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小説・エッセイ

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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔とんびとカラス〕 新井見枝香

※当記事はエッセイ連載「日比谷で本を売っている。」の第17回です。第1回から読む方はこちらです。  ゴールデンウィークは仕事で福井県の温泉地に滞在していた。そこかしこに広がる田んぼは、苗を植えたばかりの状態である。その辺りから愉快な蛙の鳴き声が聞こえるものの、透き通った水を覗き込んでも、姿は見えない。そうかと思えば、ぎょっとするほど近くに、白鷺が黙って佇んでいる。都内でこんなに巨大な鳥がふらふらしていたら、たちまち人だかりができるか、捕獲されるだろう。道端に生える雑草の合間

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