小説・エッセイ

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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔とんびとカラス〕 新井見枝香

※当記事はエッセイ連載「日比谷で本を売っている。」の第17回です。第1回から読む方はこちらです。  ゴールデンウィークは仕事で福井県の温泉地に滞在していた。そこかしこに広がる田んぼは、苗を植えたばかりの状態である。その辺りから愉快な蛙の鳴き声が聞こえるものの、透き通った水を覗き込んでも、姿は見えない。そうかと思えば、ぎょっとするほど近くに、白鷺が黙って佇んでいる。都内でこんなに巨大な鳥がふらふらしていたら、たちまち人だかりができるか、捕獲されるだろう。道端に生える雑草の合間

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日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話――エッセイ「日比谷で本を売っている。」第10回 〔踊り子と家族〕新井見枝香

※連載第1回から読む方はこちらです。  炊きたてのつやつや新米に、こんがり肉厚な鯖の塩焼き、刻み葱を乗せた具だくさんの豚汁と、箸休めの塩もみキャベツ、ご飯のお供は細かく刻んだ京都の柴漬け…。友人からLINEで送られてきた写真に、猛烈な食欲が湧いた。スマホを見ながら菓子パンで朝食を済ませた私とは大違いだ。悔し紛れに《うちも新米だよ》と返したら、「うち」という言い方を笑われた。  踊り子の仕事で、福井県の芦原温泉に来ている。毎晩ステージに立ちながら、劇場の楽屋に寝泊まりしている

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