動している小島さんが、「シャキーン!」の世界観が表現された絵本『シャキーン!の木のきのまたゆ』(ぶん・とみながまい/え・いぬんこ)を読んでみて、その魅力、驚きの発見、そして「シャキーン!」のMCを経験したからこその本書の楽しみ方について語ってくれました。

編集部:初代MCのあやめさんに読んでいただきうれしいです! この本を知ったきっかけは?

あやめ:SNSでこの絵本の期間限定試し読みがあることを知り、サイトで読んでみると、“あやめちゃん”らしきキャラクターをみつけました。これはもう買わなきゃ! と思い購入したんです。絵本を見た母は、「あやめがいるー!」って喜んでいました(笑)。
 最初は他のMCの子たちも描かれていることに気づかなかったのですが、読み進めていくとページのいろんなところに、ここちゃんあゆちゃんなど現在までのMCたちも描かれていたのでびっくりしました。

編集部:実は、今年度から登場した「むちゅう人」の3人も描かれているんです。

あやめ:(絵を見ながら)本当だ!! 絵を描かれたいぬんこさんとはSNSでもちょくちょく交流させていただいて、いぬんこさんのイラストを拝見する機会も多いのですが、この絵本のイラストはすごく細かいところにまでこだわりを感じました。

IMG_0023_トリミング済み

編集部:この絵本の中で、あやめさんが特に好きな場面(イラスト)はありますか?

あやめ:私は、P18-19で子どもたちが木の周りを一生懸命掘っているシーンが好きです。自分たちのアイディアを信じて、ひたすらそれを成功させようと頑張っている姿がいいなぁと。そのページの奥の方にいるカブトムシがみんなと一緒に土を掘っているのですが、なんとも言えないシュールさがあって好きです。このカブトムシは正面から見たらどういう表情をしているんだろう、と想像しちゃいます(笑)。

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あやめ:あと、タッチが急に変わるP24-25の縦見開きで読むシーンは、シャキーンの木が静かにお湯に浸かっていて、他のページと違い大人っぽい雰囲気だなと思いました。そして、ジュモクさんがビーチチェアに寝転んで、足(?)を組んでいる姿は笑ってしまいました。ジュモクさんの足元ってこんな感じだったのか! と衝撃でした(笑)。

編集部:私もジュモクさんの足を初めて見たときは驚きました。

あやめ:本当にこの絵本は読めば読むほど、いろいろな発見があります。例えば、P12-13で子どもたちがシャキーンの木に呼び掛けているシーン。このページには、木の幹の縦じまのように見せて、実は「CITY」という文字が隠れるように書かれていていますよね。気づいたときはうれしかったです。

編集部:なんと! 恥ずかしながら、そのことを今知りました。いぬんこさんのイラストはいろんなところにちょっとした仕掛けが入っているので、担当していてもこういう新しい発見が常にあります。
 今度は私からあやめさんに仕掛けをお伝えすると、最初のページと最後のページは「間違い探し」になっているんです。手前のメンバーが入れ替わっていて、奥の「きのまたゆ」に浸かる人たちは同じメンバーですが、ところどころ違うところがあるのでぜひ探してみてください。

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あやめ:本当だ、間違い探しになっていることは気づきませんでした! そしてアマビエ様も浸かっているー(笑)。おもしろいですね。
 ちなみに、「シャキーン!」でのあやめちゃんは、ふだんは黄色の衣装を着ていたのですが、一時期だけピンク色の衣装を着ていたことがあったんです。いぬんこさんはそのことを覚えていてくださったのか、あやめちゃんがみんなと一緒にお湯に浸かっている最後の方のシーンでは、そのピンク色の衣装で描かれていました。思わず「いぬんこさん、すごいっ!」とうれしい発見でしたが、多分、私しか気づけないですね(笑)。
 いぬんこさんのイラストは、カラフルかつどこか和の雰囲気もあるので、大人の方でもなじみやすいと思います。いろんなところに、こういった発見や遊び心があるので、本当に何度読んでも飽きずに楽しめます。

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編集部: MC “あやめちゃん” を経験したからこその気づきもたくさんあったようでうれしいです。同じようにストーリーを読んでいて、何か感じたことはありますか?

あやめ:「シャキーン!」はとても楽しい番組ですが、人に対しても物に対しても、そこにあるのが当たり前ではなく、ありがたみを感じることや感謝することの大切さが軸にあったように思います。なので、この絵本でも「ありがたやー」という言葉が入っている歌が何度も出てきたり、シャキーンの木をお湯に浸からせて木の住人たちみんなで感謝をしたり……。それは、番組でもアートディレクションを務めるとみながさんが、そういったありがたみや感謝を大切に考えているのかなと思いました。とみながさんは、私が出演していた当時から優しい雰囲気で大事なことを教えてくださったので、その優しさがストーリーにも出ている気がします。
 大人では考えつかないような発想を子どもたちだけで考えて、動いて、解決するという成功体験のストーリーは、思いついたことをおもいっきりやってみることの大切を子どもたちに気づかせてくれますよね。それは大人に対しても同じことで、私も子どものときの感覚を忘れてきていたので、自分で考えて行動してみることの大切さを改めて感じました。
 本当にこの絵本は、お子さんだけではなく大人の方も楽しめると思うんです。私は読み聞かせが得意なので、いつかこの絵本でも子どもたちに読み聞かせができるといいな。歌も歌ったりして、すごく楽しそうですよね。

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取材・文・撮影=編集部

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プロフィール
小島あやめ(こじま・あやめ)
1996年生まれ、神奈川県出身。子役時代にNHK「シャキーン!」(Eテレ)の初代MCを務め話題となる。そのほか主な出演作に、ドラマ「すいか」「金田一少年の事件簿N(Neo)」、バラエティー「笑う犬の太陽」「めちゃ×2イケてるッ!」「そんなコト考えたことなかったクイズ トリニクって何の肉!?」など。
※小島あやめさんのTwitterはこちら

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