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教養・ノンフィクション

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2020年2月の記事一覧

殺人的な熱波、大規模な洪水・山火事、深刻な大気汚染、経済破綻、気候戦争……『地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実』より抜粋掲載①〔全3回〕

「今世紀末までに日本を含むアジアの大部分が居住不可能」「4℃の上昇で北極圏にヤシの木が生える」など、気候変動をめぐる数々の衝撃的な予測で世界的な反響を呼んだ『地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実』が、遂に日本登場。はたして「戦慄の未来」は訪れるのか? われわれに救いの道は残されているのか?  2020年3月14日(金)の発売に先がけ、本書よりその一部を抜粋して全3回にわたってご紹介します。 いま何が起きているのか  気候変動の実態は思った以上に深刻だ。進行は

「愛と性と存在のはなし」第6回 〔愛と欲望の痛みと傷〕 赤坂真理

※連載第1回から読む方はこちら すべてが性愛になる  前回、フレディ・マーキュリーとクイーンを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』のことを書いた。  対比で思い出すのは、フランスの女性作家マルグリット・デュラスの少女期の自伝的小説『愛人 ラマン』だ。  いや、対比というよりは連想。  主人公に男女というちがいがありながら、不思議なほどよく似た手ざわりのものとして、わたしは両者を思い起こす。  両方とも「植民地」での性愛が核の部分にある。そこが起点となっている。フランスの

「結婚しなくてよい」が7割近くに――平成最後の調査で明らかになった、現代日本人の姿とは?

*「結婚しなくてよい」が7割近くに *夫の家事「するのが当然」でも「中心は妻」 *天皇に「尊敬の念をもっている」過去最多に  1973年から5年ごとに実施している「日本人の意識」調査。「生活の目標」や「人間関係」といった基本的な価値観から、「家庭」や「仕事」、「政治活動」や「ナショナリズム」など、様々な領域の質問要項を設定し、それを45年にわたってほぼ同じ方法で継続的に調査・蓄積してきたデータの分析は、社会学の研究者たちからも高い信頼を得ている。日本人の意識はどう変わったのか

食べものを前にすると、なぜ「食べたい」と思うのか? その答えは、遺伝子組み換えゼブラフィッシュの放つ「光」が教えてくれる

 NHK Eテレ、異色の知的エンタメ番組「ろんぶ~ん」を書籍化した『奇跡の論文図鑑 ありえないネタを、クリエイティブに!』より、番組MCを務めたロンドンブーツ1号2号・田村淳さんも「刺激的だった」と評した論文を紹介!  国立遺伝学研究所・川上浩一(かわかみ・こういち)教授らの論文「獲物を視覚的に認識したときの視床下部下葉(ししょうかぶかよう)摂食中枢の活性化」。その独創的な研究内容をわかりやすく解説します。 イラスト=藤田 翔 遺伝子組み換えゼブラフィッシュの実験で、人間

自閉症のピアニスト・紀平凱成(カイル)の夢に寄り添い続けた母が綴る、家族の感動ヒストリー

 メディアから注目を浴びる天才ピアニスト、紀平カイル18歳。発達障害のひとつ「自閉スペクトラム症」と診断されたのは3歳のときだった。両親の影響で音楽に囲まれて育ったかれが「ピアノを弾く人になりたい」と言うのを聞いて以来、母はその夢に寄り添うことを決めた。親子はどのようにして数々の試練を乗り越え、喜びを共有してきたのか、母親の視点で丁寧に振り返る。  当記事は、2020年2月21日に発売予定の『カイルが輝く場所へ ~発達障害のわが子がピアニストとして羽ばたくまで』から、「はじめ