#100分de名著

アメリカ文学史に屹立する「何もしない」英雄――『教養としてのアメリカ短篇小説』より、「書記バートルビー」を読み解く第2講を全文公開!
“I would prefer not to.”(「わたくしはしない方がいいと思います」)とは、『白鯨』の著者として知られるハーマン・メルヴィルの短篇小説「書記バートルビー」に出てくる表現です。上司に言いつけられた仕事をこの言葉によって拒絶しつづけ、それ以外一切の説明をしない奇妙な人物・バートルビー。アメリカ文学史に屹立するこの「英雄」の物語が発表されたのは1853年。150年以上前の作品ですが、先ごろ日本経済新聞の一面下コラム「春秋」(https://www.nikkei

「NHK100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」出演の著者がエドガー・アラン・ポー「黒猫」を読み解く! 10/15(金)発売『教養としてのアメリカ短篇小説』より、第1講を抜粋公開
「100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」で指南役を務めている早稲田大学文学学術院教授の都甲幸治さん。ドミニカ共和国出身でアメリカ合衆国に移民した作家ジュノ・ディアスの翻訳などで知られ、自身でも「今まで自分はマイノリティ文学に特化して読んできた」という都甲さんが、アメリカ文学の“王道”ともいえるメジャー作家たちの短篇小説13作品を読み解く『教養としてのアメリカ短篇小説』が10月15日(金)に発売となりました。 それぞれの小説についての講義は、まず作品のあらすじを振り返

アリストテレスで「人間」の本質を抉り、ハイデガーで「存在」の意味を知る。 西洋哲学の名著を題材にして、複雑化する世界をとらえる――『名著ではじめる哲学入門』より
私たちを取り巻くこの世界とは、いったい何なのだろうか? その問いに答えるべく、注目の哲学者・萱野稔人が、「哲学」「人間」「存在」「国家」「政治」「権力」など15の問いを設定し、アリストテレス『ニコマコス倫理学』からドゥルーズ、ガタリ『千のプラトー』まで、名著38冊と49のキーワードを駆使して、日本人の哲学力を磨きます。 複雑化する世界を新たな視点でとらえる、実践的学び直しの書として編まれたNHK出版新書『名著ではじめる哲学入門』(9月10日発売)より、当記事では冒頭の章「

SFファンが選ぶ、第51回星雲賞ノンフィクション部門受賞! “戦後最大の知識人”小松左京に迫った、宮崎哲弥『NHK100分de名著 小松左京スペシャル 「神」なき時代の神話』
2019年に発表された作品を対象とする、第51回星雲賞の受賞作品が8月22日に発表されました。星雲賞は、日本SF大会に参加する全国のSFファンの投票により決定する賞で、1970年より始まり、日本のSF及び周辺ジャンルのアワードとしては最も長い歴史を誇ります。 今回、宮崎哲弥さんが『NHK100分de名著 小松左京スペシャル 「神」なき時代の神話』で星雲賞ノンフィクション部門を受賞しました。これを記念して、宮崎さんの受賞コメントを掲載します。 あわせて、受賞テキストに大幅