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ミステリー小説や食エッセイから、小中学生向けの教養読み物まで、さまざまな興味・関心を刺激する作品を取りそろえています。
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2022年3月の記事一覧

「与えられた課題」ではなく「自分ごと」として―― 「マイナーノートで」♯12〔自分で問いを立てる~高校生との対話〕上野千鶴子

各方面で活躍する社会学者の上野千鶴子さんが、「考えたこと」だけでなく、「感じたこと」も綴る連載随筆。精緻な言葉選びと襞のある心象が織りなす文章は、あなたの内面を静かに波立たせます。 ※#01から読む方はこちらです。 自分で問いを立てる ~高校生との対話  2019年4月、東京大学入学式で来賓祝辞をスピーチしてから、十代の若者たちのあいだで、一挙に知名度があがった。  わたしが理事長を務めているWebサイト、ウィメンズアクションネットワーク(WAN)では「ジュニアプロジェクト

連載 シン・アナキズム 第4章「ポランニーとグレーバー」(その4)

「機能的社会主義」について(1) 重田園江さんによる、ポップかつ本格的な好評連載「アナキスト思想家列伝」第13回! カール・ポランニーの「アナキスト的心性」を探求しながら、彼の「機能的社会主義」というアイデアの歴史的背景を明らかにします。 ※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ 「ジェイン・ジェイコブズ編」の第1回へ 「ヴァンダナ・シヴァ編」の第1回へ 「ねこと森政稔」の第1回へ 「

あなたの味方は、たくさんいるから――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、お笑い芸人が揶揄した子連れ女性に向けて、力強いメッセージをいただきました。 ※当記事は連載の第12回です。最初から読む方はこちらです。 #12 子連れで、恐怖しない世の中を  つい最近、有名なお笑い芸人さんが新幹線で一緒になった、乳幼児に二時間半ずっとしゃべり続けていた女性を「うるさい」とテレビ番組で揶揄した。当然のことながら炎上し、彼は「子連れの大変さ