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教養・ノンフィクション

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#戸田山和久

「論文を書く力」は、一生もののスキルです!――対談:山内志朗×戸田山和久(後編)

論文対談もいよいよ佳境に入ります。論文のテーマ設定、社会の出ても役に立つ卒論執筆の効用……大学新入生のみなさんから、社会人、年輩の方まで、幅広い層に必ず役に立つ「知の羅針盤」。熱いメッセージに、ぜひ耳を傾けてみてください。 *対談の前編はこちらです。 文章指南のコツ山内 『論文の教室』には、学生さんの反応とかを見ながら書いたところはありますか。  戸田山 僕の場合、原稿を見てもらって「どう?」というのは、ちょっと怖くて(笑)。でも、内容には学生さんたちの過去のさまざまな言動

新入生しょくん、まずは「論文の書きかた」を身につけよう――対談:山内志朗×戸田山和久(前編)

新入生のみなさん、入学おめでとうございます。新しい一歩を踏み出す前に覚えておきたいのが「論文の書きかた」。『新版 ぎりぎり合格への論文マニュアル』(平凡社新書)の著者・山内志朗先生(慶應義塾大学)と、『最新版 論文の教室』(NHKブックス)の著者・戸田山和久先生(名古屋大学)に、論文執筆をテーマに語り合っていただきました。大学新入生のみならず、学び直しを目論む社会人のみなさんにも必ず役に立つ「知の羅針盤」。まずはその前編をお届けします。 戸田山 きょうのお題は、山内さんの『

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編②》

 練習問題6~10の解答と解説を見ていきましょう。  ※練習問題6~10はこちらです。 問題6 ツッコミについてさらにツッコんでみよう 解答と解説 (1)「背理法」で考えてみる。つまり、この推論に反例があると仮定して考えていくと、おかしなことになるかどうかを試してみよう。  この推論に反例があるとする。つまり2つの根拠が正しいのに、主張は間違いというケースがあるとしよう。その場合、主張「Bである」は間違いだから、Bではない。根拠2は正しいと仮定しているから、Aである。そう

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——第2弾は、さらに手ごたえのある問題を揃えたぞ。『思考の教室』に目を通して、挑戦してみよう! 練習問題エクストラ《問題編②》

『思考の教室』の読者のみなさん。拙著を読んでいただいて、ありがとうございます。初めて会う方に「読みましたよ」と言ってもらえたりするのが、著者としてはいちばん嬉しいことなのです。 『思考の教室』はワークブックとしても使えることを目指したので、練習問題をたっぷり掲載しました。ぜんぶで42問。楽しんで解いてもらえたでしょうか。  執筆の過程では、その倍近くの問題を作ってありました。ぜんぶ採用するととんでもない厚さの本になってしまうので、泣く泣く削りました。問題を作るのは難しい。手間

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』 ―—さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編①》

 練習問題1~5の解答と解説を見ていきましょう。  ※練習問題1~5はこちらです。 問題1 ツッコミについて考えてみよう 解答と解説  クロエの両親がどちらもO型であるという根拠だけからは、クロエの血液型もO型だということは、厳密に言えば論理的には出てこない。それは、「O型」をそれ以外の血液型、たとえばA型にとりかえてみるとわかる。 根拠 クロエちゃんのご両親はどちらもA型だからね。 主張 クロエちゃんの血液型はA型だと思うよ。  これは、はっきりと間違った推論である。

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——『思考の教室』に目を通して、精選5問に挑戦してみよう!  練習問題エクストラ《問題編①》

『思考の教室』の読者のみなさん。拙著を読んでいただいて、ありがとうございます。初めて会う方に「読みましたよ」と言ってもらえたりするのが、著者としてはいちばん嬉しいことなのです。 『思考の教室』はワークブックとしても使えることを目指したので、練習問題をたっぷり掲載しました。ぜんぶで42問。楽しんで解いてもらえたでしょうか。  執筆の過程では、その倍近くの問題を作ってありました。ぜんぶ採用するととんでもない厚さの本になってしまうので、泣く泣く削りました。問題を作るのは難しい。手間

「思考入門 “よく考える” ための教室」第9回(最終回) 〔ガクモンのススメ・ヌーボー〕 戸田山和久(文と絵)

みなさんお楽しみの「思考入門」、いよいよ大団円をむかえます。つまりは今回が最終回ってことで、戸田山さん気合入ってますよ~。生まれながらの「アホさかげん」を乗り越える究極の方法、最後にキチっと教えてくれます。そして、最後の最後は「トダヤマ流・ガクモンのすすめ」の登場、大感動の幕切れです。でもみなさん、不満かもしれませんね~。「ディベートの方法についてもう少し教えてほしかった」「ライティングのやりかた、ちっとも書いてないじゃん」……大丈夫ですよ。連載の内容にきっちり加筆したうえで

「思考入門 “よく考える” ための教室」第8回 〔テクノロジーでアタマをよくする!?〕 戸田山和久(文と絵)

お待ちかね、「思考入門」の第8回目ですよ。連載もいよいよ大詰め、今回のテーマは「テクノロジー」。みなさんのまわりにあるテクノロジーをうまく使いこなせば、アタマがばっちり良くなるというお話です。「テクノロジー」って何のこと? それは読んでのお楽しみ。気に入ったら「スキ」してくださいね~~ テクノロジーの2つの特徴  受験シーズンたけなわだ。アタマのよくなる薬があったらいいなあ、と思っている受験生もいるだろう。ほんとうにそういう薬があったらいいね、と私も思う。自分も飲みたいし、

「思考入門 “よく考える” ための教室」第7回 〔「三人寄れば文殊の知恵」だといいんだけど……〕 戸田山和久(文と絵)

みなさん、あ・け・ま・し・て、おめでとうございます。年が明けたところで気持ちもあらたに「思考入門」7回目。前回は、私たちの脳ってそもそも論理的にはできていない、というクラ~イお話になっちゃいましたねえ。でも大丈夫。それを乗り越える方法ちゃんとありますよ。今回はそのうちのひとつについて、戸田山さんきっちり話してくれます。「それって、どんな方法?」答えはかんたん、「みんなでいっしょに考える」こと。「そのためには、どうすればいいの?」はい、くわしく知りたい人は、以下をじっくり読んで

「思考入門 “よく考える” ための教室」第6回 〔ヒトの脳は論理的思考には向いていない。ならばどうする!?〕 戸田山和久(文と絵)

早いもので今年も師走になっちゃいました。おとなにとってはあわただしい月。でも、みなさんはもういくつ寝るとメリークリスマスに冬休みにお正月! お楽しみですねえ。でも、勉強もしっかりやりましょうね。はい、「思考入門」も6回目、いよいよ第2部に入りますよ。ここまでの連載をしっかり読んだみなさんは、「論理的」ってどういうことか、バッチリ理解できましたね。戸田山さん、6回目で星一徹ですよ。ちゃぶ台ひっくり返しますよ。なんせ、わたしたちのアタマって、もともと論理的思考には向いてないって言

「思考入門 “よく考える” ための教室」第5回 〔論理的思考のようで論理的でないベンベン、それは何かと尋ねたら……〕 戸田山和久(文と絵)

はいこんにちは。早いもので11月、秋もふかまってきました。思考入門ももう5回目。前回まで「論理的」ってどういうことか、ネチネチ考えてきました。ここで新展開ですよ。世の中にはいっけん「論理的」に見えて、じつは筋がまったくとおってない、ってことがたくさんありますねえ。早い話がヘリクツってことです。ちゃんとした論理的思考とヘリクツをどう見わけたらいいんでしょう? ヘリクツにダマされないためにはどうしたらいいんでしょう? はい、戸田山さんきちっと教えてくれますよ。読めばあなたもカシコ

「思考入門 “よく考える” ための教室」第4回 〔サポートとツッコミについて、さらにツッコんでみよう〕 戸田山和久(文と絵)

さあお待ちかね、「思考入門」の第4回目ですよ。前々回、前回とつづいた「論理的に考えるってどういうこと?」シリーズも今回で大づめ。面白い例文がいっぱいいっぱい出てきますよ。あの有名な方も特別出演。誰のこと? それは読んでのお楽しみ。はい、今回は戸田山さん、原稿も絵もきっちり〆切どおりにくれましたよ~。すんばらしいですね。気合入ってますねえ。それでは、みなさんもカシコクなってくださいね。 そのツッコミ、有効ですか? 「論理的によく考える・書く・話す」ということを、前回は次のよう

「思考入門 “よく考える” ための教室」第3回 〔論理的思考には勇気がいるんだ〕 戸田山和久(文と絵)

はいこんにちは。みなさん、夏休みいかがでしたか? いっぱいいっぱい楽しんだでしょうね。はい、9月からは勉強の季節。思考入門もエンジンかけますよ。「論理的に考える」ってどういうことかが3回目のお題です。みなさん、いっしょけんめい考えて相手を説得しようとしても、「ヘリクツ言うな!」ってオコられちゃうことありますね。じゃあ、「ヘリクツ」にならないためには、どうすればいいんでしょう? 戸田山さん、教えてくれますよ。はい、今回の原稿はなんとロンドンから送られてきました。お楽しみのご旅行

「思考入門 “よく考える” ための教室」第2回 〔論理的ってどういうこと? ──世界でいちばんシンプルな定義〕 戸田山和久(文と絵)

はいこんにちは。お待ちかね、思考入門の第2回ですよ。今回ハッキリいって内容オ・ト・クよ。みなさんお父さんお母さんに「ちっとは論理的に考えなさい!」なんてよくオコラれますね。でも「論理的」何のことでしょう? きっとお父さんお母さん答えられませんよ。第2回目では、論理的どういうことかをおサルさんでもわかるように教えてくれます。楽しみだねー。でもその前に戸田山さん、論理的に考えるとなんでオ・ト・クなのかも情熱的に語っとります。上でグルグル回っとるこのトボケたおじさん、熱いアツーい人