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百音のいちばんの理解者でありたい――連続テレビ小説「おかえりモネ」主演・清原果耶インタビュー

 現在放送中のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」。ヒロイン・永浦百音(ながうらももね)は、ついに気象予報士の資格試験に合格し、東京の気象情報会社で働き始めます。
 当記事では、8月10日発売の『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 おかえりモネ Part2』より、百音を演じる清原果耶さんの撮り下ろし巻頭インタビューをお届けします。百音のこころの動きを繊細に、丁寧に、誠実に演じる清原果耶さんに、今、抱く思い、そして収録終盤に向けた心境を伺いました。

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気象予報士は百音にとって天職

 気象予報士の試験に合格して、百音は東京で働き始めました。気象予報士になっていなかったら、百音の人生はどうなっていたんだろう? と思えるくらい、百音にとって天職とも言える職業に就けたんじゃないかなと思います。そんな道を選ぶことができたのは、百音が人に恵まれていたからですし。気象に興味を持ったのも、気象キャスターの朝岡さん(西島秀俊)と出会えたから。それから、おじいちゃん(藤竜也)やサヤカさん(夏木マリ)という、〝海も山も空も全部つながっている〟と教えてくれる人がそばにいました。そういった人たちのおかげで、「誰かの役に立ちたい」という百音の願いが気象予報士という仕事に結びついたんだと思います。実際に気象予報士になってからは、その願いを実行できる考え方や行動力を身につけていきます。知識や経験が増えればできることも広がっていく。人生を豊かにしてくれる仕事ができてよかったと、私自身も思います。
 朝岡さんが所属する会社「Weather Experts(ウェザーエキスパーツ)」に入って仕事をしていると、登米や気仙沼にいるときとは違う感覚になるんです。日々がせわしなく過ぎて、都会にもまれている感じ。でも、東京編のキャストの皆さんも個性豊かでユニークな方ばかりで、撮影は本当に楽しいんですよ。朝岡さんも間近で接すると、気象の仕事でやりたいと思っている野望みたいなものが見えてきて、「こんな人だったっけ?」と思うくらい熱かったり、おもしろかったり(笑)。自分の思いや経験を交えながら教えてくれるので、こんな上司がいたら幸せだなと思います。

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ひとつひとつ丁寧に向き合うことを大事に

 最初はテレビのお天気コーナーから始める百音ですが、会社には交通機関を担当する班があるなど、気象予報がいろいろなところで役立っていることを知ります。私自身も初めて知ったのが、スポーツとの関わり。ドラマでは、車いすマラソンの選手をサポートするのですが、競技でベストを尽くせるようにその日の気象データを隅々まで計算してレースを組み立てていく。選手との一体感は撮影していても楽しかったですし、誰かを本気で応援して、支えることができる百音が、私には頼もしく見えました。もちろん責任が伴いますけど、シンプルな言い方をすると、気象予報士ってカッコいい職業であり、社会にとってすごく大きな存在なんだなと改めて気付かされました。ただ、「自分の大切な人や身近な人の役に立ちたい」という百音の思いは変わらない。むしろどんどん強くなって、全国ニュースでは気仙沼や登米の人たちに情報が届かないもどかしさを抱えるようになるんです。実際にもっとピンポイントで情報提示できないかと葛藤する気象予報士の方がたくさんいらっしゃるみたいなんですけど、百音もまさにそこにぶつかって悩んで、どうすればいいのか考えていきます。
 百音って、優しいし、誠実だし、すべてにちゃんと向き合おうとする子なんですよね。生きていたら、「これはスルーしちゃおう」とか「見逃しちゃおう」と思うことが少なからずありますけど、百音にはそういうことがほぼない。全部感じるし、吸収する。だから、百音を演じていると大変な気持ちになることもある。でも、全部感じるってある種の才能のような気がしますし、それこそが百音のいいところだと私は思います。監督やスタッフ、キャストの皆さんも、出会う人や出会うこと全部に丁寧に触っていく百音を、一緒に描こうとしてくださっているのでとても信頼しています。私もひとつひとつ丁寧に向き合うことを大事にして、百音と一体化しながら演じたいと思います。
 気付いたら撮影終盤まできて、自分は大丈夫だったかなと焦り始めてもいます。でも、ゆっくりではありますが、百音は着実に大人になり進んでいくので、いちばんの理解者であり味方として、これからも百音に寄り添い続けていきたいと思います。

取材・文=大内弓子 撮影=林 響太朗(DRAWING AND MANUAL INC.)
染色布=YUKI FUJISAWA 照明=田上直人(Flip-book Inc.)撮影協力=松濤スタジオ スタイリング=井阪 恵 ヘア&メイク=窪田健吾(aiutare)
衣装協力=ジャケット¥74,800、ベスト¥37,400、パンツ¥49,500(すべてライフウィズフラワーズ[クレヨン]/問い合わせ先 クレヨン TEL 03-3709-1811)

プロフィール
清原果耶(きよはら・かや)
2002年生まれ、大阪府出身。15年、連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビュー。主な出演作に、映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」「まともじゃないのは君も一緒」、ドラマ「俺の話は長い」など。NHKでは、連続テレビ小説「なつぞら」、「透明なゆりかご」「螢草 菜々の剣」などに出演。

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