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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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2022年6月の記事一覧

言い訳を「良い訳」に?「ほんのちょっとだけ後悔……高い買い物」――お題を通して“壇蜜的こころ”を明かす「蜜月壇話」

タレント、女優、エッセイストなど多彩な活躍を続ける壇蜜さん。ふだんラジオのパーソナリティとしてリスナーからのお便りを紹介している壇蜜さんが、今度はリスナーの立場から、ふられたテーマをもとに自身の経験やいま思っていることなどを語った連載です。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #02 ほんのちょっとだけ後悔……高い買い物 言い訳。都合が悪かったこと、失敗したこと、そうしなきゃならなかったことなどの理由や事情を説明する行為……なのは重々承知しているが、あまりにも言い訳が

年に一度、この季節に味わいたい――「マイナーノートで」#15〔蛍狩りと鮎〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 蛍狩りと鮎 年に一回でいいから味わいたい、と思うことがいくつかある。  天然鮎の塩焼き。筍に松茸。山菜天ぷら大パーティは、この5月のゴールデンウィークに、八ヶ岳山麓の山の家で実現した。毎年これを楽しみにしているひともいる。  天然鮎と言えば、好き嫌いがはげし

「読解力」と「読む力」 《「読む」ってなんだろう?――認知科学から考える》第2回

言語の理解と思考の発達に焦点を当て、「学び」の本質について研究を行ってきた、慶應義塾大学教授の今井むつみさん。本連載では、私たちの誰もが日常で当たり前のようにしている「読む」という行為を手掛かりに、そのことを掘り下げて考えます。 *第1回から読む方はこちらです。 私の子ども時代の読書 前回は、小学生の算数の文章題に焦点を当て、「読解」とは何かを考えてみた。今回は、より広い視点で「読む」ということについて考えてみたい。そもそも「読む」は「読解」と同じ意味なのだろうか? 「人

アリスの憂鬱、キャロルの幻滅——「不思議の国」の「感情」について 「言葉が・言葉で・言葉を作る『アリス』の世界」第3回(最終回)

 誰もが知る名作『不思議の国のアリス』。子供の頃、アニメ映画などで見た方も多いでしょうが、原文を読んでみると、驚きの発見が詰まっています。そんな『アリス』の世界の深淵(アビス)を、気鋭の英文学研究者、勝田悠紀さんがご案内します。  ※本文で引用する『不思議の国のアリス』の日本語訳は勝田悠紀さんによるものです。  ※第1回から読む方はこちらです。 「挿絵も会話もない本が何の役に立つのかしら」——退屈 連載最終回になってようやく作品冒頭に辿りつくのも、『不思議の国のアリス』を扱