小説・エッセイ

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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔推しと深掘り〕 新井見枝香

日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔推しと深掘り〕 新井見枝香

※当記事はエッセイ連載「日比谷で本を売っている。」の第18回です。第1回から読む方はこちらです。  職場のバックヤードには、徒歩圏内にある大型劇場「シアタークリエ」「帝国劇場」「東京宝塚劇場」の公演スケジュールが貼り出されている。それは我々売場スタッフにとって、天気予報より重要な情報なのだ。公演の前後は、まるでコンサート会場の物販ブースみたいに、レジが混雑する。現在公演中の舞台の、プログラムやグッズを販売しているからだ。私も好きなロックバンドのLIVEに行くと、ついオリジナ

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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔とんびとカラス〕 新井見枝香

日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――〔とんびとカラス〕 新井見枝香

※当記事はエッセイ連載「日比谷で本を売っている。」の第17回です。第1回から読む方はこちらです。  ゴールデンウィークは仕事で福井県の温泉地に滞在していた。そこかしこに広がる田んぼは、苗を植えたばかりの状態である。その辺りから愉快な蛙の鳴き声が聞こえるものの、透き通った水を覗き込んでも、姿は見えない。そうかと思えば、ぎょっとするほど近くに、白鷺が黙って佇んでいる。都内でこんなに巨大な鳥がふらふらしていたら、たちまち人だかりができるか、捕獲されるだろう。道端に生える雑草の合間

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日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――「日比谷で本を売っている。〔ビールと生きがい〕」新井見枝香

日比谷の書店員のリアルな日常、街の情景、本の話――「日比谷で本を売っている。〔ビールと生きがい〕」新井見枝香

※当記事はエッセイ連載の第16回です。第1回から読む方はこちらです。  職場の仲間と、仕事終わりにクラフトビールを飲みに行こうと約束してから、数か月が経った。飲食店の時短営業が解除されないと、我々はラストオーダーに間に合わない。ぎりぎり閉店前に駆け込んだとて、アルコールの提供が終わってからでは、揚げたての唐揚げもむなしいだけである。  久しぶりに何の予定もない休日、溜まっていた洗濯物を片付け、部屋を掃除したところで、散歩に出掛けた。明るいうちに歩く地元は新鮮だ。古い蕎麦屋の

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日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話――エッセイ「日比谷で本を売っている。」第9回 〔ヤクルトと本〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話――エッセイ「日比谷で本を売っている。」第9回 〔ヤクルトと本〕新井見枝香

※連載第1回から読む方はこちらです。 「ヤクルトレディ」に初めて会った。もちろん道ですれ違うことは何度もあったが、制服を着た彼女たちは、たいてい自転車に乗って、スイスイとどこかへ向かっている。「1本くださいな」と声を掛けて呼び止めるのは気がひけるし、そもそもそういう石焼き芋的な買い方をしている人を、見たことがない。だが、ヤクルトレディは思いがけず近くにいた。ある職場で先輩と雑談をしている際、彼女が元ヤクルトレディであり、辞めた今でも、ヤクルト愛があることを知ったのである。

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」第8回 〔秘湯と白猿〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」第8回 〔秘湯と白猿〕新井見枝香

 日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第8回)。※最初から読む方はこちらです。  秘湯と呼ばれるその温泉は、気が遠くなるほどつづら折りを繰り返した、山の奥の奥にあった。江戸時代には、立派な茅葺き屋根の宿が3軒並んでいたそうだが、今はいちばん奥の1軒を残すのみ。火事で焼けてしまった真ん中の跡地は、そのままになっていた。そのいちばん手前、趣きのある新しい旅館が、今夜泊まる宿だ。浴衣を持って、さっそく風呂へ入ろうと脱衣所の扉を開けると、強い気配がある。

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」〔大人の矛盾と子供のモヤモヤ〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」〔大人の矛盾と子供のモヤモヤ〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第7回)。※最初から読む方はこちらです。  勤め先の書店がある商業施設「日比谷シャンテ」は、地下2階で日比谷駅に直結している。その通り道には、大好きなスターバックスがあって、通りかかるたびに甘いドリンクを飲む習慣がついてしまった。しかし、行きも帰りもとなると、さすがに節制したほうが良いのではと思い、ミルクを無脂肪に変更することにした。なんとなくおしゃれなオーダーである。ところがどうしてもさっぱりとした味になるた

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔ナマケモノと私〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔ナマケモノと私〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第6回)。※最初から読む方はこちらです。  最近、私の部屋にはナマケモノがいる。手足がひょろ長くて、目がぱっちりとしたぬいぐるみだ。それは書店員の傍ら、踊り子としてデビューした際に、お客さんからもらったものである。どうせパチンコかなんかの景品だとは思うが、あげたくなった理由は「似ているから」と言っていた。確かに私の髪は獣のような金色だし、客観的に見て、キツネには似ていない。おまけに、この世界にはめんどくさいこと

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔赤いスカートと緑のエプロン〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔赤いスカートと緑のエプロン〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第4回)。 ※最初から読む方はこちらです。  以前勤めていた書店では、制服を着て働いていた。ワイシャツだけはなぜかピンクと水色と黄色から選べたが、紺色のベストとスカートを貸与されれば、自分らしさを出す気にもならない。今日は何色のシャツを着ようかと悩んだところで、どのみち同じ色を着ている人はいるし、時には全員、店内が黄色で揃ってしまうこともある。シャツを第二ボタンまで開ければ、ただの「だらしない」人だし、ガーター

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔「#ジブン追い越す」と〇〇嫌い〕新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」 〔「#ジブン追い越す」と〇〇嫌い〕新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話(第3回)。 ※最初から読む方はこちらです。  「オイコス」というヨーグルトをご存じだろうか。最近どこのスーパーやコンビニでも並んでいる人気商品だ。タンパク質が摂れて、脂肪ゼロ、1カップ100Kcal未満のカラダにうれしいヨーグルトである。しかもコクがあって美味しい。つい回し者みたいに絶賛してしまったが、インドア派かつ運動不足なイメージの書店員には、どれだけ待っても、メーカーからオイコス1年分が送られてくることは

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エッセイ「日比谷で本を売っている。」第2回 〔スポーツクラブと百獣の王〕 新井見枝香

エッセイ「日比谷で本を売っている。」第2回 〔スポーツクラブと百獣の王〕 新井見枝香

日比谷で働く書店員のリアルな日常、日比谷の情景、そして、本の話。  職場のある商業施設「日比谷シャンテ」は、地下2階で地下鉄の日比谷駅に直結している。最高だ。雨の日も風の日も、特に冬は、生命を脅かすほどの寒さから私を守ってくれて、本当にありがとう。今後も、仕事選びの条件として【職場が駅直結】を真っ先に挙げたい。時給が100円安くても構わないほどだ。  その地下2階の飲食店街を抜けると、「メガロス」という、黒を基調としたイケイケなスポーツクラブがある。夕方に前を通りかかれば、

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