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比べてみると、生き物の体のしくみが見えてくる!「キリンと人間、どこが違う?」郡司芽久

 キリンと人間はまったく違う動物――それは本当でしょうか? 生き物を知るうえで比較はとても大事なのです。動物学者で「キリン博士」の郡司芽久さんが、動物の体の「形」の謎やユニークな進化について楽しく解説する新連載。浅野文彦さんによるイラストも必見!

「解剖学」ってなんだろう?

 医者ではない。獣医でもない。そんな私が「解剖学」という学問に出会って12年がたった。振り返ると、死と向き合いつづけたこの12年の日々は、生と向き合う時間でもあった。

 解剖学は、大雑把にいえば、体の構造を調べる学問である。生きたまま体の内部を詳しく調べることは難しいので、当然のことながら、扱うのは遺体だ。
 私が解剖するのは、おもに動物園で飼育されていた動物たち。多くの来園者に癒しや学びをもたらしてくれる動物たちも、生き物である以上、いつかは必ず亡くなってしまう。私は、そうした動物たちの遺体を献体していただいて、解剖を行っている。メインの研究対象は、子どもの頃から大好きなキリン。全国各地の動物園に協力していただき、だいたい年に3頭ほどのキリンを解剖している。

「キリンが大好きなら、解剖するのはつらくないですか?」とよく尋ねられる。もともと解剖を学ぼうと思っていたわけではなく、キリンの研究ができる方法を探るうちに、いつのまにか解剖学の道に進んでいた、という感じなので、はじめから何の抵抗もなかったというと嘘になるかもしれない。けれども私が解剖するのは、基本的に、なんらかの要因で自然と亡くなってしまった動物たちだ。天寿を全うした個体もいれば、事故や病気で亡くなってしまった個体もいる。死にいたった理由はさまざまだが、解剖のために殺された個体はいまのところ1頭もいない。
 亡くなってしまった動物たちの遺体と真摯に向き合い、一つでも多くの発見をする。それが、尽きてしまった命に対して、私ができる唯一のことだ。

 さて、解剖というと、どうも死因を明らかにするために行うものというイメージをもつ方が多いらしい。前述の通り、私は医者でも獣医でもないので、死因の判定をしたことは一度もない。そもそも動物園で動物が亡くなった場合は、はじめに獣医さんが解剖し、死因の調査を行うことになっているため、基本的に私の出る幕はない。せいぜい、「肋骨に骨折が治った痕がありました」「右肘の関節に炎症が起きていたようです」と動物園に伝える程度だ。このような「なぜ死んでしまったのか」を解明することを目的とした解剖を、病理解剖と呼ぶ。
 これに対し、私の専門は、比較解剖学と呼ばれる分野だ。簡単にいえば、「ヒトとキリンは、どちらも哺乳類だけれど、体の構造には違いがあるのだろうか? または、同じような部分もあるのだろうか?」というような疑問を、動物同士を「比較」することで解き明かしていく学問だ。

比較して「生きる仕組み」を探る

 比較は、生き物を知るうえでとても大事だ。「ヒトって、いったいどんな生き物なんだろう?」との疑問に答えようと思ったら、ヒト以外の動物をよく知り、比較して、「ヒト以外にも見られる特徴なのか」「ヒトにしかない特徴なのか」を一つずつ整理していく必要がある。そうして初めて、ヒトの全体像が見えてくる。一つの生き物だけを見ていても、その生き物のすべてを理解することはできないのだ。
 では、ヒトとキリンの体は、どこが似ていて、どこが違うのだろうか? 姿かたちを見比べてみると、全然似ていないように思える。キリンの身長は4〜5メートルで、2階のベランダに出たときにちょうど目が合うくらいの高さだ。外に連れ出したら、車用の信号機や陸橋の下をギリギリくぐれるくらいの身長である。身長だけでなく、足の長さや首の長さもまったく違うし、ヒトの手が5本指なのに対して、キリンの手先は「ひづめ」になっている。キリンには、私たちにはない〝角〞もあるし、私たちと違って植物だけを食べて生活している。
 見比べてみると、異なるところばかりが目についてしまうけれど、実際には「似ている部分」もたくさんある。ヒトとキリンは、どちらも胎盤をもち、ある程度の大きさになるまでお腹の中で赤ちゃんを育てるし、胴体には乳腺があり、生まれた赤ちゃんに母乳を与える。ちなみにキリンの妊娠期間は、私たちよりだいぶ長く、1年半ほどにおよぶ。

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 今後の連載の中で詳しく説明していく予定だが、あれだけ長さが異なる首にも、「首の中に入っている骨(頸椎)の数は7個」という共通の特徴がある。
 こうした「似ている部分」に注目すれば、特定のグループに共通した〝体づくりの基本ルール〞を発見できる。たとえば、上でもあげた「乳腺をもつ」というのは、いま地球上にいるあらゆる哺乳類がもつ特徴だ。お腹の中で赤ちゃんを育てる「胎生」は、じつは哺乳類全体に当てはまる特徴ではない。哺乳類は、文字通り、「哺乳」が最大の特徴であるグループなのだ。また、「頸椎の数は7個」も、ほんのわずかな例外はあるけれど、ほとんどすべての哺乳類に当てはまる「体の構造の基本ルール」だ。
「似ている部分」を知ることで、生き物をグループ分けすることができる。たくさんの種が含まれる大きなグループから、共通点の多い動物たちをまとめて、さらに小さなグループへと分けていく。サルの仲間は「霊長類」というグループにまとめられ、そのなかでもヒトに近い中型・大型の種は「類人猿」とひとまとめにされている。類人猿には、チンパンジーやオランウータン、ゴリラ、テナガザルなどが含まれている。哺乳類全体を見ていても、それぞれの動物の進化の道筋を理解するのは難しいけれど、生き物を分類することで、複雑な進化を体系立てて理解できるようになるのだ。

 では、「違う部分」は私たちに何を教えてくれるのだろう。高い場所にも低い場所にも届く柔軟なキリンの首。竹をつかみやすいパンダの手。花の蜜を吸いやすいハチドリの舌……。ほかの生き物とは違う部分、つまり「その生き物でしか見ることができない構造」に着目すれば、その生き物が独自に遂げた進化が浮かび上がってくる。
 比較解剖学は、ほかの動物では見ることのできない一風変わった体の構造から、それぞれの動物の 〝生き様〞をひもとくことを可能にしてくれる。病理解剖学が「死の理由」を探る学問ならば、比較解剖学は「生きる仕組み」を探る学問だ。

 この12年間、動物園から訃報が届けば、クリスマスでもお正月でもかまわず作業に向かい、数多くの遺体と向き合ってきた。38頭のキリン、3頭のオカピ、5頭のゾウ、コアラ、サイ、バク、ラクダ、ウマ、ナマケモノ、アリクイ、ヤマアラシ……。生まれたばかりの赤ちゃんから、私の両親と同じくらいの年老いた個体まで、さまざまな形の死にふれてきた。医療従事者ではないにもかかわらず、人体解剖の経験も積ませていただいた。
 そうして体の中の構造を知るほどに、生物の体がきわめて精緻な構造をしていることを痛感する。そして、体内のいたるところに、生息する環境に適した〝工夫〞が隠されているのが見えてくる。
 もちろん、体内の器官の名前や構造、役割といった解剖学の知識がなくても、それらは日々勝手に働いてくれるので、生きていくことはできる。けれども、体の構造を知り、各器官の働きを知り、それぞれの器官の成り立ちを理解することは、自分自身の体に興味と敬意をもつきっかけになるはずだ。
ここからは、具体的な例を示しながら、私たちの体に刻まれた「進化の歴史」を見ていきたい。

息を吸う

 多くの人にとって、2020年は人生の中でもとても思い出深い一年だっただろう。日常生活は激変し、これまでの「当たり前」は崩れ去った。昨年春以降は、外出時には必ずマスクを着用し、こまめにアルコール消毒をするようにもなった。そして、自分の健康状態、とくに喉や肺の状態を気にすることが格段に増えた。いうまでもなく、COVID-19、通称「新型コロナウイルス感染症」の影響だ。30代に入り、昔よりは健康状態に気を配るようになったとはいえ、軽い咳や微熱にまで敏感に反応してしまうのは、やはりこの感染症の影響が大きい。
 このウイルスによって深刻なダメージを受けると言われているのが、肺である。呼吸は基本的に無意識で行うため、こんな世の中でなければ、肺という器官の状態を気にすることなどほとんどないかもしれない。とはいえ肺は、私たちの生命の根幹を支えるきわめて重要な器官である。
 そこでこの連載の初回は、最近急に身近になった「肺」をテーマにして、生命の進化の歴史をひもといていきたい。

 多くの方がご存じの通り、肺というのは地上で空気呼吸をする際に使われる臓器だ。空気中の酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を体外に排出する役割をもつ。体格によって多少の差はあるが、私たちは1日に平均2万〜3万回の呼吸をしているらしい。
 肺は、とても軽くてやわらかい器官で、空気が入ると風船のように大きくふくらむ。ホルモン屋さんで「フワ」「ヤオギモ」というメニューがあったら、それが牛の肺だ。マシュマロのような独特の軽い食感に、ホルモンらしいクセがあり、なかなかの珍味なので、興味がある方はぜひ食べてみてほしい。

 肺の内部には、空気が通る細かい気管支と細い血管が張りめぐらされていて、気管支を通って体内に入ってきた酸素は、血管の中に取り込まれて血液とともに全身へ送られる。また同時に、血液の中に溶け込んだ老廃物である二酸化炭素は、気管支へ移動し、体外へと排出される。この一連の流れが、「肺呼吸」である。
 私たちヒトだけでなく、哺乳類の仲間はみな肺を使って呼吸している。水中で生活するクジラやイルカの仲間も、肺呼吸だ。それ以外にも、カエルやサンショウウオといった両生類の仲間、ワニやトカゲといった爬虫類の仲間、ニワトリやハトをはじめとする鳥類の仲間など、いわゆる「四足動物」と呼ばれるグループに属する生き物は、基本的に、肺呼吸を行っている(両生類の仲間を中心に、一部の種は、肺呼吸のほかに皮膚呼吸も行う)。
 なんと、私たちとは遠く離れたグループに属する無脊椎動物(背骨をもたない動物たち、昆虫やイカ、タコ、エビなど)の仲間の中にも、肺呼吸を行う生き物がいる。カタツムリやナメクジだ。ただし、ニワトリやワニの肺が私たちの肺と同じ起源をもつ器官なのに対し、カタツムリやナメクジの肺は成り立ちが少し異なっている。どちらも空気呼吸に使う器官をもち、それを私たちが同じ「肺」という名で呼んでいるだけで、まったく同じ器官をもっているというわけではないからだ。
「共通の祖先に由来する、同じ起源をもつ構造」なのか、「見た目や働きは似ているが、由来や成り立ちはまったく異なる構造」なのかを区別することは、生物の進化を理解するうえでとても重要だ。生物学においては、前者を「相同」、後者を「相似」と呼ぶ。

 さて、カタツムリの仲間も有している肺という器官だが、無脊椎動物よりもはるかに私たちに近しい〝親戚〞とも言える魚類の仲間は、「エラ呼吸」がメインだ。エラの内部には無数の血管が張りめぐらされていて、エラの隙間を水が通り抜ける際に、水中の酸素が血管内へ、血中の二酸化炭素が水中へと移動する仕組みである。
 ただし魚の仲間の中には、例外的に、空気呼吸をメインとする種もいる。オーストラリアやアフリカ、アメリカなどに生息する「ハイギョ」の仲間だ。名前の通り、私たちの肺と同様の器官をもち、水面に口を出して肺呼吸を行う。エラもあるものの、ほとんど退化してしまっている。
 ハイギョの仲間は、現在生息する魚の中で最も四足動物に近いグループだ。ヒレの構造がほかの魚とはやや異なっていて、私たちの手足と少し似た骨格をもっているのだ。私たちに近い仲間であるハイギョが肺をもっているということは、「魚の仲間の中でも、進化した一部のグループが肺を獲得し、陸上へと進出し、四足動物が進化した」ということだ――そんな風に考えてしまいそうだ。
 ところが、実際はまったく違う。化石記録から、ハイギョが誕生するよりもはるかに昔、いまいる魚たちの祖先にあたるような非常に原始的な魚の仲間が、すでに肺のような器官をもっていたことがわかっている。つまり肺は、「進化した一部の魚が獲得した器官」なのではなく、「魚類の進化の歴史の中で、かなり早い段階ですでにあった器官」なのだ。
 それはいったいどういうことなのだろうか?

「息苦しさ」への対応策

 原始的な魚の仲間が「肺のような器官」をもつようになったのは、今から4億年ほど前、デボン紀と呼ばれる時代の話だ。彼らは、喉の奥に一対の小さな袋状の器官をもち、エラ呼吸に加えて、この器官にためた空気からも酸素を取り入れていたようだ。そしてこの小さな袋が、進化の過程で少しずつ形を変え、「肺」になっていったと考えられている。
 重要なのは、この器官を最初にもった魚の仲間は、けっして陸上で生活していたわけではないということだ。肺のような器官をもつ魚の仲間が初めて現れたのは、脊椎動物が陸上へ進出するよりもずっと前の話である。彼らは、空気が豊富にある陸上で生活していたわけではなく、ほかの多くの魚と同じく、水中を生活の場としていた。水の中で生きる魚たちの中で、肺のような器官が獲得されたのはなぜなのだろうか? その答えは、「デボン紀」という時代の気候にあった。

 デボン紀は、とても温暖な気候だったと言われている。デボン紀の初期に起きた大陸衝突により、いくつかの大陸には巨大な山脈が形成され、上空の大気の流れが変化し、頻繁に雨が降るようになった。そうして、地上には河川や池、沼地、湿地帯などが作られていった。そして、デボン紀に大繁栄した原始的な魚の仲間は、新たに現れた池や沼池に次々と進出した。
 そこで彼らは、大きな問題に直面することになる。酸素不足だ。池や沼地のような「流れが少なくよどんだ水」は、流れがある海や川に比べて、水中の酸素量がとても少ないのだ。さらに、水に溶け込んでいる酸素の量は、水温が高いほど少なくなるという特徴がある。水温が25度ならば、0度の時に比べて水中の酸素量は4割ほど減少するようだ。デボン紀はとても温暖な時代だったため、池や沼池の水も暖かかっただろう。ただでさえよどんでいて酸素が少ないうえに、水温が高かったとなれば、この時代の池には、ほんのわずかな酸素しかなかったはずだ。
 また、デボン紀には雨季と乾季があったと考えられている。内陸部の池や沼池では、季節によっては水が少なくなったり干上がったりもしたにちがいない。喉の奥に小さな空気の袋をもち、そこから酸素を得ることができた魚たちは、こうした環境の中で生き延びるのに有利だったのだろう。酸素の少ない水の中から口を突き出し、酸素が豊富に含まれた空気を吸い込み、酸素を得る。デボン紀の魚の一部は、そうして生き延びていったようだ。

 つまり、肺の元となった器官は、「陸上で生きることを可能にした器官」ではなく、「酸素の少ない息苦しい水中でも生きることを可能にした器官」なのだ。

いらなくなった「肺のもと」

 こうしてできた「肺の原型となる器官」は、進化の過程で少しずつ形を変えていった。ハイギョをふくむ一部のグループでは、単なる袋状の構造から、大きな表面積をもち、効率よく酸素を取り入れることができる肺へと変化した。
 では、それ以外の魚たちではどうだろうか? 肺の原型となる器官を獲得した魚の多くは、その後、生活の場を再び海へと移していったとされる。デボン紀以降は寒冷化が進んだため、流れがあり冷たい海の中では、酸素の心配をする必要はあまりなかっただろう。そのため、肺のような器官を呼吸に使う必要はなくなった。ところが、多くの魚の仲間において、この器官が完全になくなることはなかった。次第に「酸素を得る役割」から「浮力を調整する役割」へとシフトしていったのだ。
 魚の体は水よりも比重が重いため、じっとしていると沈んでいってしまう。軽い空気で満たされた袋は、浮力を得るのに大いに役立ったのだ。空気の量で浮力を調整できるのも便利だったのだろう。その後長い時間をかけ、左右一対あった肺の原型となった袋は、片方が退縮し、1つだけになった。これが「うきぶくろ」である。
 現在生息する魚のほとんどは、もはやうきぶくろを呼吸器官としては使っていないが、ピラルクやガー、ポリプテルス、アミアなど、一部の魚の仲間たちは、今でもうきぶくろを使って空気呼吸をすることができるそうだ。

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 進化について語るとき、「◯◯の〝ために〞進化した」という表現をすることが多い。肺であれば、「陸上で空気呼吸を行う〝ために〞進化した器官」というような感じだ。けれども、実際のところ、進化にそんな目的意識は存在しない
 肺という器官は、脊椎動物の仲間が地上へと進出するはるか前から、すでに作られはじめていた。それは「いつか陸に上がるため」ではない。酸素の少ない温かい池の中では、肺のような器官をもった個体が生き残りやすかっただけだ。化石記録に残っていないだけで、きっとほかにも、さまざまな〝進化の試行錯誤〞が行われていたのだろうと思う。
 4億年前にできた「喉の奥の小さな袋」は、長い時間を経て肺となり、脊椎動物の仲間が陸上に進出する際、大きな役割を果たすことになったのだ。

 科学系の教養番組では、「四足動物の陸上への進出」というと、壮大な歴史の第一歩という演出をされていることが多い気がする。ドラマティックなBGMとともに、「いま、まさに……!」という感じで上陸していくCGが思い浮かぶ。真実は誰にも知ることはできないが、実際の陸上進出のきっかけは、「乾季のあいだに陸地に取り残されてしまった」という感じだったんじゃないかなあ、と思っている。
 歴史に残る一歩、というかっこよさはないかもしれないけれど、「息苦しい場所で試行錯誤して得られたものが、まったく別の世界への扉を開くきっかけになった」というのは、私にとっては十分ドラマティックな話だ。

 昨年の春から、ずっとどこかで「息苦しさ」を感じている気がする。活動が制限され、移動が規制され、世界が狭くなってしまったかのようだ。新しい人間関係を構築する機会も、極端に減った。それでも、オンラインで交流してみたり、近しい人たちとのコミュニケーションを今まで以上に大事にしたりと、この状況下で楽しく生きられる方法を模索する日々だ。
 息苦しさを感じるなかで、なんとか見つけた解決策のどれかが、いつか私たちの生き方や生活を大きく変えるきっかけになるかもしれない。酸素の少ない、よどんだぬるい水の中で進んだ肺の進化は、私にそう思わせてくれる。
 私たちの体は、文字通りそれを「体現」しているのだ。

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プロフィール
郡司芽久(ぐんじ・めぐ)

筑波大学システム情報系研究員。2017年3月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程にて博士号(農学)を取得。同年4月より日本学術振興会特別研究員PDとして国立科学博物館勤務後、2020年4月より現職。帝京科学大学非常勤講師(動物解剖学)。専門は解剖学・形態学。第7回日本学術振興会育志賞を受賞。著書に『キリン解剖記』(ナツメ社)。

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