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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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2022年7月の記事一覧

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で仏教美術考証を務める塩澤寬樹さんの新連載『運慶の風景』! 第1回は伊豆の願成就院からはじまります

 日本の彫刻史の集大成の時代と呼ばれてきた鎌倉時代。それを牽引したのが昨今の仏像ブームのなかで絶大な人気を誇る仏師運慶です。運慶が造る仏像は写実的で「まるで生きているようだ」としばしばいわれます。仏像における写実とは何でしょうか。鎌倉時代の仏像は本当に運慶による日本彫刻史の集大成・終結点なのでしょうか。その事情をひもといていきます。筆者は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で仏教美術考証を務める塩澤寬樹さん。運慶人気の秘密を探り、日本の美術史研究の道筋もふりかえりながら、運慶

わたしの後半生を変えた天安門事件――「マイナーノートで」#16〔6.4の記憶〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 6.4の記憶  1989年6月4日。中国、天安門事件の日。英語圏ではTiananmen Square massacreと呼ばれている。この日、自由と民主主義を求めて北京の天安門広場に集まった若者たちを、人民解放軍が虐殺した。死者や負傷者の数はつかめず、行方不明

久々のホームパーティーで披露したものとは?――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、久々に参加したホームパーティーで披露した、ある出し物についてのお話です。 ※当記事は連載の第16回です。最初から読む方はこちらです。 # 16 高座に穴をあけるな 東京の新型コロナ感染者数は1万人を超えた。これまでの自粛生活と工夫が全部無駄に思えて泣きそうになりながら、再び穴ぐら生活に戻っている。前回、体調が回復したかも、と喜んでいたが、のっけから残念な

「NHK出版新書を求めて」第3回 歴史のリアルを知るために――木下竜馬さん(歴史学者)の場合

各界で活躍する研究者や論者の方々はいま書店で、とくに「新書コーナー」の前で何を考え、どんな新書を選ぶのか? 毎回のゲストの方に書店の回り方、本の眺め方から現在の関心までをじっくりと伺う、NHK出版新書編集部の連載です。コーディネーターはライターの山本ぽてとさんです。 *第1回から読む方はこちらです。 今回はこの人! 木下竜馬(きのした・りょうま) 1987年、東京都生まれ。東京大学史料編纂所助教。専門は鎌倉幕府、中世法制史。共著に『鎌倉幕府と室町幕府 最新研究でわかった実像

「ぶっ飛んでる細胞」は自分にも? 「後からジンワリ……ぶっ飛んだ人たち」――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #03 後からジンワリ……ぶっ飛んだ人たち 大胆不敵とか、常軌を逸するとか、ぶっ飛んでるとか……「通常の生活や意識の中では考えつかないような振る舞いや決断など」を選択した経験のある者は私の周囲に