教養・ノンフィクション

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戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』 ―—さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編①》

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』 ―—さあ、答え合わせをしてみよう!《解答と解説編①》

 練習問題1~5の解答と解説を見ていきましょう。  ※練習問題1~5はこちらです。 問題1 ツッコミについて考えてみよう 解答と解説  クロエの両親がどちらもO型であるという根拠だけからは、クロエの血液型もO型だということは、厳密に言えば論理的には出てこない。それは、「O型」をそれ以外の血液型、たとえばA型にとりかえてみるとわかる。 根拠 クロエちゃんのご両親はどちらもA型だからね。 主張 クロエちゃんの血液型はA型だと思うよ。  これは、はっきりと間違った推論である

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中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《ただならぬ気配①――廃墟・牢獄・脳内風景》」

中野京子「異形のものたち――絵画のなかの怪を読む 《ただならぬ気配①――廃墟・牢獄・脳内風景》」

 画家のイマジネーションの飛翔から生まれ、鑑賞者に長く熱く支持されてきた、名画の中の「異形のものたち」。  大人気「怖い絵」シリーズの作家が、そこに秘められた真実を読む。  ※当記事は連載第9回です。第1回から読む方はこちらです。 廃墟趣味  廃墟は独特のオーラを発している。歴史を語り、過去の栄光を偲ばせ、死者を蘇らせ、遠い未来をも想像させる。何よりそこには、ロマンと恐怖を撚り合わせた凄絶な美がある。幻影として、記憶として、ただならぬ気配としての美……。  だからこそヨー

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戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——『思考の教室』に目を通して、精選5問に挑戦してみよう!  練習問題エクストラ《問題編①》

戸田山和久『思考の教室──じょうずに考えるレッスン』——『思考の教室』に目を通して、精選5問に挑戦してみよう!  練習問題エクストラ《問題編①》

『思考の教室』の読者のみなさん。拙著を読んでいただいて、ありがとうございます。初めて会う方に「読みましたよ」と言ってもらえたりするのが、著者としてはいちばん嬉しいことなのです。 『思考の教室』はワークブックとしても使えることを目指したので、練習問題をたっぷり掲載しました。ぜんぶで42問。楽しんで解いてもらえたでしょうか。  執筆の過程では、その倍近くの問題を作ってありました。ぜんぶ採用するととんでもない厚さの本になってしまうので、泣く泣く削りました。問題を作るのは難しい。手間

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生まれた性にくつろげる人は、本当にいるだろうか?――赤坂真理『愛と性と存在のはなし』刊行に寄せて

生まれた性にくつろげる人は、本当にいるだろうか?――赤坂真理『愛と性と存在のはなし』刊行に寄せて

 11月10日に、『愛と性と存在のはなし』という本を刊行した。長いあいだ持ってきた違和感や、未だ言語化されたことのない、もやもやした生きにくさなどに、端を発した本だと言える。が、書き終わって、その先に、あるいはその奥を突き抜けて、希望はあるのだと、自分自身が思えた本だった。  この本を手にしてくださった方は、少し変わった印象を持たれるかもしれない。これは社会批評なのか、個人的な物語なのか、と。  両方である。  この本には、社会考察とともに、わたしという一人の人間の、心も

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大澤真幸 連載「真に新しい〈始まり〉のために──コロナ時代の連帯──」第6回(最終回) 人新世のコロナ禍〔後編〕

大澤真幸 連載「真に新しい〈始まり〉のために──コロナ時代の連帯──」第6回(最終回) 人新世のコロナ禍〔後編〕

 コロナ禍のもと、身体的接触がタブーとなるなか孤立した人々の間には亀裂が生じ、社会の分断が進行している。米中をはじめとする大国は露骨な国益を主張し、私たちは国家という枠組みに否も応もなく囚われていく。このような息苦しい時代だからこそ、階級的格差を克服する平等性の実現や、国家という枠を超えた普遍的連帯の可能性というビジョンを、私たちはいま一度真剣に追究するべきではないか――。 「コロナ時代の連帯」の可能性と、そのための思想的・実践的課題に鋭く迫る、著者渾身の論考!  ※連載第1

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「コロナ禍では独裁がメリット?」「SNSが民主主義の限界を暴く?」2500年規模の世界史を大胆に整理し、「独裁」を切り口に語りなおす!――新刊『独裁の世界史』より

「コロナ禍では独裁がメリット?」「SNSが民主主義の限界を暴く?」2500年規模の世界史を大胆に整理し、「独裁」を切り口に語りなおす!――新刊『独裁の世界史』より

 世界から独裁者が消えないのはなぜか? テクノロジーの進化が可能にする「デジタル独裁」にどう向き合うべきか?  我々日本人にとって絶対的な「正」に思われる民主政も、歴史をひもとくとあながちそうとは言いきれません。冒頭に挙げた、現代社会における素朴な疑問や喫緊に迫る懸念に答えるには、意外にも古代史にまで遡って先人たちの経験をたどることが近道です。  当記事では、11月10日に発売された古代ローマ史の泰斗・本村凌二氏の新著『独裁の世界史』より、序「いま、なぜ独裁を考えるのか」を一

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少年の筆が色を失った世界に光を取り戻していく――ファンタジーの名手・刀根里衣さんによる最新絵本『にじいろのせかい』より

少年の筆が色を失った世界に光を取り戻していく――ファンタジーの名手・刀根里衣さんによる最新絵本『にじいろのせかい』より

 ちっぽけな自分にも、何かできることはないだろうか――。筆とパレットを手にした絵描きの少年が、真っ暗な世界に色をつけていく。周囲に彩りが戻ったとき、少年が目にしたものとは……。  絵本作家・刀根里衣さんにとって2年ぶりの新作絵本『にじいろのせかい』が、11月10日に発売されます。これまで経験したことのない日常を送っているわたしたちをやさしく前向きな気持ちにさせてくれる作品です。  さて、ミラノ在住の刀根さんと担当編集者Hが校了後にオンラインでやりとり。本作が生まれたきっかけか

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ノーベル化学賞2020受賞の新技術「CRISPR-Cas9」――NHK科学・文化部デスクにゲノム編集の「今」を聞く

ノーベル化学賞2020受賞の新技術「CRISPR-Cas9」――NHK科学・文化部デスクにゲノム編集の「今」を聞く

 2020年10月7日、日本時間午後7時、スウェーデン・ストックホルムの王立科学アカデミーが、ノーベル化学賞の受賞者を発表しました。受賞したのは、フランス出身でドイツのマックス・プランク感染生物学研究所のエマニュエル・シャルパンティエ所長と、アメリカ出身でカリフォルニア大学バークレー校のジェニファー・ダウドナ教授の2人。ともにゲノム編集の新手法、「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)」を開発した研究者です。  当社から2016年に刊行された『ゲノム編集の衝撃 「神の

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大澤真幸 連載「真に新しい〈始まり〉のために──コロナ時代の連帯──」第5回 人新世のコロナ禍〔前編〕

大澤真幸 連載「真に新しい〈始まり〉のために──コロナ時代の連帯──」第5回 人新世のコロナ禍〔前編〕

 コロナ禍のもと、身体的接触がタブーとなるなか孤立した人々の間には亀裂が生じ、社会の分断が進行している。米中をはじめとする大国は露骨な国益を主張し、私たちは国家という枠組みに否も応もなく囚われていく。このような息苦しい時代だからこそ、階級的格差を克服する平等性の実現や、国家という枠を超えた普遍的連帯の可能性というビジョンを、私たちはいま一度真剣に追究するべきではないか――。 「コロナ時代の連帯」の可能性と、そのための思想的・実践的課題に鋭く迫る、著者渾身の論考!  ※連載第1

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「NHK出版新書を探せ!」第9回 リベラルはエリート主義を脱せるか?――三牧聖子さん(国際政治学者)の場合〔後編〕

「NHK出版新書を探せ!」第9回 リベラルはエリート主義を脱せるか?――三牧聖子さん(国際政治学者)の場合〔後編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 <今回はこの人!> 三牧聖子(みまき・せい

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