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小説・エッセイ

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人気・実力を兼ね備えた執筆陣によるバラエティー豊かな作品や、著者インタビュー、近刊情報などを掲載。
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2022年5月の記事一覧

卑弥呼は日御子? 騎馬民族の女王? 邪馬台国=九州説を下敷きにした作品とは?――周防柳「小説で読み解く古代史」第2回

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むスリ

古代史ファン必読! 実力派作家・周防柳による新連載「小説で読み解く古代史」第1回

「邪馬台国はどこか?」に代表されるように、日本の古代史はいまだ解明されない謎ばかり。そのため、吉川英治や松本清張をはじめ、たくさんの作家がインスピレーションを掻き立てられては物語を書き、あるいは持論を展開してきた。本連載では、日本史を舞台にした作品を多く手掛ける著者が、明治・大正・昭和の文豪から平成・令和の小説家まで、彼らが描いた「歴史的なあの場面」に焦点をあて、諸説を紹介しながら、自身もその事件の背景や人物像を考察していく。作家ならではの洞察力と想像力を駆使して謎に挑むス

こんなにもあっけらかんと、女たちが口にし始めた――「マイナーノートで」#14〔月経事情、今昔〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 月経事情、今昔 あなたは初潮が来たことを告げたときの、母親の反応を覚えているだろうか?  パンツやスカートを黒ずんだ血で汚し、自分のカラダに何が起きたかわけがわからないまま、母親に告げる。その前に保健体育の授業で女の子だけが集められて、ひそひそ話をするように

日記の醍醐味を知る――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は柚木さんの「新たな習慣」についてです。 ※当記事は連載の第14回です。最初から読む方はこちらです。 #14 死の恐怖 あくまでも個人的な体感なのだが、同業の友達と話していると、死に対して成熟した考えを持っている人がかなり多いと感じる。いつかは誰しも訪れる命が尽きる瞬間を冷静に見据えて、物語を書いている。小説と真剣に向き合っていたら、当然、そうなるだろうと思

ブロードウェイミュージカルに革新をもたらした伝説のソングライター、スティーヴン・ソンドハイム――連載「アメリカ、その心の生まれるところ~変革の言葉たち」新元良一

 自由・平等・フロンティアを旗印に、世界のリーダーとして君臨してきたアメリカ。様々な社会問題に揺れるこの国の根底には何があるのか? 建国から約230年。そこに培われた真のアメリカ精神を各分野の文化人の言葉の中に探ります。  第8回は、人民が歴史をつくり、自分たちの文化や芸術を生み育てていくというアメリカ独自の精神性に守られ、ミュージカルをエンターテインメント以上の芸術にまで高めた巨匠、スティーヴン・ソンドハイムです。 第8回「この世界は、常に混沌としている。人生で先が見通せ

「あ、死ぬかも」と思った話――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす 新連載「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った新連載です。第1回は、どんなお題が飛びだすでしょうか。 #01 「あ、死ぬかも」と思った話 ラジオのパーソナリティとして、今までラジオのお便りテーマは出してきましたが、出されたテーマについて答える機会はなかなかなかったような……。お便りが採用されな