連載

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《ただならぬ気配①――廃墟・牢獄・脳内風景》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《ただならぬ気配①――廃墟・牢獄・脳内風景》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第9回です。第1回から読む方はこちらです。 廃墟趣味  廃墟は独特のオーラを発している。歴史を語り、過去の栄光を偲ばせ、死者を蘇らせ、遠い未来をも想像させる。何よりそこには、ロマンと恐怖を撚り合わせた凄絶な美がある。幻影として、記憶として、ただならぬ気配としての美……。  だからこそヨー

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《善悪と美醜、不思議な悪魔と天使たち(2)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《善悪と美醜、不思議な悪魔と天使たち(2)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第8回です。第1回から読む方はこちらです。 地獄と天国  洋の東西を問わず、地獄の描写は芸術家たちの創作欲を著しく刺激し、個性あふれる世界が構築されている。一方、天国。そこは常に花咲き乱れ、芳香が漂い、誰もが満ち足りて幸せ、というのだから独自色は出しにくい。  昔のフランス映画にこういう

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《善悪と美醜、不思議な悪魔と天使たち(1)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《善悪と美醜、不思議な悪魔と天使たち(1)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第7回です。第1回から読む方はこちらです。  ギリシャ神話と違ってキリスト教絵画に異形のものは登場しないのではないか、と思えばそんなことはない。旧約・新約聖書、外典や聖人伝をも含む宗教画には、唯一神、神の子イエス、天使、悪魔、聖人、人間が織りなすダイナミックな世界が展開されており、異形や残

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《古今東西、世にも奇妙なキメラたち(2)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《古今東西、世にも奇妙なキメラたち(2)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第6回です。第1回から読む方はこちらです。  実在の動物を継ぎはぎして創り出した異形の生きものは、ほとんどが退治されるべき存在、つまり神(族)や人間にとっての敵、ネガティヴなイメージだったが、中にはそうでない事例もある。いくつか見てゆこう。 いるのにいない、いないのにいる  動物の雄と

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《古今東西、世にも奇妙なキメラたち(1)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《古今東西、世にも奇妙なキメラたち(1)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第5回です。第1回から読む方はこちらです。 「キメラ(英語chimera)」という生物学用語がある。一個体の中に異なる遺伝子型の細胞が共存する現象、またその個体を指す。一九〇七年にドイツの植物学者ハンス・ヴィンクラーが、トマトとイヌホオズキを接ぎ木して作ったものをキメラと命名した(ちなみに

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人はなぜヘビを嫌い、恐れるのか?(2)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人はなぜヘビを嫌い、恐れるのか?(2)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第4回です。第1回から読む方はこちらです。 ペルセウスと蛇  前回は蛇に女性を重ねて恐怖と恍惚を覚えた事例を紹介したが、ここからは人外の存在、化け物としての蛇を取り上げる。  まずは再びペルセウス。彼は蛇に縁があるようで――。  蛇女メドゥーサを殺したペルセウスは、その首を自らの盾に付

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人はなぜヘビを嫌い、恐れるのか?(1)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人はなぜヘビを嫌い、恐れるのか?(1)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第3回です。第1回から読む方はこちらです。 邪悪の象徴  人間にとって蛇の異質さは格別である。紐状の長い身体。四肢を持たないのに自在に動きまわり、鱗の肌は冷たく、目はさらに冷たい。鳥のように卵から孵化し、昆虫のように脱皮し、二股に分かれた舌で臭いを嗅ぎ、共喰いし、音もなく近づく。上顎と下

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人間以外のものとの合体(2)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人間以外のものとの合体(2)》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第2回です。第1回から読む方はこちらです。 半人半馬、人面豚  太古の昔、人間は野生馬を狩っていた。食料として、また皮を得るために。やがて家畜化し、ある時、誰かが――歴史を変えた冒険家と言えよう――乗りこなせることに気づく。この画期的発見により、馬は生きたオートバイとなる。重装備で遠くま

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人間以外のものとの合体(1)》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《人間以外のものとの合体(1)》」

 生ぬるい日常を揺さぶり、鈍麻した意識を覚醒させ、それまで気づかなかった新たな美、新たな視点を知らしめることも芸術表現の一つだ。そのため創り手は固有の鋭い感覚で、奇異、異様、異類、異体の中に人間の本質を見出し、且つ、それを巧みに描写して受け手に突きつける。  文学であれば人の心の歪みや衝撃的事件(ギリシャ悲劇、ドストエフスキー作品etc.)、音楽であれば神経を逆撫でし、心を不穏にする音の連なり(モーツァルトの夜の女王の絶唱、ベートーヴェン『第五』の冒頭etc.)、演劇なら観客

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