連続テレビ小説「ブギウギ」ヒロイン・趣里さん スペシャルインタビュー
「ブギの女王」がついに誕生! スズ子の歌が日本中に元気を届けるー
現在放送中の連続テレビ小説「ブギウギ」は、戦後の大スター笠置シヅ子さんをモデルとしたオリジナルストーリー。「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに、日本の朝にあふれる笑顔をお届けします。
当記事では、1月25日発売の『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 ブギウギ Part2』より、ヒロインの福来スズ子を演じる趣里さんのスペシャルインタビューの一部をお届けします。
第1回からここまで、スズ子は本当にいろんな登場人物と次々に出会って、影響を受けながら成長してきました。後半は成長を感じる場面も増えてきて、皆さんとお芝居しながら「新しいスズ子」を発見しています。若いこ
ろは勢いまかせな部分もありました。そこから、家族との死別などさまざまな出来事を乗り越えて、ついに愛助さんとの子どもを授かりお母さんになる。何だかとても感慨深いです。
「ブギウギ」の脚本を読むと、いつもひと言では言い表せない感情にさせられます。どのシーンでも「寂しい」「悲しい」「うれしい」など、一つの気持ちでは収まらない感情が芽生えます。
脚本に導かれながら、自分でも初めて感じる気持ちを体験していますが、撮影当初から今も変わらず大切にしているのは、現場でのコミュニケーションです。台本を読んだときに感じた印象はなるべくなくして、フラットな気持ちで現場に入り、共演者との空気を感じながら演じるように心がけています。
羽鳥先生を演じる草彅剛さんもその場の空気感を大切にお芝居をされる方なので、共演はすごく楽しいです! こちらが予想できない演技をされるので、カットがかかるまでドキドキしていますが、それがまさしく羽鳥先生だと感じています。現場でも、常に草彅さんは自然体でいてくださるので、こちらも自然体で収録に臨むことができています。
菊地凛子さん演じる茨田りつ子さんは、いつもかっこいいですね。スズ子が憧れたのも分かります。かつて「別れのブルース」を聴いて心をつかまれたスズ子が、今はりつ子さんと同じステージに立っているというのは、とても感動的です。
りつ子さんと肩を並べ、〝ブギの女王〟と呼ばれることになるスズ子ですが、もともと私自身は歌への苦手意識がありました。今は撮影を重ねていく中で、少しずつですが苦手意識もなくなって、楽しくなってきています。いろんな曲を歌っていく中で、音楽って「音を楽しむ」と書くんだなと改めて考えさせられました。今も歌のお稽古を続けながら、ドラマ収録の合間には劇中歌のレコーディングに励んでいます。初めのころとは歌い方が自然と変わってきているようです。自分で意識的に歌い方を変えてはいませんが、歌唱指導の先生や現場の皆さんに「よくなっているよ」と言われました。歌
で使う筋肉が少し分かってきたのかな? でも、まだまだです。頑張らないと……!
愛助役の水上恒司さんは、ご本人がまっすぐすぎるぐらいまっすぐな方。そのまっすぐさをぶつけてもらえるだけで、自然とスズ子と愛助の関係性が成り立っていったと思います。スズ子も最初は愛助との年齢差を気にしていましたが、演じている水上さんが落ち着いているというか、いい意味でお
じいさんっぽいんです(笑)。24歳らしからぬ佇まいで、だから私も現場で楽にいられました。
お芝居にも彼の思慮深いところが表れていて、お笑いについて真剣に勉強している愛助さんに通じるものがあります。演じる本人の人柄って、やっぱりちょっとしたところに出るんです。特に連続テレビ小説は長期間の収録ですから、人柄が役にもにじんでくるんじゃないかな。スズ子は、そんな水上
さん演じる愛助の人間力に心を動かされ、学生であることや年齢差という壁も越えたんだと思います。
そんな二人のシーンで好きなのは、三鷹の家での穏やかな日常。愛助の結核の具合が少しよかったころ、庭先で二人で踊ったシーンが楽しかったです。それぞれに夢や目標を持つ二人が、日常を一つにして過ごしている姿がすてきだなと思いました。愛助さんからのプロポーズ(第61回)も印象的で
したね。空襲警報が鳴る中、病院で「結婚してください」と言われたときにはグッとくるものがありました。
(中略)
物語は終盤に向かって、新しい登場人物も出てきますが、変わらずすてきな役者さんたちによる、最高のお芝居が繰り広げられます。皆さまぜひご一緒に、スズ子の人生にかき回されてください(笑)。最後まで見届けていただけるとうれしいです。私自身もますます前へ向かって、歩いていけたらと思
っておりますので、応援よろしくお願いします!
取材・文=安田 光
プロフィール
趣里(しゅり)
1990 年生まれ、東京都出身。近年の出演作に、映画「零落」「愛にイナズマ」「ほかげ」、ドラマ「サワコ~それは、果てなき復讐」「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」など。NHK では、連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、「京都人の密かな愉しみBlue 修業中」などに出演。
『NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 ブギウギ Part2』では、上記の他にも草彅剛さんをはじめ、出演者の方々のインタビューや特集企画を掲載しています!
「ブギウギ」の小説版『NHK連続テレビ小説 ブギウギ 上』はこちら!(※第1週~第14週までの内容です。下巻は2月24日発売予定です。)