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シンプルな暮らしが、持続可能への道をひらく! 世界の若者たちの共感を呼んだ「希望の哲学」

 モノを所有し、それを消費するのが日常となったわたしたち現代人は、ほんとうにしあわせでしょうか? 大量生産・大量消費の生活は、かならず弱い立場にある人や自然環境を犠牲にする、とサティシュ・クマールは言います。〈エレガント・シンプリシティ〉という理想を支えているのは、より少ないモノでよりよく生きる技術(アート)です。一度立ち止まって、モノや時間に縛られ追い立てられる生活を見直してみませんか? 好評発売中の『エレガント・シンプリシティ 「簡素」に美しく生きる』にはそのためのヒントがぎっしり詰まっています。その概要をご紹介します。

所有し、消費する人でなく、与え、つくりだす人になろう。
それが自由への第一歩。

 著者、サティシュ・クマールはイギリスで、30年にわたり世界中から学生を受け入れている「ホリスティック学」を学ぶ大学院大学「シューマッハー・カレッジ」の創設者であり、世界的に著名なエコロジストです。
 インドに生まれ、9歳で修行の厳しさで有名なジャイナ教の僧となり、長い修行生活を送りますが、17歳のときに出合ったマハトマ・ガンディーの書物に感銘を受け、僧院を離れ、還俗して社会のために生きる決意をします。その後、核兵器廃絶のために世界の核保有国を徒歩(しかも無銭)で巡礼するなど、数々の偉業を行いました。
 やがて、世界的なベストセラー『スモール・イズ・ビューティフル』の著者E.F.シューマッハーに請われて、イギリスのエコロジー雑誌「リサージェンス」の編集主幹となるとともに、子どものための「スモール・スクール」そして、おとなのための「シューマッハー・カレッジ」を創設することになったのです。「シューマッハー・カレッジ」は世界中から入学者を受け入れています。

 本書は、いまなお多くの若者を惹きつけてやまない85歳のサティシュ・クマールの、人生の指標となる珠玉の言葉の数々がちりばめられた、氏の思想の集大成です。
 その発想の源は、「性善説に基づく知的ムーヴメントは起こせる」という理想を追求する強い信念であり、未来には希望があるという、あくまでもポジティブな精神性です。

 2021年10月、サティシュ・クマール一家は「英国で最も環境負荷の少ない“グリーンな”家族(The Greenest Family in UK)」に選ばれました。以下は11月30日に放映されたBBCのニュース映像です。
P.E.A Award for the Greenest Family on Vimeo

 日本にも氏の思想に感銘を受けた人々がたくさんいます。2021年11月30日に行われた慶應SDMヒューマンラボ公開講座のオンライン講演会には日本国内だけでなく各国から700名の参加申し込みがあり、盛況のうちに終了いたしました。(http://www.sdm.keio.ac.jp/2021/10/10-083005.html

 以下に本書の中にちりばめられたサティシュ氏の言葉のほんの一部をご紹介します。どなたにも、生涯心に残る言葉が必ず見つかることでしょう。

◎シンプリシティとは、こころを込めてマインドフルに生きるということ
◎過剰は混乱を、簡素は清澄を生む。シンプリシティとは物事の限度を受けいれること
◎シンプルさのあるところには、「ほんもの」がある
◎人生を複雑で面倒なものにしたくなかったら、「エゴ」から「エコ」へとシフトしよう
◎私が私で、あなたがあなたであれば、それでいい
◎大事なことはただ、あなたがシンプルに楽しく暮らすこと。自分がここちよいと思えれば、それで充分
◎遅かれ早かれ、人間が地球にゆるしを乞うときは必ずくる
◎愛に条件をつけたとたん、ほんとうの愛は手をすり抜ける
◎すべての生きものはお互いを養いあっている。これがエコロジー


 本書の翻訳者である明治学院大学名誉教授、辻󠄀信一さんはあとがきで以下のように述べています。

「シンプルであること」は著者の生涯にわたる生き方の基調だ。
 長年にわたる多彩な活動を支え、またその中で育まれ、発酵し続けてきた彼の哲学が、ここに、明快でコンパクトに(そして、シンプルに)まとめられている。(中略)
 今ぼくたちは「人新世」という言葉に表される、人類そのものの存続が問われるようなかつてない危機の時代に生きている。コロナ禍は、そのひとつの兆候にすぎないのだろう。悲観や絶望や冷笑的な態度が広がるそんな時代に、サティシュの思想が、いよいよ輝きを放つことになると、ぼくは確信している。

 さあ、あなたもあなた自身の答えを見つけるために、この本の中を旅してみませんか?

出版記念イベントのお知らせ

 2021年12月18日に出版記念の、サティシュ・クマール氏のオンライントークショー第一弾が予定されています。
詳しくは以下URLをご覧ください。
https://satish1218.peatix.com/

 第二弾は、年明けの2022年1月16日の予定です。
https://satish0116.peatix.com/

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