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教養・ノンフィクション

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2022年8月の記事一覧

「NHK出版新書を求めて」 第4回わたしはウンコになりたい 栗原康さん(アナキスト)の場合

各界で活躍する研究者や論者の方々はいま書店で、とくに「新書コーナー」の前で何を考え、どんな新書を選ぶのか? 毎回のゲストの方に書店の回り方、本の眺め方から現在の関心までをじっくりと伺う、NHK出版新書編集部の連載です。 *第1回から読む方はこちらです。 今回はこの人! 栗原康(くりはら・やすし) 東北芸術工科大学非常勤講師。1979年埼玉県生まれ。専門はアナキズム研究。著書に『サボる哲学』(NHK出版新書)、『大杉栄伝~永遠のアナキズム』(角川ソフィア文庫)『はたらかない

美しく、桁外れに奇妙な昆虫たち――。急速に減少するこの小さな生き物を守る行動指針を示す、『サイレント・アース――昆虫たちの「沈黙の春」』発売!

 いま、昆虫が危機に瀕しています。集約農業や森林伐採による生息域の減少、急速な気候変動……。昆虫は他の生物の栄養源であり、枯葉や死骸・糞の分解、土壌の維持、人間にとって有用な作物の受粉など、あらゆる生命を支えている存在にもかかわらず、その減少に大きな関心が払われているとはいえない状況にあります。  マルハナバチの研究を専門とするデイヴ・グールソンは、昆虫の数が近年急速に減少しつつあることを明らかにし、人類と地球の未来を守るための具体的な行動指針を示すために本書『サイレント・ア

【著者インタビュー】日本の資本主義を支えてきた、人々の「ある欲求」とは? 気鋭による書き下ろしの力作が刊行されます

――なぜこのような本を書こうと思われたのでしょうか?  会社がなぜ、人としての成長や自己向上を社員に求めるのか不思議に思ったことが、きっかけです。私は大学を卒業後、ある生命保険会社に就職したのですが、新入社員研修でいきなり、デール・カーネギーの『人を動かす』(1936年刊)をプレゼントされました。「人に好かれる6原則」とか、「人を変える9原則」など、成功するための“名言”がまとめられた、有名な“成功哲学”本です。  社員研修では、仕事に必要な専門知識を学ぶだけでなく、「働