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2人を待ち受ける未来に注目! NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」黒島結菜✕宮沢氷魚 対談

現在放送中のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」では、本土復帰50年を迎える沖縄を舞台に、美しい家族とふるさとの物語を描いていきます。
本記事では、7月25日発売の『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 ちむどんどん Part2』より、ヒロイン・暢子を演じる黒島結菜さんとヒロインの幼なじみ・青柳和彦を演じる宮沢氷魚さんの対談をお届けします。
暢子と和彦、2人の未来について語っていただきました。


黒島 氷魚くんとは今回が初共演なんです。初対面は氷魚くんの撮影初日でした。
宮沢 そうそう。その日は結菜ちゃんと一緒のシーンはなかったけれど、結菜ちゃんが自分の収録が終わっても残っていてくれたんだよね。
黒島 初めて会う氷魚くんはとてもキラキラしていて、少し戸惑いました。
宮沢 キラキラしてたかな(笑)。
黒島 してたよー! 今は慣れました(笑)。
宮沢 よかった(笑)。
黒島 氷魚くんも、自分のシーンがないときに収録を見に来てくれました。
宮沢 僕は初収録から次の収録まで2か月くらい間があいて、この間に(1週~5週の)「沖縄編」を撮ると聞いていたので、現場の雰囲気を見ておきたくて。見学したときに強烈に印象に残ったのは、スキップする暢子(笑)。
黒島 高校時代の暢子はスキップしてましたね(笑)。
宮沢 初対面のときの結菜ちゃんはクールで落ち着いたイメージだったので、意外だなって。
黒島 ふだんはわりと淡々としています(笑)。
宮沢 まだ放送もスタートしていない時期だったので、初めて目にする暢子が新鮮でした。智(前田公輝)の元気なキャラクターも印象的だった。
黒島 賢秀(竜星涼)はさらに元気!
宮沢 確かに! 僕、賢秀が大好きなんです。竜星さんとのお芝居はとても楽しい。竜星さんは本番でどういう芝居をするのか予測がつかないので、フレッシュなリアクションを引き出してもらっている感覚がある。
黒島 ニーニー(賢秀)は、尺の関係でカットされたシーンだけ集めてもおもしろいと思う(笑)。
宮沢 確かに見てみたい(笑)。
黒島 私と氷魚くんの初収録は、和彦が暢子の下宿先に引っ越してきて、「まさかやー!」とびっくりするシーンでした。あのシーンが最初でよかった。氷魚くんとのお芝居を探っている自分の気持ちが、和彦と再会して間もない暢子の気持ちにリンクしました。
宮沢 お互いにどう接したらいいのかという……。
黒島 そうそう。収録を重ねてきて今思うのは、和彦のキャラクターは氷魚くんに近いのかなと。
宮沢 自分でも似ていると思うよ。特に不器用なところが(苦笑)。
黒島 えっ、そこなの?(笑)
宮沢 そう(笑)。僕は器用な人に見られることが多いんだけど、実際はそんなことない。自分に対して悔しくて、なんとか乗り越えたいと思っているところが、和彦と似ているなって。
黒島 私が和彦に近いと思ったのは、氷魚くんの優しい雰囲気。あと、セリフがないときの氷魚くんに和彦らしさを感じることが多いです。記者としての情熱が垣間見えたり、どこか寂しげな表情だったり……。「こういうところに暢子は惹かれるんだなぁ」って。

複雑な恋愛模様を演じる難しさ

宮沢 僕は暢子というキャラクターには魅力を感じるし、和彦が暢子を好きになるのも理解できる。和彦の中には、ライフワークの沖縄研究が思うようにできないストレスや、うまくいっている人間関係を壊すことの怖さがあったんだと思う。和彦は、暢子が目標に向かってまっすぐ突き進んでいけるのが羨ましくて、自然と「暢子の成長をそばで見ていたい。一緒に成長したい」という気持ちが募っていったんじゃないかな。
黒島 和彦のそばにはずっと愛さんがいたから、暢子と和彦の距離感はずっと微妙で、暢子はもっと近づきたいのに近づけない寂しさを抱えていたと思う。それが恋愛感情だと気付かなかっただけで。
宮沢  智が暢子にプロポーズすると聞いたときの和彦も、暢子と同じように整理がつかない気持ちを抱えていて、お互いにモヤモヤするという……。
黒島 智と愛さんの気持ちも複雑に絡んできて、しかも4人それぞれに思いを隠しながら過ごしていたから、暢子の思いをどこまで出したらいいのか、それとも思いを抑えたほうがいいのか……。この4人の「恋愛編」は芝居に悩むことが多かったです。
宮沢 難しかったよね。気まずいやり取りをしたあとに、その気まずさをどこまで引きずればいいのかとても悩んだ。特に愛さんとのシーンは難しいだけじゃなくて、しんどかった。何がしんどいって、愛さんには欠点がないんだよね。
黒島 和彦のセリフにもあったけれど、ほんとにそう。
宮沢 愛さんのどこかに欠点があれば、それを理由にして気持ちを作っていけるんだけど、それができなかった。
黒島 見ている人の中には、智や愛さんを応援する人がきっといると思う。
宮沢 うん、そう思う。
黒島 そういえば、私と氷魚くん、公輝くん、まりえさん、監督で一緒に集まって話したことがありましたね。
宮沢 あれはすごくよかったね。
1時間くらいかけて。
黒島 そうそう。あのときに4人で台本の解釈について共有できたおかげで、自分の芝居の方向性が見えた気がしました。キャスト同士で考えをぶつけ合う雰囲気が、暢子たちにそのまま重なる感覚もありました。

結婚を決めた2人に立ちふさがる壁とは?

黒島 ようやくお互いの本当の気持ちに気付けた暢子と和彦が、結婚を誓い合う。このシーンが沖縄で撮れてよかった。
宮沢 ロケの期間は雨の日が多かったけど、そのシーンの撮影のときは快晴で感動したよ!
黒島 ウチナーンチュの私が声を大にして言います。梅雨の沖縄でこんなにすてきな快晴はめったにないです!
宮沢 そうなんだ!
黒島 もうひとつ最高だったのは、「和彦くん、うちと結婚してください」と言ったときに、鳥がピヨピヨピヨって鳴いているのが聞こえて、まるで祝福してくれているみたいで、それもすごくうれしかった。
宮沢 僕は暢子の手を握った瞬間から、周りのスタッフの存在を忘れていた。監督の「カット!」の声を聞いて「こんなに周りに人がいたんだ」って(笑)。忘れられないシーンです。
黒島 ただ、結婚を決めた2人は早々に壁にぶつかる……。
宮沢 その壁というのが、和彦の母親・重子さん(鈴木保奈美)。これからおもしろい展開になると思います。
黒島 新たな壁に挑む暢子を見てほしいです。暢子はめげないんじゃないかな。何しろ房子さん(原田美枝子)という高〜い壁に挑んだ人ですから(笑)。
宮沢 確かに(笑)。
黒島 多分、暢子はずっと変わらないと思う。結婚しても、たとえ子どもができても、自由にやりたいことに突き進んでいく。そんな暢子を和彦が支えていってくれる気がします。
宮沢 和彦は父親にいろいろな経験をさせてもらって、沖縄暮らしや海外留学を通じて豊かな心を育んだ人だと思うので、暢子や周りの人たちが、自由に生きていけるような方法を探っていくのではないかな。
黒島 和彦は優しいからね。ただ、暢子の自由さは限度を超えることがあるので……。
宮沢 そうだね(笑)。
黒島 そういったハラハラも含めて楽しんで見ていただけたらうれしいです。

 

取材・文=髙橋和子

プロフィール

くろしま・ゆいな
1997年生まれ、沖縄県出身。主な出演作に、映画「カツベン!」「明け方の若者たち」、ドラマ「ごめんね青春!」「時をかける少女」など。NHKでは、連続テレビ小説「マッサン」「スカーレット」、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」、「アシガール」シリーズに出演。

みやざわ・ひお
1994年生まれ、アメリカ合衆国カリフ ォルニア州出身。主な出演作に、映画「his」「騙し絵の牙」「ムーンライト・シャドウ」、ドラマ「コウノドリ」「偽装不倫」「ソロモンの偽証」など。NHKでは、連続テレビ小説「エール」、「星とレモンの部屋」などに出演。

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