2021年10月の記事一覧

“分断は「愛」で埋める”没後30年、現代社会に再評価される黒人作家ジェームズ・ボールドウィン――連載「アメリカ、その心の生まれるところ~変革の言葉たち」新元良一
自由・平等・フロンティアを旗印に、世界のリーダーとして君臨してきたアメリカ。様々な社会問題に揺れるこの国の根底には何があるのか? 建国から約230年。そこに培われた真のアメリカ精神を各分野の文化人の言葉の中に探ります。 第5回は、コロナ禍のなかで湧き起こったブラック・ライヴズ・マター運動や、アジア系人種差別問題に心を痛める人たちからの人気が再燃している黒人作家、ジェームズ・ボールドウィンです。 ※第1回から読む方はこちらです。 第5回「端的に言えば、真にひとつの国家に

どんなに身近な家族でも本人を代弁することはできない――マイナーノートで ♯07〔認知症当事者のもたらしたパラダイム・シフト〕上野千鶴子
各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 認知症当事者のもたらしたパラダイム・シフト 若年性認知症を39歳で発症して8年、認知症当事者として『丹野智文 笑顔で生きる』(文藝春秋)などの情報発信を続けている丹野智文さんが、新刊を出した。その発刊を記念して、認知症当事者勉強会(なんともう22回も実施してい

「NHK100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」出演の著者がエドガー・アラン・ポー「黒猫」を読み解く! 10/15(金)発売『教養としてのアメリカ短篇小説』より、第1講を抜粋公開
「100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」で指南役を務めている早稲田大学文学学術院教授の都甲幸治さん。ドミニカ共和国出身でアメリカ合衆国に移民した作家ジュノ・ディアスの翻訳などで知られ、自身でも「今まで自分はマイノリティ文学に特化して読んできた」という都甲さんが、アメリカ文学の“王道”ともいえるメジャー作家たちの短篇小説13作品を読み解く『教養としてのアメリカ短篇小説』が10月15日(金)に発売となりました。 それぞれの小説についての講義は、まず作品のあらすじを振り返