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教養・ノンフィクション

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2022年10月の記事一覧

「宗教がこんなにも豊かで開かれたものであることを知ってほしい」――悩み苦しむ現代人のための「宗教のきほん」

 古今東西の宗教における「知識」と「知恵」をわかりやすく伝えるシリーズ、「宗教のきほん」が10月28日に創刊となります。いったいどんなシリーズになるのか、担当編集者であるNHK出版・白川貴浩が大いに語ります。 ――本を手にしてまず思ったのは、カバーの手ざわりのよさなど、装丁の美しさです。 白川貴浩(以下、白川) シリーズのコンセプトを反映すべく、デザイナーの成原亜美さんと相談を重ねました。 ――シリーズのコンセプトは「宗教の『知識』と『知恵』をわかりやすく伝える」とのこと

昆虫と地球上のすべての生きものたちのために、私たちができること――生物学者グールソンはあきらめない

8月末に発売され、各新聞紙上で、養老孟司さん(脳科学者)、鷲谷いづみさん(生態学者)、福岡伸一さん(生物学者)はじめ、多くの方々にご高評いただいた注目の書、『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』。昆虫をこよなく愛する生物学者である著者デイヴ・グールソン博士のロング・インタビュー、いよいよ最終回です。 ※最初から読む方はこちらです。 ヘッダー画像:昆虫のホテル-ドイツ(ⒸMickis-Fotowelt /Shutterstock) 取材:早川健治 ――若い人たちへの自

昆虫がいなくなったら、地球は動きを止めるだろう――生物学者グールソンは、昆虫の視点から多様性の危機を訴える

8月末に発売され、各新聞紙上で、養老孟司さん(脳科学者)、鷲谷いづみさん(生態学者)、福岡伸一さん(生物学者)はじめ、多くの方々にご高評いただいた注目の書、『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』。昆虫をこよなく愛する著者デイヴ・グールソン博士のロング・インタビュー全文。今回はその第2弾です。 ※最初から読む方はこちらです。 (ヘッダー画像:ⒸSumruay Rattanataipob /Shutterstock) 取材:早川健治 ――殺虫剤との長い闘い 早川 本書

世界中で昆虫の数が激減している!? それが意味することは何か?――生物学者グールソンは語る!

8月末に発売され、各新聞紙上で、養老孟司さん(脳科学者)、鷲谷いづみさん(生態学者)、福岡伸一さん(生物学者)はじめ、多くの方々にご高評いただいた注目の書、『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』。昆虫をこよなく愛する著者デイヴ・グールソン博士に、本書で伝えたかったことを1時間にわたり伺いました。そのすべてをあますところなく、3回に分けてお伝えします。 取材:早川健治 ――昆虫にまつわる衝撃的な数字 早川健治 『サイレント・アース』には多くの豊かで興味深いデータが詰

雌雄/男女は、2つに分けてもわからない! 生物学の最前線で進む驚きの研究を、第一人者がやさしく語る

 生物はオス/メスが別個に存在しているのではなく、じつは両者は連続している――「性」の本質をそう捉える研究が、生物学の最前線で進んでいます。性は生涯変わり続ける? すべての細胞と、その集まりである臓器や器官は独自に性を持っている? この度刊行された『オスとは何で、メスとは何か?――「性スペクトラム」という最前線』は、生物、とくに哺乳類の性に関する基礎研究を続けてきた著者が、さまざまな生き物の多様な雌雄のあり方と、それを形づくる仕組みの解説を通して、二項対立では語り切れない性本